今どき中学生男子の生態
那珂です。
今日は、英語教育の話は一休み。
閑話休題。
今日から、中体連地区大会が始まりました。
いろんな学校の中学生を見る機会が多くなりますが、ワタシが教職に就いた二十数年前とはずいぶんと生徒の質も変わってきています。
毎日生徒と接していると、逆にわからない変化もありますが、私のパーソナルトレーナーさん(中3男子の母)と話をしていて気付いたこともあったので、書いてみようと思います。
1 体のつくりがずいぶん違う。
体力、筋力ともに落ちてきているためなのか、部活動をしてもケガが多いです。体の使い方が、上手ではないなという印象があります。背の高い子も多いのですが、バランスが悪いというか、筋肉が十分付いていないので、体を支え切れていない感じがします。50分の授業時間、姿勢を保っていられない子が増えてきています。
食生活も変わってきているのか、偏食が多い気がします。給食をあまりガツガツ食べなくなりました。残食も多かったりします。給食をしっかり食べる子の方が、体つきがいいです。食べない子は、以外とぽっちゃりめだったりします。食べる事って、体作りには欠かせない要素なんですけどね・・
2 反抗期が見えない
一昔前だったら、女の先生に対して、「くそばばあ」とか何とか、ヒドい言われようでしたが、今はそんな子いません。みんな、基本的に優しいです。お母さん大好きだったりします。表だって親や先生に反抗してくる子がほとんどいないんですよ。逆に、女の人の扱いが上手いというか、「こう言ったら、喜ぶだろうな」とか、そういう戦略で言葉かけをしてきます。幼いのか、それを通り越して、大人なのか、よくわかりません。
要するに、「可愛がられ方が、上手い」んだろうな。
優しいですが、さみしがり屋なのか、「かまってちゃん」になる子も多いです。強い口調で注意すると固まってしまうこともあるので、(打たれ弱い)ちゃんと理由を説明して、「わかってもらうこと」を心がけています。
3 「美しくありたい」という願望が強い
一昔前だと、ひげがボーボーだったり、眉毛が繋がってたり、すね毛ワキ毛もそのままだったりしてた子がけっこういましたが、今はそういう子がいません。男子でも、コームを持ち歩いたりしているようです。美意識が高いのね。
部活動のユニホームを着ても、ちゃんと美しい状態を保っています。それって、すごいことじゃない?それだけ、日々ちゃんとお手入れをしているということですよね。男子は汗臭いとか言われますが、そんなこともあまりありません。(大人の先生方のほうが、気になるかも・・・)
BTSをはじめとした男性アイドルをお手本としているのか、ユニセックスな美しさを求める子が多いようです。校則の髪型規定も自由になってきているので、ツーブロックは全部ダメ!なんてことが言えなくなってきています。どこまでがOKなのか、生徒も教員も、今は手探りで進んで行っている状態です。
4 欲がない
ガツガツしている子がいなくなりました。何でも「スマート」に、というか、そこそこで良いとすぐに折り合いをつけようとする子が多いです。女の子の方が、最後までとことんがんばる!という気持ちを見せる子が多いですが、男の子は、あきらめが早い感じがします。それと、「やる前から、できないと言ってしまう」子が多くなってきています。失敗を怖がるというか、「できなかったらどうしよう?」とやる前から心配して、結局手をつけられないという負のループに陥る率が高い気がします。
「有言実行」よりも「言わないでおいて、しれっと成功する」人のほうが、かっこいいと思われるようです。だから、「先頭に立って、ばりばりみんなを引っ張るようなリーダー」にはなれない、と思っています。だから、こちらから背中を押すときに、「強いリーダー」にならなくても良いよ、と声かけをすると「やってみよう」という気持ちになれるみたいです。
「Z世代」と呼ばれる人々の中でも、まだまだこれからの人が中学生です。「今の若者は・・・・」と嘆く大人よりも、実はちゃんと物事を考えていて、行動しようと思っている生徒もたくさんいます。自分の若い時を思い出して比べがちになってしまいますが、そもそも我々の学生時代とは比べるものではないような気がします。
デジタルネーティブと呼ばれる彼らがすぐれている面もたくさんあります。同じものさしで比べるのではなく、彼らの良いところを認めて、伸ばすことの方が、より建設的だと思うのです。
教育の結果が出るまでというのは、とても時間がかかります。彼らが大人になったとき、どんな社会になっているのか。世の中を渡っていけるために、本当に必要な能力を育てるため、学校は何ができるのかを考え、今、変わっていかなければならないと思います。
健康な体と、考える力。
シンプルに、生きるために必要なことを伝える。
それが、本来の学校の機能だと思うのです。
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