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手と仕事

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100人を撮ることになってからからのことやぼくの思想そのものを文章化した。
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#写真

人の口説き方を間違えると自分の価値を下げる|手と仕事#19

カメラマンになろうと思った時って一体いつだろうかなんてわかんないけど、20歳の時にカメラを手にした時には少なくともそんな夢見ていなかった。 ぼくがカメラを持つ理由を見つけた時に憧れた人はもちろんカメラマンで、アーティストで、芸術家で、気まぐれな大人で、そんな人の価値観を間近で覚えながらカメラと生きてきたぼくの感性はいつだってフォトグラファーや写真家って呼べるほど堅苦しいものじゃなくて、ぐにゃぐにゃと場所と環境で形を変えて、好き勝手に生きるように見えては何かを生み出すことをや

ある日を境に自分の写真が生まれた時、何もかもが変わり始める|手と仕事#18

ふとしたタイミングで撮ったもの、タイミングを狙って撮ったもの いつもとなんだか違う気がしてきて、いつもより写真が綺麗に見えてきて、明るい場所は明るく、暗い場所には影ができて鮮明にこの世界のことを写すことができたとき、カメラってやつを手懐けた気がしてそこからは何を撮っても自分の、自分だけの写真が出来上がる。 そういう切り取り方するよねって、SNSに流れてくるぼくの写真を見ては誰かが手を止めて「あの写真撮ってたね」って、話のネタにあがる。   ぼくに写真の依頼をしてくれる方の

悲しみで花が咲くものか、つらい努力は実らない|手と仕事 #15

努力って結局実るのか? 実る努力もあれば、どうにもならない努力もある。 つらくて苦しくて、自分の痛みに蓋をするように歯を食いしばるような努力のあとは、傷だらけの自分がそこにいたのだと思い知るのだ。 この地獄を乗り越えれば今はつらいけどこれを超えさえすればって、頑張って頑張ってどんなことも我慢して超えた先には案外普通の景色が広がっているんだ。 想像していたよりも普通で、どうやってもこの努力の対価としてはあまりに不釣り合い。 努力ってのは方向を間違えるとなにもならなくて、

すぐれた芸術作品は、人の心を深く傷つける|手と仕事#13

『手と仕事』が始まってから8ヶ月が経った。 この8ヶ月の期間、たくさんの作り手さんに出会って、熱い想いも素敵な作品もこの作品にかけた時間も、本当に多くの方の手を撮ってきた。 そうやっていろんな想いを見てきたからこそ、時折見せるその人の手や顔が素敵で、思わずぼくは息を呑む。 一つの金属棒から指輪を作り出したり、地元産の製材から木工作品を作り出しり、普段はきっとここに人はいないはずの場所にぼくは立ってシャッターを切る。 切るたびに変わっていくその作品たちを見てぼくはね『し

人に会うことが未来の自分の仕事を作るのだとしたら|手と仕事#12

フリーランスとしてどんなことが一番大事なのだろうか? これから独立する誰かも3年前開業届を出した僕も、きっと誰もがぶち当たる壁ってやつがあるんだと思う。 ぼくは何の実績もつながりも持たないまま無謀な開業をして何とかして今も生きながらえている名前だけのフリーカメラマン。 カメラの仕事ももちろんやっていいるし、少なからず長野に移住して3年の間に築き上げた人間関係というものが今のぼくの生活を支えてくれている。 その行動力と今の活動における原動力って一体何? 二つほど前の記事でも

演劇の向こう側 表現者との距離感 |手と仕事#11

季節は春。 モゾモゾと世間は動き始めて新生活や新学期、新しい職場など環境が変わっていく人がまちを賑やかにしていくのだろうって そんなぼくもこの春には市内ではありながらも拠点を移し、その町の小さな劇場ではなんとも愉快な劇団員さんたちが自分たちのできることを精一杯に表現していた。 この小さい劇場の距離感では、演者さんの息遣いも涙がこぼれる一瞬さえも何もかもが見える。 ふっと大きく息を吸い込んだ途端にその綺麗な目からはとめどなく涙が溢れて、初めて見るそれにぼくは思わずシャッター

ぼくにとってのカメラと写真の存在意義|手と仕事 #10

最近は凍えるような寒さに、ストーブの前から離れることができない毎日を送りながらも、日々カメラに向き合い時には雪深い外での撮影もすることもあって手袋と長靴が必須な毎日となってきました。 ただどうしても依頼される方で『暖かくなってから、、』という方も少なくなく冬は撮影がやばいなあと思う日もありますが、そういう時は潔くぼくはバイトしてます。 『カメラ一本で食っていこう』なんてまだまだ先のことだと理解しながらも、夢ってのを追いかけたくなるのが人間というもの。 2022年の9月か

