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友人からの素敵な贈り物

友人の写真家田頭真理子ちゃんが、広島県尾道市にあるご実家のロバ牧場の「ロバクッキー」を贈ってきてくれました。かわいい。そして、手作りの懐かしさと優しさが感じられるとても美味しいクッキーでした。

そして、またまた素敵なお手紙で、次の旅行は尾道のロバ牧場にしよう!と決めました。

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9年前、父がいきなりロバを飼い始めました。

父はスペインの作家ファン・ラモン・ヒメネスの書いた散文詩「プラテーロとわたし」に憧れ、ロバとの暮らしを夢見ていたのです。

「プラテーラ」と名付けられた雄ロバは、やがてお婿さんを迎え、3頭の仔ロバを産み、5頭の大家族になりました。

母の育てる薔薇の咲く尾道の丘では、現在5頭のロバ、4頭の山羊、4頭の羊がにぎやかに暮らしています。

新型コロナウィルスの影響で、昨年から実家の尾道に戻っていた私は、1年を通して自然の中で動物たちと共に暮らす体験をしました。

春、芽吹きを喜び目を輝かせ草を食むロバたち、
そして私達も、たらの芽、木の芽、ミツバ、タケノコ・・・
春の味覚に酔わされました。

子供の頃からやってみたかったトマトの栽培にもチャレンジしました。

灼熱の太陽の下、力強く真っ赤に実るトマトを夢中で育てました。

秋も深まり、動物たちはどんぐりや柿などをむさぼるように食べ、餌の少ない冬に向け、栄養を蓄えます。

父は少しでも青草を食べさせてあげたいと、耕作放棄地を見つけては持ち主に頼んで雑草を刈らせてもらっています。

冬の朝、ロバは東の方を向き、じっとしています。

朝陽をたくさん浴びて身体をあたためているのです。

その姿をファインダー越しに見ると
小さく木々が揺れ鳥の音が聞こえるほかは、まるで時が止まっているかのようです。

父の夢見たヒメネスの世界観はここ尾道の丘で新しい景色をつくりはじめているように思います。

人が手寧に手をかけてつくった景色にはそれぞれ物語があって、楽しさや大変さ、様々な想いが見え隠れしています。そのすべてが愛おしく、大事にしたいと思います。

それが私の写真を撮る原動力なのかもしれません。

目の前にある景色に魅せられシャッターを切り、写るものに応えを探る毎日です。

ロバクッキーは味と見た目にこだわり何度も試作を重ねた母の作品です。どうぞお試しください。

クッキーの収益は牧場の整備や動物たちの食餌に還元していきます。
これからも、尾道ロバ牧場をよろしくお願いいたします。

2021年3月22日 田頭真理子


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