【読書】SDGsの後に見えるもの

今日の本『人新世の「資本論」』 斎藤幸平 集英社新書

 こんにちは ナカちゃんです。

 今日、コロナの感染者数が2100人を超えました。

 これからどうなるのか不安がいっぱいですが、まずは落ち着いてnoteを書きたいと思います。

 SDGsについて学びを実践してみた

 先日、こどもSDGsの本を紹介しましたが、中3の英作文のテーマとしてSDGsを設定しました。子どもたちは、興味のあるトピックだったようで、それぞれが17の目標から大切だと思ったものを選び、レポートにまとめていました。

 SDGsは、最近のニュースや新聞でもよく目にするようになりました。2030年までの目標ではありますが、きっと2030年を過ぎてもまた新たな課題が次々と生まれてくるような気がします。そうだったとしても、これから大人になっていく「Z世代」の若い人々が、SDGsを知り、少しずつでも実践していくことで、大きな変化につなげていくことが出来るかもしれません。そのことを「知ってもらい、一緒に考えること」が教育の役割でもあると私は考えています。

 さて。

 「SGDsの後には、何が来るのか。」

 この命題について、非常に明快に答えている本があります。

それが 『人新世の「資本論」』です。

 SDGsは、「持続可能な開発目標」ですが、そもそもの「持続可能な社会」は現状の経済成長を求め続ける資本主義社会です。気候変動も、コロナ禍も、文明崩壊の危機も、戦争も、、。この危機を救う、唯一の解決策は、潤沢な「脱成長経済」だ。

 読み進めると、「マルクス主義」の再解釈に行き当たります。斎藤氏は、古いマルクス主義が亡霊のように復活するのではなく、新しい解釈で、「脱成長経済」を叶えるための新マルクス主義を解説していくのです。

 私が印象に残っているのは、次の部分です。

 つまり、晩年のエコロジー・共同体研究の意義をしっかりと押さえることではじめて、浮かび上がってくる『資本論』に秘められた真の構想があるのだ。そして、その真の構想こそが現代で役立つ武器になるのである。
 この構想は、大きく5点にまとめられる。「使用価値経済への転換」、「労働時間の短縮」、「画一的な分業の廃止」「生産過程の民主化」、そして「エッセンシャル・ワークの重視」である。

 「加速主義」(accelerationism)ではなく、

  「減速主義」(deaccelerationism)こそが、革命的なのだ。

 コロナパンデミックを起こした世界で、私たちは何を考え、何を学んだのか。コロナ後の世界に必要なideaは何なのか。

 SDGsを考えることは、私たちの生活様式や、経済の在り方についても変革を求めることであると思います。でも、さらにその先の「世界」を考えた時に、SDGsは「魔法の呪文」「魔法の杖」ではないことを知っておくべきかもしれません。

この本は、私たち大人が、子どもたちにこれからの未来を託すための「覚悟」を持たせるための教科書なのだな、と感じました。

 文章は難しいかもしれませんが、しっかりと読みこむことで、「先が見えない世界」を照らす「知の光」となってくれる良書です。

 私も、何度も読み返しながら、じっくりと考えてみたいと思います。







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