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【続】あの日見たシンバルを持ったおさるさんの名前を君たちはまだ知らない

ヨドバシカメラのCMにシンバルを持った猿が登場していることに気付いてから、早いものでもう3年ほど経過した。
この事実に気付いている方が、どれだけいるだろうか。

はじめにお伝えしておくと、僕はヨドバシさんのこの遊び心が好きなのでこの記事はヨドバシさんを貶める目的や悪意はまったくありません。ただただ、この謎を解明したいと心から願っているだけなのです。
また、店舗への問い合わせの際は業務を妨害しないよう注意し、人の少ないタイミングで手短に行っております。


1年ほど前に、僕はこのシンバルを持ったお猿への好奇心と懐疑心がピークに達してしまい下記のようなnoteを書いた。

自分なりに調べてみたものの、結局答えはわからず終いだった。だから書いたからといって僕の中の疑問が解決したわけではありませんでした。
それは前回の記事を読んでくださった方たちもそうだったんじゃないでしょうか。謎のまま終わってしまった記事を読んで、「なんだよ結局わからずじまいなのかよ」と思いませんでしたか?僕が読み手ならきっとそう思ったと思うんです。
前回書いた、ヨドバシカメラのCMに登場する猿の存在を探った記事。あの記事は僕が書いたものの中でも、コンスタントに読まれ続けた1本でもあります。このことは僕と同じようにあのCMに対して疑念を抱く人がいて、検索したりして僕の記事にたどり着いたということだと受け止めています。
調べてもわからない、謎に包まれたままであるあのCMにおけるおさるのシンバルくんの存在を、オカルト好きの僕はUFOやUMA、都市伝説やフリーメーソンのようなオカルトだと思っています。

前記事を執筆をしたあとも、変わらずおさるのシンバルくんはヨドバシカメラのCMに登場し続けた。なんなら今年は昨年よりも登場回数が多くなっているように感じて(あくまで僕の体感です)、我が家では新しいCM が更新される度に「また居るよ……」と畏怖の念を持ってテレビに釘付けになった。家族ぐるみで完全にオカルト扱いです。

2022 年、僕は三度、ヨドバシカメラにこの疑問を解決すべく足を運びました。もう半分ヤケです。特にほしい家電はない。ただただおさるのシンバルくんの存在についての疑問を解消したいがためだった。向かった先はもちろん新宿西口にあるヨドバシカメラホビー館。
理由はとても単純。関東で生まれ育った僕にとって有名すぎるヨドバシカメラのCMソングに、

まあるい緑の山手線
真ん中通るは中央線
新宿西口駅の前
カメラはヨドバシカメラ

とあったからだ。どうせ乗り込むなら新宿西口店の他に考えられない。いつだって狙うは本丸だ。その別館である玩具を扱うホビー館ならなにか知っているのではと思わずにはいられなかった。

2022年1月末。記事を書いたあとも残された疑問にモヤモヤが止まらなかった1度目の訪問で、僕は店頭でさっそく面食らった。店頭の外側、入り口の真横に彼が鎮座していたのだ。

この写真は3度目の訪問時(11月)のものです

まさか、そちらからお出ましになるとは微塵も思っていなかった僕は、その光景に恐れおののいた。まるで僕の訪問を待ち構えていたかのようではないか。その出で立ちに、この謎を解明したいという思惑までお見通しとでも言っているのではとすら考えてしまったほど。
※ヨドバシカメラさんにそのような意図はありません(きっと)
先手を打たれてしまった(違う)僕は、思わずたじろぎ、その日は1階のフロアを一周しただけで尻尾を巻いて帰ってしまった。
なんとも情けない結果に終わった悔しさを胸に、2度目の訪問。同年夏の出来事。もちろん店頭では変わらずおさるのシンバルくんが僕を待ち構えていたが、一度経験していた分僕にも耐性が出来ていた。彼の威圧(だと勝手に思っているもの)を跳ね除け、今度は店員に話しかけることに成功した。作戦はこうだ。商品を探すふり(演技)をしばらくして、近くにいる店員にそれとなく「◯◯って商品ありますか?」と聞き、そのついでに雑談っぽく聞き込みをする。シンプルなだけに演技力の要る作戦。なにせヨドバシカメラには僕の思惑などまるっとお見通しなのだから─────

僕は人気の少ないフロアを選び、商品を探すふりをしながら話しかけられそうな店員を探した。レジ付近に手が空いていそうな男性社員を見つけると、意を決し話しかけた。「◯◯という商品(玩具)を探しているのだけど、取り扱いはありませんか?」と。
お目当てのフリをしていた商品は生憎在庫切れだと告げられ、僕は「そうですか…」と残念そうなふりをしながら「そういえば、」と例の話を切り出した。

「全然商品とは関係ないんですけど、なんで入り口にシンバルを持った猿の人形を置いてるんですか?あれってたしかCMにも映ってた気がして───」
「ああ、あれはなんか上の方がなんか好きみたいですよー」
若干濁し気味ではあるものの、これは新たな情報。これに食らいつかない手はない。

「そうなんですか笑 えー?社長さんとかですか?」
怯むことなく1歩踏みこんでみる。
「いやぁ、私もよくは知らないんですけどね。」

なるほどそうきたか。しかしまぁたしかに一店員の立場でCMの敬意なんて容易に聞くことは難しいのかもしれない。
僕が学生時代にアルバイトをしていたチェーンの総菜店でも、「本社はなんでこうするんだろう」なんて思うことはあったし、似たようなことなのかもしれない。
この日は、「上層部等の“上の方”がおさるのシンバルくんに何か思い入れがあるようだ」というところを落としどころにして、店舗をあとにした。

