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「Social Swipe」 〜魔法に隠された子供たち〜#40

心理学と行動経済学の記事 第40回


まずは、こちらをみてほしい。



これは、2014年のカンヌライオンズで、アウトドア部門ゴールド、プロモ&アクティベーション部門ゴールドなどを受賞した「SOCIAL SWIPE(ソーシャル・スワイプ)」という広告だ!


ドイツの人権団体「MISEREOR」が行ったものです。

外国で食事に困っている子供たちを助ける寄付として、日本「呼び掛ける」のではなく、直接的にアクションを起こさせる広告。


すごく素敵な広告だと思いませんか?


従来の広告コミュニケーションは、AIDMA理論が有名なモデルでした。

AIDMA理論→(Attention → Interest → Desire → Memory → Action)は、注意を引いて→興味を持ってもらい→欲しいと思わせ→商品名を覚えてもらって→Action(購買)してもらうというモデルのもの。


しかし、現代には少しActionまで遠すぎる理論となってしまっている。

この世にはあまりにも情報が溢れすぎているため、意思決定までのスピードが速く、AIDMA理論のように段階を経てActionにいくには時間がかかりすぎる。

また、Eコマースの普及により、購買行動そのものが変化しているのも事実である。


Social Swipeは、attention→interact→Actionと段階が減ったものの代表例になるだろう。もっと突き詰めれば、interactとActionが非常に近いものになっているという見方もできる。


動画を見てもらったら分かる通り、クレジットカードが、パンを切ったり、手枷を切ったりしている。アイデアは一級品で、私たちの心に届く「体験」を売っている。


個人的にすごく好きな広告の一つだ。寄付を「呼びかける」よりもよっぽど効果があるのではないかと感じる。

行動経済学のナッジ理論が自然と使われているのも面白いところ。


最後になるが、動画をみてほしい。そしてこのような素敵な広告が広がることを願っている。

ここでサポートいただいたものは、全て私の母の病気への還元に使わせてただいています。