ツミデミック
コロナにかかった事が無い
信じられないかもしれないけど、アラカンのオッサンなのにインフルエンザにすらかかった事が無い。
風邪も6年ほどひいていないし、その前に風邪をひいたのが、忘れもしない地下鉄サリン事件の当日、高熱を出して、朦朧としながら、テレビで何か大変な事が起きていると思ったくらいで、本当に健康体なのである。
それもあってか、コロナ禍では周りはどんどん感染していくのに、感染どころか、なぜか全くかかる気がしなくて、重傷や後遺症になった方や、命を落とされた方までいるのに、それでも「絶対に感染しない」という気持ちで今日も生きている。
そんな人間なので、直木賞を受賞したのは知っていたが、なぜかピンとこなかったのだが、正直、良い作品で、一気読みならぬ、一晩で一気聴きをしてしまった。
Audibleはじめて29冊目の作品「ツミデミック」読了(聴了)。
パンデミックをバックにした短編集。
「違う羽の鳥」
客引きをする優斗が明らかにヤバそうな女に声をかけられる。
お互い関西の人という事で、半信半疑ながら仕事終わりに二人で呑みにいく。
そこで女から聞かされた名前は「井上なぎさ」
優斗が忘れられない名前であったが、優斗の知っている井上なぎさは、もうこの世の中にいないはずだった・・・
感想・・・ちょっと怖い話。結局井上なぎさは誰だったんだろうか
「ロマンス☆」
配達員に一目惚れしてフードデリバリーサービスにハマってしまう主婦。
ところが、お目当ての配達員はいっこうに自分の所には配達に来なくて、それが狂気へと変わっていく。
感想・・・普通の主婦→あれれれ???なんか変だぞ→全く別の人間みたい。こういう人ってたぶん本当にいるんだろうな??
「燐光」
気づくと足下に願掛けされたルーズリーフがおかれた松の木の下にいた松本唯は、なぜここにいるのかわからない。
しばらくして豪雨被害で行方不明となったのは自分だと気づくのだが・・・
感想・・・怖くない幽霊の物語なんだけど、幽霊なんかより人間の方が怖い
「特別縁故者」
緊急事態宣言で飲食店での仕事を失った恭一。
ある日、息子を迎えに行くと見知らぬおじいさんの家から出てきた。
肩もみをして、聖徳太子の一万円をもらった息子に驚き、翌日、そのおじいさんの家を訪ねる・・・
感想・・・これが一番良かったかな???ドラマか映画でみてみたい
「祝福の歌」
母親が高校教師なのに娘の菜花は17歳で妊娠が発覚する。
相手は同じ高校に通う同級生。
父である達郎はある日、菜花を連れて、達郎の母親の住むマンションに行くと顔つきが異常な女と出会う・・・
感想・・・娘の妊娠の物語ではない、コロナ禍というより、ロシアとウクライナの戦争を絡めて、こちらもなかなかの力作だった。
「さざなみドライブ」
Xで知り合った自殺願望者5人が、その日に一緒に自殺するために集い、一台の車に乗って樹海を目指す。
感想・・・これはミステリーとして面白い。なるほどねーって思った。
ネタバレを含みそうなので、多くを語れず、支離滅裂な文章ですいません。
今回のツミデミックは☆☆☆☆☆
極めて個人的感想ですが、Audibleで聴いた29冊のランキングするとしたら、かなり上位に置く作品だと思います。
来年の本屋大賞にも残りそうな予感・・・
この作者、あとで調べたら元々BL系の作家だと書いてあってビックリ!
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