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マンガ『モネのキッチン』で想像する 印象派画家たちの生きた頃

カミーユ・ピサロ
エドゥアール・マネ
エドガー・ドガ
アルフレッド・シスレー
ポール・セザンヌ
クロード・モネ
ベルト・モリゾ
オーギュスト・ルノワール

アートに明るくない方でも、どなたかのお名前は、きっと聞いたことがあるのでは?
彼らは19世紀のフランスで、旧態然とした画風が評価される業界から抜け出し、新しい表現に果敢にチャレンジしていった画家たち。

そんなパイオニアたちの作品が、今日の印象派の絵画なのです。

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普段、展覧会などではあんまりフォーカスされないのですが、
実は彼ら、ほぼ同年代なんですよ。ご存知でしたか?

カミーユ・ピサロ(1830-1903)
エドゥアール・マネ(1832-1883)
エドガー・ドガ(1834-1917)
アルフレッド・シスレー(1839-1899)
ポール・セザンヌ(1839-1906)
クロード・モネ(1840-1926)
ベルト・モリゾ(1841-1895)
オーギュスト・ルノワール(1841-1919)

これって・・・ものすごくないですか?
わたしは初めて気づいたとき、だいぶ驚きました。

こんなにも素晴らしい画家たちが、見事に、ここまで同じ時代を生きていただなんて・・・なんてすごいんでしょうか!夢のようですが、事実です。

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そんな彼らをとっても身近に感じられる上に、”印象派”が生まれるまでの美術史を学ぶことも、当時の衣食住や文化まで知ることもできてしまう!素敵なマンガがあるのですよ~

にしうら染さん『モネのキッチン』です!!!

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『モネのキッチン』は、主人公のクロード・モネが、画家仲間と共にグループ展を開くまで、つまり”印象派”が生まれるまでのお話しです。

これを読んだら、きっとみんなモネが好きになります!!!

なかなか作品が評価されなかった若手の頃、懸命に自らが信じる道を進んでいったモネと、彼を支え続け、多くの作品にも描かれた妻カミーユ、息子のジャン、ともに作品づくりに励んだ画家仲間たちが、とても丁寧に描かれたマンガ作品です。

ちなみに今回のヘッダー画像は、モネの作品です。
タイトルは《印象 日の出》。もちろんマンガに登場します。

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まず、にしうらさんの描く絵が、とってもきれいでステキ!!!
みんな可愛いしカッコいい!”絵が好き”って、マンガにおいて単純だけど超重要ですよね。

しかも!にしうらさんは、そんじょそこらのマンガ家さんではありません。
大学で西洋美術史を専攻 & モネ好き・印象派好きな方なのです。

だから、作家たちの作品そのものも、エピソードも、本当に細部まで抜かりなく参考文献や資料にあたられた上で、描かれてらっしゃいます。
(巻末にその一覧がありますが、見たらびっくりする数です・・・)
だからもう、説得力が全然違うんですよ!!!

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でも、そもそも、画家たちの物語なのに、なぜタイトルにキッチン???

ですよね。この作品、とっても美味しそうな食事のシーンの数々に、大きな意味があるんです。

フレンチトーストにスクランブルエッグ、はちみつクッキー、ガレット、トマトソースのオムレツや、魚介を煮込んだ͡コトリア―ドなどなど・・・

食卓を通して、彼らの日常が、日々の暮らしが、実際はどんなものだったのか、が手に取るように伝わってきます。
何より、これらの魅力的なメニューを囲んだ登場人物たちが、本当に楽しそうに食事しているんですよ!!!


いま、友人知人、同僚、実家の家族としばらく会えてない、という方が多いと思います。食事を囲んでわいわい、なんてことも、相手の健康を思ったら、無邪気に誘ったりもできません。

だから余計に、この作品に出てきた食卓のシーンは、読んでいてとても幸せな気持ちになりました。あまりに美味しそうに描かれているので、どんどんお腹がすいてきてしまうんですけども・・・。


食事のシーンだけでなく、住んでいる家や室内の様子、着ているお洋服など、画家を紹介するときにはあんまり描かれないようなところが、とても丁寧に描かれています。
この生活感を感じられる描き方は、にしうらさんならではの本当に素敵な切り口だなぁと思いました。

また、モネ一家だけでなく、ルノワールやマネ、女性画家のモリゾや、モネの師・ウジェーヌ=ルイ・ブーダンとのエピソードなど、登場人物それぞれのドラマも描いていて、みな本当に魅力的なんです。

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ストーリーが面白いのはもちろん、単行本2冊にぎゅぎゅっと濃縮されたマンガ作品ということもあって、わたしはあっという間に読み終えてしまいました。

彼らは100年以上も前にフランスで生きていた人たちなんですが、とっても身近に感じられて、すっかりモネ一家や印象派の画家たちのことが好きになってしまいました。

”え、印象派って何?てか誰が誰だかよくわかんないし”っていう方でも、全く問題ありません。むしろそういう予備知識ゼロな方のほうが、楽しんで読めるかも。
そしてきっとあっという間に魅了されてしまうことでしょう!!!
Kindle版なら今すぐ読めます。ぜひポチってください。

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ついでにわたしの仕事の宣伝も、失礼して・・・

全くもって手前味噌ですが、こちらのお仕事がご縁で、光栄にもにしうらさんご本人にインタビューさせていただきました!!!

特に『好きなことをお仕事にするまで(2/4)』をお読みいただけると、より伝わると思うのですが、にしうらさん、とっても魅力的な方なのですよ!

作品だけではなく、ご本人のファンになってしまったのは言うまでもありません。
ぜひともこちらも、多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。ぜひ!

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ちなみに、もっとにしうらさん作品を読みたくなったなら!!!

マリー・アントワネットのエピソードが描かれた踊る!アントワネットさまほか、Amazonなどで単行本を買われるのももちろんおすすめです。

が!個人的には、このサイトでしか買えない旅行記が、心の底からおすすめです!!!


OBIKAKEのインタビュー『アート系マンガ家・にしうら染さんが選ぶ、好きな西洋絵画&美術館って?(3/4)』でも出てきたパリ滞在時の旅行記マンガ2冊は、読んでいて楽しくて、勝手に一緒に旅行している気分になりました。
本当に!心の底から!パリに行きたくなりました!今すぐ飛んでいきたい。

こんな風に、暮らすように滞在できたら、どんなに楽しいでしょう・・・
そして毎日、美術館ざんまい・・・この世の天国。いつまででもいられます!!!


だんな様と出かけられた台湾編も、もちろん面白かったです。
台湾行きたい!屋台ごはん食べたい!!どれも美味しそう!!!
『モネのキッチン』並みに、読んでいてお腹が空きますよ。

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ちなみに・・・こちらの書籍のマンガ、実はにしうらさんが描いてます!
知らずに読んだことのある方も多いのでは?
『モネのキッチン』で西洋絵画の世界に興味が出たら、ぜひこちらもどうぞ

実はわたしも、インタビューのお話しをいただく前にこの本を購入して読んでいました。なので、ご本人にインタビューできるなんて!と嬉しかったです。

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そして、モネに興味が出たあなたは、巷で話題のこちらをどうぞ。

モネといえば、睡蓮を描いた作品の数々ですが、その最初期のものから晩年のオランジュリー美術館の大装飾画まで、なんと全308作品!ありまして、そのすべてを集めて解説した、という永久保存版な本ですよ。

正直、この内容でこのお値段、安いと思います。高いけど。


また、こちらの展覧会もぜひ。本当に開催が待ち遠しいです!!!


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