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おさんぽスケッチ会① ~いつもの道に、たくさんの春。~ 開催しました

前回の記事で ”おさんぽスケッチの魅力”  について書きました。

「やってやって~!」という、地元のパン屋のお姉さんからの一声で、以前から自分もやってみたかった”おさんぽスケッチ会”が実現することになりました。楽しみと緊張がいりまじる、自分発信のイベント。

場所は、本当にいつもの、何でもないお散歩コースにすることに。本当にこんな場所でいいのかなぁと不安な気持ちもありましたが、誰の家のそばにもあるような普通の場所で、素敵なお散歩コースを見つけること。 

そこで好きな植物や風景に出会い、季節に気付くこと。

そうすることで、自分の住むまちや自然がもっと好きになっていく。自分がやってきたそのことを体験してもらうことが大事なのかなと考えました。

さらに、季節はちょうど4月の春。日本中が桜や春の草花たちにわきあがる季節。ふだんの道でも、一番美しい景色が見れる時です。いつもの草花たちが、みんなをきっと楽しませてくれるだろうと、信頼することにしました。

今回のテーマとなるサブタイトルは、”いつもの道に、たくさんの春”。

パン屋さんに貼ってもらうために作ったチラシ

インスタグラムや畑スケッチ教室の生徒の皆さんに告知したり、パン屋さんにも手伝ってもらい、気づいたら、老若男女10人以上の人が参加をしてくださいました。

いざ、当日。駅に集合し、お互いに軽く自己紹介などをしながら、みんなで歩き始めます。絵を描くのが初めてという人や、その日習い事を休んで参加してくれた親子、畑の仲間、イラスト仲間さんなど、みんなわざわざ来てくれました。

町中をぬけ、畑があるエリアでは、植えられている野菜を見ながら「これは何でしょう」というクイズをしたり、普段は見過ごしてしまうような身近な植物に少しずつ目を向けていきます。

そうこうしているうちに、笑顔や笑い声、みんなの心がほぐれていくのを感じます。そして、今回のスケッチスポット、桜と菜の花のある川原へ。

足元の大きなクローバーに目を向けるみんな
夏前にピンクの花をつけるレッドクローバー。模様も可愛い。
西洋カラシナの小道

ソメイヨシノは、今年は早く咲いたので、この時期は八重桜がちょうど咲き始め。もう少し歩こうかと思っていたのですが、小学生の男の子が待ちきれずスケッチし始めたので、この八重桜のトンネルの下を、急きょスケッチスポットにすることにしました!

みんなで描いている感じがステキ
小さな椅子やシートを持参、飲み物も。

「桜の全部を描こうとしないで、一部でも良いし、足元の可愛い草花でも良いですよ!よく観察して描きましょう」そんな掛け声と共に、みなさん描き始めました。初めての人でも描けるように、私のクラスは始めはペンで描くスタイルを取り入れています。

ボタン桜の木の下で、みんなでのんびりスケッチすること約1時間ちょっと。最後はみんなで見せ合って、感想をシェアします。同じ場所にいても、みんなそれぞれ、描くもの、見えるものが違っていて、それぞれの絵が表現されます。

・絵を描くのは学生以来だったけど、やってみたら、意外と描けて、楽しかった。
・この時間に集中して癒されるという良さが分かった。
・最初はうまく描けなかったけど、先生に「描こうとするのではなく、見たものをそのまま写す」と言われてから可愛いく描けた。
・よく見たら小さな草花に可愛いのがいっぱいあることに気付いた。
・楽しかった!!

みなさんの感想の一部

など、みんなそれぞれに楽しんで描いていただけたようでホッとしました。どの絵もとても素敵。

線だけでも可愛さが伝わる
動き出しそうな立体感の桜
どれもステキ
上から垂れさがる繊細さ
足元の小さな小さなお花を描かれました
たくさん草花を見つけてイラストっぽく


こうして、無事に楽しく終わった初めてのおさんぽスケッチ会。私も緊張があったりで、話したいことがうまく話せなかった部分もたくさんありましたが、何より、みんなでスケッチに没頭して、ピンク色の桜の空間の中に身をひたすことができたことがとても感動的でした。

自然の中で絵を描いているときは、都市の中にいるときとは違って、たくさんの感覚をひらいて、無心で描きます。普段なら、八重桜の下を歩いて、綺麗だねと写真を撮って帰る、それだけの関わりかもしれませんが、スケッチをすることで、本当に多くのことをその場所から感じることが出来ていることに気付いていただけたらと思います。結果的に1時間以上もひとつの草花と向き合うことは、スケッチをするならではのこと。

今回、絵を描いた皆さんは、八重桜に葉っぱがあること、その葉っぱの色は茶色であること、花の色、幹の色、形。きっとクイズにしたら、迷うことなく答えられるようになっているのではないでしょうか。そして、また来年、どこかで八重桜に出会ったとき、前より親しみがあって、きっと八重桜のことが前より好きになっていると思います。それが、おさんぽスケッチの何よりの魅力。

このスケッチ会のことを思い返すとなぜか、桜ではなく、みんなが絵を描く姿が浮かんできて、絵を描きました。またやりたいな、そう思える会になりました。



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読んでくださってありがとうございます。植物を暮らしの中で楽しむ方法を、絵や文章を通して発信していきたいです。それが回りまわって、”自然”と”人”を守ることに繋がればと思います。まだまだ未熟ですが、サポートしていただけると嬉しいです。