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演劇の向こう側 表現者との距離感 |手と仕事#11

季節は春。
モゾモゾと世間は動き始めて新生活や新学期、新しい職場など環境が変わっていく人がまちを賑やかにしていくのだろうって

そんなぼくもこの春には市内ではありながらも拠点を移し、その町の小さな劇場ではなんとも愉快な劇団員さんたちが自分たちのできることを精一杯に表現していた。

TEAM Opcebo. 第7回公演サンセットムーン 月うさぎ走る!
@ スタジオ365松本うら町  作/演出 林邦應(KS Labo)

この小さい劇場の距離感では、演者さんの息遣いも涙がこぼれる一瞬さえも何もかもが見える。
ふっと大きく息を吸い込んだ途端にその綺麗な目からはとめどなく涙が溢れて、初めて見るそれにぼくは思わずシャッター切るのを忘れてしまうくらいに美しくて、儚くて、拳を握るその手が震えていることも全てが表現だった。

劇が終わった後もその余韻はじわじわとぼくの心を侵食して、喰らい尽くしていく。
手と仕事の撮影を始めてから、このようなお仕事をいただくことが多くなったり、まちに関わったり人に関わったりとさせてもらっている。
おかげさまで日々満身創痍、情報の断片をどこかに置いてきてしまっているような日々を過ごしながらもそんな毎日が愛おしく思えたりする。

そしてこの『TEAM Opcebo.』は関東を拠点にする演劇チームなのでこちらで演劇する際の滞在先となるのがぼくが運営する『信州まつもとうらまち シェアハウスうら町base』で受け入れて演者さんと夜を楽しく過ごす予定だ。

こうして表現する人たちと交流して、いろんな感情を知っていけば行くほどぼく自身の写真に対する思いや意図する何かさえも変わっていくようで、きっとそれは『手と仕事』においても手仕事をする人たちのことを知れば知っているだけぼくの写真はより良いものに、より深い感情の入った意図のある写真になっていく


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