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『神様からの贈り物☆…私がしている変なお願い。』

久しぶりに会った母は、
めちゃくちゃ笑顔だった。

「五分粥と手作りのゼリーが美味しいの!」

ようやく食べられるようになったことを、
子供のように喜んだ。

しかし、その後は
ビックリするほど理路整然と話をした。

「いざと言う時は、お姉ちゃんと良く話し合って。
2人で協力してやりなさい。
パパが倒れた時とは違うから…」

普段以上に良く喋った。
いつになく素直だった。
違和感を感じるほど元気だった。

「入院していると暇だから、
 般若心経を暗記したの。」
と般若心経の全文をそらんじて披露してくれる。

どうしちゃったの?
お母さん。

面会に許された40分は
あっという間に過ぎて行った。

寂しそうに手を振る母を置いて
病院を出る。

帰りの新幹線。
妙に元気な母を嬉しく想いながら
小さな頃を思い出す。

色々なペットを飼った。
ハムスター、ヒヨコ、チャボ、ウズラ、柴犬…
そして…看取った。

太郎、花子、グレアム、ウズ、太朗丸…

歳をとって、病に倒れ、
日々、弱って行く姿が今も忘れられない。

しかし、
みんな、ある日、突然、元気になる日があった。

うわぁ、元気になった。
昨日は歩けなかったのに、
今日は立てるようになったね!!

丸一日、一緒に遊んで楽しい時間を過ごした。
また明日も遊ぼうね。
約束をして寝ると…
翌日、静かに息を引き取っていた。

泣いた。

最後の最期に
神様から“時間”と言う贈り物を貰った。
そう思った。

妙に元気だった母…

『神様、まだ贈り物を貰うには早すぎます。
 もう少しとって置いて下さい。』

夜…
東京の病院で、
母が般若心経をあげているだろう時間。
関西の自宅で、
私は変なお願いを神様にしている。

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