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小説風カスタマージャーニーにしたら、プロダクトの深掘りがしやすくなった話

こんにちは。松本です。dippa! の開発にあたっては一般的なカスタマージャーニー形式で要素分解して整理してたんだけど、どうも味気がなくなってしまう感じがしてしっくり来てなかったところ、こんなやり方もあるよ。ということで、紹介してもらいました。

弊社のエンジニアからも同様の話は聞いていて、Zaimさんもアプリ開発にあたって、メンバーみんなで1つの小説で議論をしてたとのこと。

てことで、早速書いてみました。実際に自分だったらこう使うなーということで。実際は機能実装できてないことあるんだけど、目指す世界ということで見てもらえたら嬉しいです。

ちなみにdippa!のダウンロード はこちら。 「何食べたい?」「なんでもいいよ」みたいなとっさのお店探しに流れるあのストレスからユーザーを解放したいアプリです。

プロローグ

朝は苦手じゃない。最近は気がつけばだいたい6時に目がさめる生活になった。独身時代は朝方人間を自称し、22時に寝て4時に起きて仕事や勉強なんてこともザラだったが、子供ができてから生活が変わった。1LDKの生活では子供と一緒に寝てるのに目覚まし時計で先に起きるというのが至難の技だ。

起きたら最愛の息子に挨拶。何度目のダイエットだろうか、バターコーヒーを再び復活。息子も2歳を過ぎ、食事は自分でとってくれるようになった。とはいっても機嫌は日替わり。今日はどうも当たりのようだ。

さっさと自分の着替えを済ませて、息子の体温測って、着替えをして、家族全員で家を出る。妻は最寄り駅から会社へ、僕は息子と保育園へ。せっかく自転車も買ったのに、歩くのがお好きなようで。でも、この時間も貴重なんだろうな。

今日は11時から渋谷で打ち合わせ。ちょっと時間があるので、保育園近くのカフェで仕事。チェーンではなく個人経営?のちょっとおしゃれな感じ。ハイカウンターで充電しながら仕事ができるのがよい。コンサルティング業との兼務の中で、dippa! への想いをはせつつ、目の前のお客様の課題解決に注力していく。1個1個。

ランチタイム

渋谷。昔は嫌いだったけど、よくよく観察すると新旧入り混じる不思議な町だとわかる。この前1日ハチ公前でdippa! のヒアリングでナンパしてたけど、ハチ公前で待ち合わせて、スマホをお互いに開いて、どうしようかって話してる女性2人組が意外といる。どうしてもヒアリングに協力してくれた人って、料理好きで写真撮るのも好きなガチ勢の人が多いので、行動観察してみるとまた違うものが見えてくる。

さてさて、今日はコンサル業務の関連でデザイナーのO君と打ち合わせ。クライアント先の打ち合わせではいつも無理を聞いてもらってる頼れるパートナー。あれやこれや議論してたら、あっという間に13時に迫ろうとしている。2時間近く打ち合わせすると集中力も途切れてくるので、頃合いかなと思って、「軽くランチでもしますか?」と誘ってみる。

O君「お、いいっすね!なんかいきましょうか?」
松「本当に?無理しなくていいからね。仕事大丈夫?」
O君「あ、全然大丈夫ですよ。」
松「じゃあ、何食べようか?」
O君「松本さんが食べたいものでいいですよ!」
松「え、いくつかは知っとるが・・・」
行ったことがあるのは近くの親子丼のお店と、牛カツのお店。後者は間違いなく混んでるし、せっかく渋谷来たんだし、そこまで気に入ってないお店をまた選ぶのももったいない気がする。

松「じゃあ、dippa!で探すかな。結構この辺で多いんじゃないの?」
O君「言ってだいたいコンビニとかで済ませちゃうことも多いんですよね」
松「そっか、じゃあさー、なんか食いたいジャンル決めようよ」

松「パスタとかは?」
O君「昨日イタリアンでした。あ、別にイタリアンでも大丈夫ですけど」
松「いや、それじゃあ、違うのにしようよ。このグリーンカレーとかタイ系はどう?」
O君「いいっすね。ここ行ったことないけど行ってみましょ。」
松「じゃあ、ここで。えーっと詳しい場所は・・・。あ、そんな遠くないね。ここくる時に前通ったかも。」
O君「13時だったら混んでないっすよ。多分。」

