毛皮族『セクシードライバー』を観劇して.
江本純子さん率いる毛皮族の舞台『セクシードライバー』を観に@ BUoYへ.北千住BUoYの地下空間を余すことなく縦横無尽に使い倒した舞台装置の素晴らしさは勿論の事、巧みに仕組まれた脚本と役者の遠藤留奈さん鈴木将一朗の掛け合いが最高だった.
演劇の仕組みとしては、少々2.5次元的な舞台の様子もありつつ、昔のトーキー映画?のように会場内に流れる5つの映像に役者さんらが声と動作音をアテレコしていく感じ.
なので、演劇(ライブパフォーマンス)の持つ1回性と複製技術なアウラがドッキングした感じで新鮮で面白かった.といってもリュミエール兄弟以降の20世紀初頭の活弁士がいた時代ってこういう感じだったんだろうな?っていうのもあって、そこら辺を考えていくと袋小路に入ってしまう感じ...
それは多分、自分もそうだけど人はとかく新しいこと新しいことって考えてしまいがちだから...
でも江本純子さんの今回の舞台の以下の紹介を読むと、そういうこと含めて、”先ずはシアターで行われること”、すなわち人に見せることの大切さを痛感至極...でなければそれは単なる素材や物質でしかなく美味しい料理にはならないのだから…
(以下、『毛皮族』公式Webサイトより)
”・・・いや演劇かな、とわたしは答えかけていつも立ち止まるのです。それは演劇でも映画でもどっちでもよく、”シアター”で行われることだとわたしは考えています。シネマに冷凍保存中の、あの天然演劇時間を、シアターにて他の観客のみなさんと一緒に楽しめますようにハイスペック電子レンジの気持ちで、いま、みんなで仕込んでます!(&盛り付けはエンターテイメントにて)作/演出/映像 “観客ひとり”こと江本純子"
https://junko-emoto.com/stage_sexydriver/
あと、たぶんいま、社会的な流れもあって、あちこちでフェミニズムやジェンダーに言及したテーマ設定のアート作品などが溢れてる肌感があるのだけれど、江本純子さんの『毛皮族』は、ずっとずっと前からそういいうことをやり続けてきた人たちなんだなって思う.
江本純子さんは表立って大手を振ってそういうことを言及してはいなかったけれど、作品にはそういうことへの物言わぬ柔らかな思想が溢れていたように思う...これからもきっとそういうことを声高には分かりやすく叫んだりはしないんだろうけど、でもそういうところがやっぱりいいな...
▶︎セクシードライバー
▶︎公演日程:2022年11月30日(水)~12月4日(日)
https://junko-emoto.com/stage_sexydriver/
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