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「Ryukyu Chinese Dining TAMA」玉代勢文廣さん、5月5日の答。

―クラウドファンディング―

沖縄料理と中国料理とナチュラルワイン。深夜3時まで笑い声の絶えない「琉球チャイニーズ TAMA(タマ)」。ソーシャル・ディスタンスの時世になって、玉代勢文廣(たまよせ ふみひろ)シェフは「人との距離が近い」この店の存在意義を見失ってしまった。しかし、救ってくれたのはやはり「人」。常連客たちが立ち上げたクラウドファンデングだ。

映像を倍速で逆再生するみたいに

「TAMA」っていう店は、奥のテーブルやカウンターでは仲間同士ワイワイやってて、入口の立ち吞みも人がいっぱい。十分満席なのに、知ってる顔が入ってくると「いけるいける」って、みんなで詰めて入れてあげちゃう。深夜になるほど賑やかになって、午前3時まで続きます。3密どころか6密ですよね。

そういう毎日が、3月を過ぎてもまったく変わらなかったんです。
だからコロナのニュースは知っていたけど、この光景がなくなるってことは、想像もできなかった。対岸の火事という心境でした。

ところが3月中旬、電車通勤しているアルバイトが「電車が怖い」って2人辞めたんです。店の外はそんなに深刻だったのか、とハッとした途端、現実が迫ってきました。
お客さんもスタッフも家族も感染させないこと。お店をクラスターにしちゃいけないってことです。

まずは3密を避けるため、新規の予約を取らず、フリーのお客さんは立ち吞み3組までに絞って空間を空けようと。
でも常連さんは、いつも通りだと思って店に来る。断れない人もいたりしてひやひやしながら、徐々に入店を抑えていきました。

3月25(都知事による「感染爆発の重大局面」発言と週末、夜間の強い外出自粛要請があった日)頃が境目だったか、そこからは、まるで映像を倍速で逆再生するみたいに、何もかもがどんどん消えていった。
お客さんも減ったし、週末の28日(土)〜30日(月)はこちらから予約をキャンセルしてもらって臨時休業にして。

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