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静かな退職

最近聞く言葉でちょっと気になったワード「静かな退職(Quiet Quitting)」について思いつくままに書き連ねたいと思います。

1 静かな退職とは

 もともとはアメリカでできた言葉のようですが、「Quiet Quitting」は、日本語にすると「静かな退職」ということです。別に、会社を静かに辞めることではなく、給料を得るために必要な仕事はきちんとこなすが、それ以上は頑張らないことだそうです。
 この言葉を聞くまでは、辞める予兆が全然なかった人が、その月になっていきなり上司に辞職願を出して、その月末に退職してしまうことかと思ってしまいました。なんで辞めてしまうんだろうと言われているうちに、送別会もできずに・・・。もしかしたら、私もどちらの意味でもそんな人になるかもしれません。

2 JTCでも似たようなことがある

 いきなりJTCという言葉を出してきましたが、私はこの言葉も今年になってから聞くようになりました。インターネットスラングのようですが、「JTC」は「Japanese Traditional (Big, Old) Company」の略で、伝統的な日本の大企業を意味する言葉だそうです。まあ、大企業の悪しき習慣とか良くない文化に対して自虐的に使うようです。
 そういうJTCでも、似たようなことは普通にあります。仕事をさぼっているわけではなく、決められている仕事は効率的にきちんと取り組みますが、仕事の境界が分かりにくいものや積極的にこれをやりますとは言いません。忙しいからというのもありますし、自分で責任を負えないものや変に巻き込まれたくない志向が強いと思われます。

3 静かな退職が起こる要因

 それが起こる要因ですが、会社で評価されない、昇進しないことで諦めがついている方もいるでしょうし、労働時間や残業時間制限の兼ね合いから、(そうはしたくないが)効率的な働き方が求められる中で、致しかたない対応もであるでしょう。
 また、考え方の転換というのもあると思います。昭和の時代は、仕事がいろんな意味で大変でも、給与や昇進で報いられていることがあったかもしれません。なので、辛くても家族のために頑張れたのかもしれません。しかし、今はそういう時代ではないので、趣味などのライフスタイルを充実させたり、危機感などから副業したりするのかもしれません。

4 現代における現象

 今の世の中、大企業にいれば安泰ということはなく(それでもまだ安泰だという声もあるが)、リストラや意に沿わない配置転換なども頻繁にあります。また、昔ほど安定しているわけではありませんので、やりたいことができる会社への環境や、自己実現だったり、やりたいことを意識した取り組みを考える中で転職への閾値も低くなっているも多くなっています。
 それに加え、ワークライフバランス、働き方改革やジョブ・ディスクリプション(job description)の影響もあると思います。ジョブ・ディスクリプションは職務内容をあらかじめ明確にし、評価基準をはっきりさせることで、客観的に公平に評価できるという利点があります。それを間違えた解釈をして、ジョブ・ディスクリプションにあることだけをやればよいとか、他のことは何もしなくても良いとしている例も多いと聞きます。日本の場合、雇用契約のあり方とか、流動性への許容などの整備も今後は必要になってくるのかもしれません。

5 最後に

 色々と横道にそれてしまいましたが、私は、静かな退職という概念を悪いようには捉えていません。テレワークになったことで起きる現象でもないし、どんな環境も仕事しない人はしないし、何もしないのもいるし、仕事があろうがなかろうが生活残業に励む方はいるわけでありそれは変わりません。まずは、静かな退職という、最低限の決められたことをきちんとこなすことは必要ですし、大事だと考えます。そのうえで、色々組織運営にご協力頂けると良いなという愚痴でした。

#中小企業診断士 #企業内診断士 #静かな退職 #ワークライフバランス #ジョブディスクリプション #JTC
 
 

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