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サ飯の最適解をみた

ナシカレー 王子ムルギー@西新井


 なんか体がダルい感じで、調子がイマイチだったので、朝からサウナをしばいて仕事に行こうと思った。

 僕の定宿ならぬ定サウナである亀有の大谷田陸橋近くにある「明神の湯」が1ヶ月ほど改装工事中なので、ここ最近はもっぱら西新井にある「The SPA」に通っている。駅から歩いて3分程度なので通いやすい。
 併設するセントラルウェルネスクラブ24が運営するスパなのだが、一般でも一日滞在で平日なら1000円ほどで入れるコスパ優良物件。もちろんお食事処もあれば、休憩スペースも漫画も充実している。お食事処にはサ酒にもぴったりなおつまみメニューも充実している。今日が休日じゃなかったら、あやうくいつも通りサ酒に切り替えてしまうところだ。

 葛飾区とか足立区とかのスパ施設は、老人が結構多い。だから朝風呂はそれなりに老人で混んでいる。ちなみにここは夕方から筋トレ後のマッチョだらけになる。

 今日はととのえに専念しようと思うので、サウナ10分、水風呂1分半、外気浴10分くらいを3セット繰り返すメニューにしよう。これなら1時間ちょっとでととのう。といっても、これが僕のデフォルトメニュー。ここで一旦休憩を入れて、あと2セットやるパターンもあるけども、3セットやったあとは、サ酒の誘惑に勝てないのでここで打ち止めになることがほとんど。

 「The SPA」は高温ドライサウナが1つ。水風呂は16.5度。温泉が内と外に1つずつ、あとは内風呂にジェットバス、外には寝湯がある。種類は少ないけど、欲しいものは全部揃っている感じ。で、「明神の湯」に比べれば人数は全然少ないので、サウナ待ちをすることもない。結果的に定サウナをこっちにしようかと検討してしまうほど快適な場所だ。さらに僕もセントラルで筋トレでもすれば完璧なんだけど、それはちょっと保留にしておきたい。

 いい感じで、ととのったので、サ酒…はできないから、サ飯でも食べて仕事に行こうと思う。いつもは一旦スパを出て外で食事ってのができないのでお食事処で食べるけど、今日はもうスパを出るので、サ飯をここで食べる必要はない。サ飯を外で食べるってワクワクする。

 さて、らーめんにするか? それともスパイシーな麻婆豆腐? いや、たまには油淋鶏の定食なんかもいいんじゃない? そんな想像をしながら、西新井駅に向かっていると、行きには気がつかなかった小さな店に目が留まる。

 「ムルギーカレー」

 おや、渋谷の名店のムルギーみたいだと思って、入り口横に貼ってあるメニュー写真を見たら、まんま渋谷のムルギーだ! 嘘、こんなとこに? ムルギーはもう10年以上も行ってない気がする。よし、今日はここで決まりじゃん。サ飯にカレーなんて最高でしょ!

 こじんまりとした店内は6~7席くらいのカウンターだけの営業らしい。ホールの奥さんがものすごく愛想いい方でニコニコと接客している。これはアタリのお店の予感。

 メニューを見ると渋谷と同じ白飯を山形にしたムルギーカレーのほかに、ナシゴレンとミーゴレンまである。これは渋谷にはないメニューだ。インドやネパールからインドネシアへと手を広げたか。僕はパッタイやミーゴレン、ナシゴレン、ガパオなどタイ料理・インドネシア料理も大好きである。基本、パンチのあるジャンクなものは大体好き。パクチーも大好き。てへ。

 そこで、おそらくこの店最強のメニューらしきものを発見した。それがナシカレー。ナシゴレンにムルギーカレーをかけたメニューだ。元々ムルギーカレーを食べに入ったのだから、もう、これ以外の選択肢はないでしょ。ナシゴレンとカレー。カラカラになった体だから、想像するだけですでによだれが出てきてしまう。

 注文して、すぐにスープとサラダが出てくる。キャベツ千切りにフレンチドレッシングのサラダとワカメスープ。このチョイスは微妙によくわからないけど、サービスとしては渋谷にない感じで嬉しい。

サラダとスープ

 そして本命のナシカレーが運ばれてきた。

ナシカレー

 かなり素敵。ナシゴレンだから目玉焼きが乗っている。ムルギーカレーのゆで卵スライスもいいけど、なんかこっちの方が僕的にはそそるなぁ。
 元々渋谷で修行した店主が独立したというだけあって、カレーはあのムルギー。シャバシャバでチキンが溶け込むようにたくさん入っている。スパイスたっぷりでインドカレーとは異なり脂の少ないさっぱりカレー。ネパールとかスリランカのカレーに近い感じ。それをさらに日本人向けカスタムして滋味深くしたような味わい。こんなカレーをよく70年以上前に作ったなぁと感心する。戦後すぐってことだよね。恐れ入る。

目玉焼きとナシゴレン

 ナシゴレンはいわゆるナシゴレンというより、昭和の喫茶店に出てくるドライカレーという感じ。カレーチャーハンとでもいうのかな。レーズンが入っているところが昭和のドライカレー的で、おっさんには懐かしさで泣けてくる。このナシゴレンだけでもドライカレーとして美味しく食べられるのだけど、ムルギーカレー合わせるとなかなか絶妙な味で美味い。不思議な味わいでもしかしたら唯一無二かもと思わせる。ひとつ失敗したのは辛さを強くすれば良かったこと。ムルギーカレーもナシゴレンも多少の辛さはあるのだけど、サウナでしばいた体にはもうちょっと強刺激でも良かったかもと思った。辛さプラスも無料なので、次回は辛くしようと思う。それでも食べているうちに額からは汗が滲み出していた。サウナでしばいたあとなのに。

 というか、チキンカレーで、スパイスたっぷりで、ドライカレーで目玉焼きのせなんて、サ飯として最強のメニューなんじゃないかと思った。

 「The SPA」に来たときはサ酒よりもムルギーかもしれない。お酒の誘惑に勝てればだけど…。


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