その皿、付喪神につき。
少し前、僕は買い物をした。
購入したものは一枚の小皿。
田舎のおばあちゃんちにありそうなお皿。
この小皿との出会いは友人に案内してもらったとある街で、古食器を扱う古物店をみつけたことがきっかけで購入しました。
パートナーとふたり暮らしのコンパクトなわが家ではあまり多くの食器を持たないようにしているものの、お互い食べることが好きなのでそれに伴い食事を彩る器は好きだった。
なので購入はしないものの和食器屋さんかな?と思ってお店に足を踏み入れたんです。
小さなお店には所狭しと大小さまざまな皿や茶碗、グラスが並んでいて少し気押された。というのも商品にはそれぞれ小さなシールが貼られていて「明治~大正期」「昭和前期」「幕末」とその器が作られた年代が分かるようになっていて、骨董品=高価と思い込んでいたこともあり入る店を間違えたななんて感じてしまったからで。
しかしよくよく見ると年代に添えられた金額は1000円代だったりと思った以上に安価。考えてみれば、名匠が手掛けたわけではなくその時代の大衆的なものなら、そりゃ安価だろうなと勝手に納得しました。一般家庭や気軽に入れる料理屋なんかで使われたものなのかもしれない。
それはそれでロマンがあるなと思ってその日はお店を後にしました。
帰宅後、やっぱり年代物の食器を手に入れてみたくなり後日再びお店に足を運ぶことに。
狙うは幕末のもの。出来れば小皿を買ってお香を焚く際に灰を受ける受け皿として使いたい。
というのも、パートナーから以前もらったお香をまだ一度も焚けていなくて。お香立てはセットで付いていたので受け皿があればすぐに始められるんです。
なぜ幕末かというと、中学生の頃から新撰組が好きで自分の先祖の中にも新撰組のある志士と間接的な縁があったから。だから思い入れもある時代で、もしも割ってしまったら泣くかもしれないとかそんなことまで考えて、冒頭の金淵の小皿を購入しました。
物は100年経つと付喪神になると言われています。
幕末の何年かまではわからないものの、幕末に起きた事件の中でも有名な池田屋事件は1864年の出来事。2022年の今年から150年以上前にあたるため確実に100年以上経過しているのは確実。
ということは、僕は付喪神を家に招いたことになりますね。素朴で柄も色合いも鮮やかだからさぞ美しい付喪神なんでしょう。
今わが家では時折付喪神の皿でお香を焚いて楽しんでいます。
はじめは線香っぽいと感じたのだけど、実家でよく仏壇に線香をあげていたのを思い出して結構落ち着く。灰も受け皿にちゃんと落ちているし、なんとなく雰囲気もあって気に入っています。
お香はパートナーからもらったお香のアソートの他に無印のお香も焚いていて、まずは手始めに金木犀の香りにしてみました。無印のものは安いから手軽に焚けるのがいい。硝煙時間(で合ってるのかな)は15分くらいと少し短めだけどとてもいい香りです。
次に買うなら白檀かなぁ。
お香についていたお香立てがかなりシンプルだったので、受け皿に合わせて買い換えたい今日この頃。
付喪神が気に入るようなものが見つかるといいのだけど。
年代物のお香立てに出会えるまでとしてとりあえずSHEINで探そうと思います笑
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