因みに、前回の記事に書いた際の調査ではヨドバシカメラへの問い合わせにより、下記のようなことがわかっている。

・担当者がさるのオモチャに強い思いがあった
・ヨドバシカメラ各店舗で販売している

前回の調査より

合わせて考えると、「仕入れ担当である(もしくはあった)“上の方”がおさるのシンバルくんを大層気に入っている」ということだろうか。

ダメ押しの3度目の訪問は11月のはじめ。
全く同じ手口で僕は手が空いていそうな男性店員に話しかけた。

「◯◯という商品(玩具)を探しているのだけど、取り扱いはありませんか?似ているものでもいいんですが……」
「ああ、ありますよー」

あった。
まさかのあった。

詳しい商品名はまたの機会として───正確には同じものではないけれど、同じ用途の玩具が入荷していた。前回の訪問時のあと入荷したのか、もしくは問い合わせにより似たものを発注してくれたのか。
どちらにせよ前回なかったものがあり、これはこれでとても嬉しくなりちゃんと購入した。
ありがとう、ヨドバシカメラ……

違う違う そうじゃ そうじゃない

いやそうだけど。
僕はレジで会計時に例の質問を店員に投げかけた。以下はその際の僕と店員の会話をメモしたものです。ほとんどそのままの会話をどうぞご覧ください。

「全然商品とは関係ないんですけど、入り口に置いてあるシンバルを持った猿の人形ってなんで置いてあるんですか?」
「ああ、あれですか。あれはー…」
「推してる?」
「推してるのもありますし、まぁ人形としても目立つので(お客さんを)呼び込んでもらっているというか。」
「そうなんですか。実はホラー映画が好きで、よくあの猿出てくるんでヨドバシさんにホラー映画好きがいるのかなとか考えちゃいました笑(前回の調査記事参照)」
「それはあんまり関係ないと思いますね」
「誰か上の方があの人形をお好きなんですか?」
「そうみたいです。」
「なんかCMにも映ってるって友だちにも聞いたんですが映ってるんですか?」
「映ってますね~!結構小さくなんですけど。今のCMは右側かな?よかったら見てみてください!」

二回目よりもどうにか一歩踏み込もうとしていることを感じていただけたでしょうか。緊張感で高鳴る鼓動を抑えるように極力平静を装い、聞き込もうと意気込んだこの瞬間の僕は、間違いなくジャーナリストのそれであったと自負している。そんなことはまあ置いておくとして、三度目の訪問でなされたこれらの会話からわかったことは、
・ホラー映画は無関係
・店員さんは本件について深く知らない様子
ということ。

やはり改めてヨドバシカメラに問い合わせるほかないのかもしれない。
しかし前回の調査ですでに本社へは問い合わせ済みのため、本件はいよいよ手詰まりかもしれない……

そんな風に考えていたところ、ついにこの冬、ヨドバシカメラがやりやがりました。
思わず言葉が荒くなってしまいましたが、これを見たらあなたもそう思うはずです。

該当は2022年のクリスマスシーズン向けの下記のCM。

※おそらくこの動画はシーズン終了後にチャンネルから消えることを考慮して、以下にこの記事にたしかにCMの動画を貼った証拠としてスクリーンショットを残しておきます。


証拠画像


サムネイルから既にお気付きかもしれませんが、明らかにいつもより彼が登場していた……いや、登場しすぎていたんです。

以下に各場面のスクリーンショットを載せますので、よかったら各画像のどこにおさるのシンバルくんがいるかご確認ください……

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お分かりいただけただろうか……

ほぼ全シーンに彼が登場しています。
もしかしたらこれは彼が登場するCMの最終回なのかもしれません。
それくらい登場しているとは思わないでしょうか。

このCMの初見時、僕は思わず頭を抱えた。
毎回1シーンほどの登場では満足出来なかったのか、それともこの謎を知る人が増えてきたことでサービス精神を爆発させた結果がこのCMなのか。

もしかしたら僕は、この謎を深く追いすぎてヨドバシカメラさんに存在がバレてしまったのかもしれません。追い詰めてしまったのかも。
そして潮時だなんて思ってしまわれたのかもしれない。

そう考えた瞬間、僕は不思議と寂しさを感じていたんです。
彼がCMに登場すると、「なぜ?」とその存在理由知りたさに胸をざわつかせていたこの3年間のうちに、彼の登場が僕の中でとても楽しみになっていた。もう彼をCMで見られないかもしれない、そんな状況になってはじめて大切さに気付かされるなんて。
感染症が世界規模で蔓延し、暗いニュースの耐えない世の中で「おさるのシンバルくん」という小さな謎の種を植え続けてくれたヨドバシカメラ。CMの内容には関係ないその不思議な存在で、僕や彼が気になっている人々の心に謎に対する好奇心をくすぐることで、ずっと元気づけていてくれた、そう考えることも出来ます。
そのための謎は、謎のままでいいのかもしれません。

いや、僕は知りたい。
それでもこの謎を解き明かしたい。

というか絶対に後者であったと僕は考える。今回のCMは、少しずつおさるのシンバルくんの存在が増えてきている今、お客様を第一に考え事業展開をしているヨドバシカメラがお客様を楽しませるための最大限のサービス精神を込めたものなんですきっと。

いつかこの事実が広く知れ渡って、何らかの形で謎を解き明かすことを願い、その日まで僕は調査を続けたいと思う。

僕は諦めない。
待ってろよヨドバシカメラ。



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