店に着くと、いかにもタイの香りがするタイ料理だった。ランチセットが3種類。ガパオセット・パッタイセット・グリーンカレーセット。タイ料理はいつもパッタイとグリーンカレーで悩む。2つを同時に食べれて量が少し少なめのやつがあればいいのに。結局最初にdippa!で見たグリーンカレーセットにして食事。うまい。ちょっとオフィシャルなお客様を連れていくには困るけど、友達と食べにくるのは全然ありだな。覚えとこ。マイリストへ登録だ。

ディナータイム

最後の打ち合わせはクライアント先の中野。移動中はFeedlyでニュースチェック。打ち合わせは思ったより長丁場・・・結局19時に。さて。どうしよう。今から帰ってもご飯ないだろうし、子供の顔見たい気がするけど、打ち合わせ中もパカパカメールがきてたな・・・今日はルノアールで仕事してから帰るか。

ルノアールはほんと電源取れるし、落ち着いてるから好き。親父だな(笑)がーっと仕事さばいてたら、そろそろ腹減ってきた。何食べよう。頭に浮かんだのは「O将」。うーん。芸がないし、せっかくなら新しい店行くかな。何食べよう。焼き鳥ひとりで酒煽っても楽しくないし、ラーメンでもないから、なんか軽く1、2品と1杯飲んで。みたいなのないかな。食べログよく使うけど、こういう時だといまいち決まらないんだよな。dippa!だ!

うーん。何にすっかなー。お、ここの軟骨入りつくねうまそう。どんな感じの店だろう。ほかにどんな感じのメニューがある?一応一人で入ってもOKな店よな?あ、ちょっと予算に合わないかも。また今度。

やっぱ、ダイエットしてるし、「野菜食べたい」で検索だ。お、もしかして広島風お好み焼きあるじゃん。ダイエット・・はまぁ、キャベツ多いし、いいよね(笑)

「あ、一名ですけど大丈夫ですか?」
店内は人もちょっとはけたのか2人組のカップルと、3人組みの若手サラリーマン、4人組のおっさん連中。みんな楽しそうに喋ってるし、ひとりでも全然気にならないな。じゃあ、とりあえずノーマルで、そば。イカ天入れてください。あとマヨネーズも。

ここはいいな。広島県ゆかりのお店開拓の会メンバーに共有したいので、リストに投入しておこう。おすすめポイントはそばが辛み麺でうまかった。マヨネーズが別料金なのが許せないが・・・

エピローグ

帰ると23時。静まりかえった部屋で一息して、保育園との連絡ノートを見るのが、日課。おやすみなさい。

やってみてよかったこと

①感情のリアル感が増す
1つのストーリーを流れで書き上げていく、かつリアルな描写を心がけるほど、その瞬間に何を感じるかの感情がリアルに思い浮かぶようになった。「嬉しい」「めんどくさい」とか、ありきたりな一言ではなく、どう嬉しいのか、どうめんどくさいのか1つ掘り下げることができるので、本当にペインがあるのはどこなんだろうとイメージしやすくなった。

②いる機能・いらない機能が明確になる
実は最初に作った時に、食事終わった後に写真投稿して記録しておこうみたいなストーリーが入ってたんだけど、すっごい浮いてて、あっこれじゃねーな必要な機能。ってことで、外すことができました。ついついあれもこれもって機能考えるんだけど、冷静にジャッジするには使えると思います。

③相手と共有しやすくなる
読んでもらうと。あー。すごいわかった。みたいな反応が多かった。今回は自分が主人公でしたが、これがターゲットのペルソナの場合は、これを軸に話すと、共通言語作りやすいと思います。

ちなみに、まずは自分のプロダクトを作ってる人は、自分で書いてみるのがいいと思います。想定しているペルソナがどう感じるかというところから始めてもいいと思うけど、自分で書いてみたほうが最初は感情のキーワードが出てきやすいと思います。

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