行動することが結局は一番早く信頼を得る方法 | 手と仕事 #09

めっきり寒い、朝起き上がればストーブをつけて、モゾモゾと夏よりも鈍く起き上がる。 日光のある場所を求めてずりずりと動く。 まだ体温のあがらない重たい朝を迎えた僕はこれでもカメラマンでカフェの人、エプロンをかければカフェの人になり、カメラを持てばカメラマンとして活動する。 僕のカメラマンになるって決めた時のことを書いたnote はこちら↓ カメラマンとして活動していると明言しているのだから、当然お仕事をいただいている。 イベント系のカメラマンであったり、個人の方からご依頼い

カメラを買い替えたら仕事が決まった|手と仕事 #8

どうも、最近めっきり寒くなってきて ホットコーヒーが美味しい季節がやってきたなと感じている、なおとです。 (平然とこんなこと言ってますがまだこんな挨拶は2回目) カフェの店主としての顔をもちながらカメラマンとして活動している中で、すこし前の話になりますが今年一番の大きな買い物でカメラを買い替えました。 結果としては最高の結果になったからよかったですが、買った時は仕事無かったらどうしよう、、、。って本心では焦っておりました。 カメラの限界と、欲求の狭間で カメラとい

半径二メートル先の芸術がぼくの世界をまた変える。|手と仕事 #7

どうも、最近芸術にどっぷりハマっています、なおとです。 カフェの店主の一面を持ちながらも、カメラマンとして活動しているぼく。 最近なんの因果か芸術関係の方の写真を撮ることが増えてきてね、そういうところの情報がやってくるようになったんですよ。 カフェの営業中、お皿も洗ってお客さんはまったりしていて、なんだかちょっぴり眠くなっていた時だったかな、カフェの営業と100人の撮影と仕事での撮影がピークの時でさ、ぼくの住むまち長野県松本市ではそのときちょうど 『FESTA まつもと』

チャンスの女神は前髪しか生えてない 手と仕事#6

どうも、皆さんこんにちは コーヒー屋さんだったり、カメラマンだったり なんかよくわからないけどめちゃくちゃ写真撮りまくってるなおとです、編集が死ぬほど溜まっている!! (こんなこと初めて言うね。何事とか思わずに受け止めてね) さてさてこんなふざけた前座はさておき、結構真面目な話をしていくと、みなさん『チャンスの女神』って知ってるだろうか? 女神の髪型は前髪しかない。 チャンスに向き合って、前からしかチャンスは掴めないよという意味なのか、、 とはいえ、突然後頭部つ

フリーランスで仕事する覚悟ってなんなの?| 手と仕事 #5

手と仕事 無償で仕事をする人の手にフォーカスして撮影を始めてから、不思議とカメラマンとして依頼してくれる方が増えてきた。 そして、写真で生きていこう、カフェもやろうって個人でやっていくことをぼくは決めたわけだけどその『覚悟』の話にもなった。 ぼくもね色々悩んだ。本当にこれでいいのかって、本当にこのクオリティでお金をもらっていいのかと、頭が削れそうなほど悩んだ。 好きで始めたことだから、と言い訳をして お金が欲しいわけじゃないから、と好きなことでお金をもらうことにいつ

100%でやれば結果はいつか出るし、見てくれる人はいるよ|手と仕事#3

【100人の手と仕事】をはじめてからはただただ、その人の動きが綺麗で、気持ちがまっすぐで、純粋で、ぼくは羨ましかった。 だから、だれよりも見ていたかった。 誰よりもちかくで熱を感じたかった。 __________________________. 『見ている世界と考えてる世界と生きてる世界が、なんというかキラキラしてるんですね』 とある作家さんがぼくの写真を見て、こう言ってくれました。 始めましての方でしたが、すごくぼくの心を震わせてくれました。 【1

カメラマンです、って言いまくってたらお仕事がたくさん増えた|手と仕事#2

9月も終わって10月。 ぼくの住む町は朝晩の冷えが激しくなってくる頃。 つい3週間前まではセミの大合唱が夏らしさ!ってやつをぼくに知らせまくっていたけれど、今となっては静かな秋の虫がジリジリと鳴いて冷たい空気の中でひっそりと秋を知らせてくれている。 秋といえば、食欲だの読書だのなんだの、色々出てくる!ぼくにとっての秋はやっぱり眠りが心地いいこと。眠る時も起きた時もちょうどいい適温で、特に不快感もなく起きれるってのもいいし、若干夏よりも深くなった気がする眠りの質的なやつも心