打ち明け話しで仲良くなる②

今回は自己開示と返報性、自己開示の方法、
自己開示とジョハリの窓についてご説明をしていきます!

〜自己開示と返報性〜
自己開示には、「相手と打ち解けやすい」というメリットがあります。

初対面の相手と趣味の話題になったとき、
「すみません、プライベートな話はちょっと……」と口を閉ざされてしまったら、どんな印象を受けるでしょうか。「私に心を開いてくれていないんだな」と思い、拒絶されたような、悲しい気持ちになるはずです。

したがって、自己開示しない人は、相手となかなか打ち解けられず、いつまでもギクシャクした関係のままになってしまいます。

反対に、初対面の相手が「私、野球を見るのが大好きなんです」「じつは、すごく方向音痴なんです」と自分の情報をさらけ出してくれると、“心の壁” が取り除かれ、安心感が生まれます。

積極的に自己開示をすると、自分がどんな人間かを相手に理解してもらえるので、好感や信頼感を与えられるのです。

自己開示には「返報性」があると言われています。相手から自己開示されると「こんなにさらけ出してくれたんだから、私も自分の話をしなきゃ」と感じ、自己開示を「お返し(返報)」したくなる心理が働くのです。

相手と仲よくなりたいときは、思い切って自分から内面をさらけ出してみましょう。「自己開示の返報性」が働いて、自然と相手も心を開いてくれるはずです。

〜自己開示の方法〜
ここで、自己開示をするのが苦手な人向けに、上手な自己開示のポイントを5つご紹介します。

① 仕事と無関係の話をする
同僚や取引先など、仕事上の人間関係だと、
どうしても話題が仕事に偏るため、なかなか自己開示が進みづらいものがあります。
そんなときは、趣味や出身地に関する雑談を挟んでみましょう。
そうする事で、単純接触効果の作用が働き、
相手から自分への好感度が上がります。

雑談量と親密度は比例します!

② 返答にプライベートな要素を混ぜる
会話で返答するときにプライベートな話題を
足す方法です。
たとえば、「今日は暑いですね」と相手に振られた場合。あなたは何と返すでしょうか? 「ええ、本当に暑いですね」と言うだけでは、会話が止まってしまいます。

返答の際はなるべく、自分や相手のプライベートに関わる要素を添えてみましょう。「ええ、本当に暑いですね」のあとに、「私はすごく暑がりなので大変です。○○さんは、夏はお好きですか?」と言えば、「私は暑がり」という自己開示に加え、「夏にやりたいレジャー」や「夏休みの予定」といった、プライベートな雑談につなげやすくなります。

③相手の自己開示を促す
たとえば、「北海道出身なんです」と言う相手には、「旅行におすすめの場所はありますか?」「日本ハムファイターズ、調子いいですよね」のように、プライベートや趣味に関する話題につなげることで、自然と自己開示してもらえます。

④ときには部下に弱みを見せる
上司・部下などの上下関係があると、どうしてもコミュニケーションが堅苦しくなりがちです。そんなときは、上司(先輩)のほうから自己開示し、適度に “弱み” を見せることで、部下との心の距離を縮められるのだそう。

たとえば、部下が失敗したとき、一方的に叱りつけるのではなく、「じつは、私も若いとき、同じような失敗をしたことがあるんだ」のように告白すると、部下は素直に耳を貸してくれやすくなります。 

⑤自己開示の度合いに気をつける
いくら自己開示が大事とはいえ、程度というものがあります。初対面の相手に、いきなり「人間関係がうまくいかず悩んでいて……」などとプライベートすぎる悩みを打ち明けるのは、さすがにやりすぎですよね。
親しくなるどころか、むしろ「変な人」と認定され、警戒されてしまうかもしれません。

どの程度までプライベートな話が受け入れられるのかは、相手との関係性から判断しましょう。初対面の相手には、「趣味」「笑える失敗談」「ちょっとした欠点」といった自己開示でも十分です。

〜自己開示と「ジョハリの窓」〜
自己開示に関連して、「ジョハリの窓」も
ご紹介します。ジョハリの窓とは、サンフランシスコ州立大学の心理学者であるジョー・ルフト氏とハリー・イングラム氏が、共同で開発したフレームワーク。「ジョハリ」という呼称は、2人の名前から取られています。

