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「荒木町 きんつぎ」佐藤正規さん、5月15日の答。

―要請に準じた通常営業―

2018年7月に開店して、もうすぐ2周年。「荒木町 きんつぎ」は、アイデア溢れる和食と日本酒で荒木町に新風を吹き込んだ。飲食店が必要とされる今と未来を疑わない、1986年生まれの店主が選んだ答は「通常営業」。


自分たち以外の理由で売上が落ちること

僕らはテイクアウト、デリバリーなどは一切していません。
「通常営業が営業だ」という気持ちを強く持っているので、これまでイベントなどのお誘いも辞退してきました。
そんなことは言っていられない非常事態かもしれませんが、だからこそ不慣れなことをするよりも、本来の仕事をしっかりしていこうと。

家で食べるごはんは、家族や恋人が作ってくれる、または作ってあげる「できたて」には料理人も敵わないです。
飲食店の強みはそこじゃなくて、設えた空間、僕らの気に入りの器、気持ちのよいサービスのなかで、プロの仕事を施した料理を食べてもらえることですよね? 

それ以外のことをやらなくて済むなら、やりたくない
もしも、ほかの何かをしなければならない時がきたら、僕らは短期的でなく長期的に見て「その後」につながることをしたいです。

「荒木町 きんつぎ」は、ノリ(北村徳康さん)が料理、僕が主にお酒とその他全般を担当しているお店です。2人でいつも、あらたまってのミーティングではなく会話のなかで「どう思う?」とやりとりしているので、意見は一致しています。

2月・3月はほぼ満席で、売上でいうとコロナの影響はほとんどありませんでした。状況が一変したのは、小池都知事の外出自粛要請(3月25日)。この日を境に、席が埋まらない日が多くなっていったんです。

僕らは2018年7月に開店して、まだ2年目ですが、ここで初めて「自分たち以外の理由で売上が落ちる」という経験をしました。

僕らが努力して、それにお客さんが満足してくれればお店は発展するだろう。そうあたりまえに思っていたけど、努力とは関係なく、自分たちが原因じゃないところで店が危機にさらされることがあるんだと。

コロナという原因自体は、僕らにはどうしようもないことです。
でも、内部留保に関する僕の考え方も甘かった。まだまだですね。今回の事態を乗り越えたら、いろんなことを踏まえて運営できるようにしたいと思います。

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