見出し画像

テクノロジーの活用で情報共有 -スマレポ日記2-

スマイルレポートとは何か


私は在宅医療に関わる医師です。
医療・介護においてテクノロジーの活用を進めたいと考えていてプログラミングの勉強を始めました。

まだまだ紙媒体での情報共有が多い中で、職場内の感謝を共有するサンクスレポートと、一般に紙ベースで行われているヒヤリハット報告をデジタル化することを考えています。

サンクスレポートでポジティブな情報を共有しヒヤリハットレポートの活用で同じミスの繰り返しが減れば、職場内の笑顔が増えると考えて、この二つのレポートをまとめたものをサンクスレポートと呼ぶことにしました。

まずはデジタル化したものを職場で共有

まずは、サンクスレポートとヒヤリハットレポートの両方をGoogleフォームで作成し、さらにトップページをHTMLとCSSで自ら作成しました。
こちらが、そのサイトのデモです。

サイトにアクセスして、「サンクスレポート」「ヒヤリハットレポート」のいずれかを選択してもらうと、それぞれのGoogleフォームに飛んで入力ができるようになっています。

法人内での試験運用

まずは法人内での試験運用を行いました。
運用初日には、めずらしさもあってかサンクスレポートが3件入力されましたが、その後数日にわたって両レポートの報告がありませんでした。

簡易マニュアルの作成


このため、利用方法のマニュアルを作成し配ることにしました。

スマイルレポートマニュアル

気軽に入力できるサイト

当法人には、私が院長を行い福岡で在宅医療を提供している「たろうクリニック」、重度認知症デイケアである「デイケアうみがめ」、住宅型有料老人ホームの「ナーシングホーム花見東」、高齢者グループホームの「GHなかばる」、今年8月東京に開業した「たろうクリニック葛西」があり、クリニック部門は全職員が通常業務でパソコンやスマホを使用するものの、他の部署ではスタッフはデジタルデバイスの利用をあまり行いません。

今回の仕組みではGoogleフォームを使っているので、サイトにアクセスすればメールアドレスや会員登録など行わずに簡単に情報が入力できるため、個人携帯からも情報を入力しやすいと考えました。
このため、マニュアルにはサイトのQRコードを載せています。

感謝の共有をどの程度行うか

いくつかサンクスレポートの報告がある中で、当初は感謝された人の名前と感謝された内容を院内で共有していました。
これに関して職場内での感想を求めたところ、新人スタッフから「どういった行動をすると周りの人が助かるのかわかるからいい」という意見があった一方で、「同じ仕事をしているのに、あの人には感謝があって自分にはないなど、難しい葛藤も生じるかもしれない」といった意見もありました。
このため、今は感謝された内容だけを共有するようにしています。

デジタル化だけではレポートは増えない

事前にある程度予想していたことですが、デジタル化しただけでレポートが急増することはありませんでした。

全員が一回はレポートを行ってみる

スタッフによってはGoogleフォームを使用したことがなく、新しい仕組みの利用を躊躇する人もいると考え、まずは実際のレポート入力を一回行ってみると次のレポート入力が行いやすくなると考えました。
あらためて、テクノロジーの活用で業務改善だけでなく、スタッフが働きやすい職場づくりにもつなげていきたいということを共有した上で、全スタッフが年内に一回はサンクスレポートかヒヤリハットレポートを行うようお願いをしました。

レポートするとポイントがつく仕組み

デジタル化しただけではレポートが増えないことは事前に予想していて、レポートを行うとポイントが入る仕組みの開発を法人内の試験運用と並行して行なっていました。

上の記事にあるように、名前を入れてボタンをクリックすればGoogleスプレッドシートに情報とポイントが入力される基本の仕組みは実装できました。

実際の点数について

レポート入力を習慣にしたいと考えていて、毎日サイトにアクセスし「レポートなし」としても1点が入り、サンクスレポートかヒヤリハットレポートの簡易報告を行えば3点、さらにいずれかのレポートの詳細報告を行えば7点が入る仕組みを考えていました。

このため、細かに選択肢が分岐する前半の簡易報告の部分を自分で作成し、最後の詳細報告の部分はGoogleフォームで作成したものを利用するつもりでした。

Google Formを使えば、もっと簡単に作成できる

上記の作成経過について、現在通っているスクールで報告したところ、前半部分もGoogleフォームを使ってもっと簡単に実装できるのではないかとご指摘いただきました。

そこでよく調べてみたところ、Googleフォームで様々な質問の分岐が実装可能だということがわかり、早速作成にとりかかったところ、あっさりできました。

はじめに所属と名前、簡易レポートを行うかレポートなしかを選択、例えば簡易サンクスレポートを選択すれば「感謝した人の名前」だけを入力し、これで終了とするか、詳細サンクスレポートに進んで感謝した内容について具体的に入力するか、といった流れになっています。

これらGoogleフォームで入力された内容はGoogleスプレッドシートに入力されます。
このため、入力された情報をもとに、レポートなしなら1点、簡易レポートなら3点、詳細レポートで7点が入ることとし点数をスプレッドシート上で集計できるようにしました。

COUNTIFS関数を利用

今後追加する機能について

共有をどう行うか

今後追加する機能について、点数計算はサイト上で名前を入れれば点数が表示されるようにするか、LINEに名前を送ると点数が返ってくる仕組みの実装を考えています。

また、サンクスレポートは投稿されたら内容のみがLINE Botで自動的に送信されるようにしてはどうかと考えています。(ためしにIntegromatで行おうとしたものの、うまくいかず実装は先延ばし、、)

また、ヒヤリハットレポートについては、全員がブラウザ上で閲覧できるようにスプレッドシートに書き込まれたものを見やすくする仕組みについて考える必要があります。
タブをつけ自分に関係がありそうなタブだけみれる仕組みと、上長がこれは全員に見て欲しいと選んだものは全員が見て、できれば既読未読のチェックができるようにしたいと思っています。

患者さんやご家族からもレポートが入力できるとよいのではないか -すずらん目安箱-

スマイルレポートの仕組みに関して、患者さんや利用者さん、ご家族、施設職員さんからもレポートが入力できるとよいのではないかとも考えました。

イメージ的には、よくスーパーにある「お客様からの声」で、感謝やお叱りの声をGoogeフォームで入力してもらうものです。

名称を「すずらん目安箱」として、こちらもGoogleフォームで作ってみました。

こちらの運用は年明けから行ってみようと思います。

さらに、複数の方へのインタビューを行ったのですが、記事が長くなったので次に続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?