ジョハリの窓は、以下のように4つの「窓」で構成されています。左上から時計回りに、
「解放の窓」「盲点の窓」「未知の窓」「秘密の窓」です。

4つの「窓」に自分の情報を書き込むことで、自己開示の度合いや、セルフイメージと他者が自分に抱くイメージとのギャップなどがわかりやすくなります。

◯解放の窓
【解放の窓】には、「自分も他者も知っている、自分の姿」を書き入れます。「私は几帳面(きちょうめん)な人間だ」と思っており、他者からも同様に思われているなら、【解放の窓】に「几帳面である」と書きましょう。

【解放の窓】に書ける内容が多ければ多いほど、自分が自分に抱くイメージと、他人が自分に抱くイメージが、より一致していることになります。つまり、広く自己開示できているのです。

◯盲点の窓
【盲点の窓】に書き入れるのは、「自分は知らないけれど他者は知っている、自分の姿」です。周りの人から「とても親切な人だ」と思われているのに、ほとんど自覚がない場合、「親切である」という情報が【盲点の窓】に入ります。

【盲点の窓】に属する情報が多いのは、あまり自分を客観視できていない証拠。自分にはどんな長所・短所があるのか、自省や他者へのヒアリングをとおして把握することが必要です。

◯秘密の窓
【秘密の窓】に入るのは、「自分では知っているが他者には見せていない、自分の姿」
「本当はくよくよ悩むタイプだけれど、他人にはその性格を悟らせない」という場合、
「くよくよ悩む」という性質を【秘密の窓】に記入します。

自己開示にあたって最も重視すべきなのは、この【秘密の窓】です。【秘密の窓】に入っている情報をなるべく減らし、【解放の窓】に移すよう心がけることで、自己開示が進んでいきます。

◯未知の窓
【未知の窓】は、「自分も他人もまだ知らない、自分の姿」が入るスペースです。まだ発見されていない、自分の可能性や潜在能力のようなものですね。「自分を含めて誰も気づいていないけれど、絵画の才能がある」などが該当するでしょう。とはいえ、誰も気づいていないことは書けないので、【未知の窓】は空欄のままです。

ジョハリの窓をこのように利用することで、主観的イメージ(セルフイメージ)や客観的イメージ(パブリックイメージ)を把握でき、自己開示に役立つのです。

〜自己開示に「ジョハリの窓」を活用する方法〜

1. 「自分が思う自分のイメージ」を書き出す
まずは、自分から見た自分のイメージ(セルフイメージ)を書き出してください。なかなか思いつかないなら、「仕事における自分はどうか」「上司との付き合いにおける自分はどうか」など、範囲を限定して考えてみましょう。

2. 「他者から見た自分のイメージ」を集める
次に、他者から見た自分のイメージ(パブリックイメージ)を書き出します。もちろん、自分一人ではできないので、親しい友人や同僚・家族など、身近な人に協力してもらいましょう。多くの人に意見を聞くほど、情報の客観性を高められます。

3. イメージを「窓」に振り分ける
集まった「セルフイメージ」と「パブリックイメージ」を、4つ(実質3つ)の「窓」に振り分けます。

・セルフイメージにもパブリックイメージにもある情報→【解放の窓】
・セルフイメージにはなく、パブリックイメージにはある情報→【盲点の窓】
・セルフイメージにはあり、パブリックイメージにはない情報→【秘密の窓】

4. ジョハリの窓を眺め、自分を見つめ直す
ジョハリの窓が完成したら、それぞれの「窓」に書かれている内容を眺めつつ、自己認識に
ついて再考しましょう。自己開示を考えるうえで最も重要なのは、【秘密の窓】です。【秘密の窓】に書かれていることが多い場合、うまく自己開示できていない可能性があります。【秘密の窓】に書かれていることは、少しずつでも意識的にさらけ出していきましょう。

以上のようにジョハリの窓を活用すれば、
自己開示に役立ちます。ジョハリの窓を作成する過程で自分を見つめ直せるので、自己開示が苦手な人も、十分できているという人も、是非やってみてください。

人に心を開いてほしいときは、まず自己開示をし、手の内をさらけ出してしまうのが効果的です。人となかなか打ち解けられずお困りの方は、今回ご紹介した内容を是非活用してみてください!