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あなたの痩せたい気持ちはどこから?痩せたい気持ちを解析しよう

痩せたい願望で苦しんでいた過去の私へ、そして同じように今苦しんでいる方へ。

「痩せたい気持ちに苦しんでいる」という声をよく聞きます。

その昔、摂食障害を経験した私は、
・痩せたい気持ち
・痩せていることのイメージ
・太っていることのイメージ
・減量に対するイメージ
への理解を誤ってしまったために『痩せたい沼』にズブズブとハマり苦しみ抜け出すのが大変でした。

今回はそんな私が
「痩せたい気持ちに苦しんでいる人」
「ダイエットを機に本来の自分を見失ってしまったと思う人」
に向けて、
『ぐちゃぐちゃに絡まった痩せたい願望の紐解き案』
を綴っていきたいと思います。
(痩せ方の紹介、ではないです)

痩せたいのに痩せられない自分に対して、意思の弱さを感じたり、鏡を見て自分の体にため息をついたり、「〜でなければいけない」と思って苦しんでいる人へ。

「ダイエットが楽しくて順調でうまく行ってますyay! 痩せることに対して何も悩んでませんyay!」
という人には必要のない話なので、どうかスルーしてください。。。

①「痩せたい」という理由の根本は、人によってそれぞれ違う。

"自分が痩せたいと思う本当の目的は何なのか?"
私はここをはっきり認識しておかなかったために、体に対するあらゆる認知の歪み(物事の捉え方の歪み)を自分に取り込み続け、表層的な『痩せたいコダワリ』をなかなか手放せず苦しみました。

極端な例えですが、同じ「痩せたい」でも
・500kgで日常生活に支障が出てきてしまった人が思う「痩せたい」
・40kgで「もっと痩せた自分に価値がある、可愛い」という価値観の人が思う「痩せたい」

では意味合いが異なってくるのではないでしょうか?

もし今あなたが痩せたい気持ちで苦しんでいるのなら、
まず『根本に何の問題があって痩せたいのか』
改めて見直してみることをおすすめします。

「痩せたい」という表層的な言葉は同じでも、1番の根本にあるものが
「現実的な問題からくる痩せたい(現実的な由来)」
なのか
「心理的な価値観からくる痩せたい(ココロの由来)」
なのか、はたまた
「両方」なのか。

『現実的な由来』と『ココロの由来』がどう違うのかというと、こんな感じです。

『現実的な由来』の例
・病院の検査で病気が見つかり医師に減量を促された
・アスリートなど身体にまつわるスポーツや仕事をしていて減量が必要
・これまで着ていた服のサイズが全て入らなくなってしまった
・少し歩くだけで息が上がってしまう、動きやすくなりたい
etc...
『ココロの由来』の例
・自分を好きになりたい
・体型を揶揄された経験がある
・太っている自分には価値がないと感じる
・太っていると彼氏ができないと感じる
・綺麗になりたい、可愛くなりたい
・太っている自分が醜く感じて受け入れ難い
etc...

改めてみると分かりますが、ココロの由来のものは自己評価と繋がっているものです。自信、褒められる、自己否定、自己肯定といった言葉と親和性が高いです。しかもその感覚は、自分でコントロールできないものや揺らぎやすい感覚のものだったりします。

もしかしたら、両方の由来かもしれません。その時は自分の『痩せたい由来』の比重がどちらにあるか考えてみてください。
(頭の中で考えるとゴチャゴチャになりやすいので、痩せたい理由を紙に書き出してみた方がいいかも)

そして次に、『誰かの痩せたい理由or痩せた結果』を、自分の価値観に取り込んで『思うように痩せられない自分』を必要以上に苦しめていないか、客観的に観察してみて欲しいのです。

例えば...

<現実的な由来の人が、ココロの問題も取り込んでしまうパターン>
"現実的な由来"で痩せたいと思っていた人が、広告やSNSで発信される「太っていて好きな人に振られてしまった」「痩せて可愛くなった」「痩せられない人がやってる習慣5つ」「太っている人は怠けている」など偏ったメッセージ見て、自分に厳しくなり心のどこかで太ることに対してさらに嫌悪感を抱く。

逆に...

<ココロの由来の人が、現実的な問題も取り込んでしまうパターン>
"ココロの由来"で痩せたいと思っていた人が、テレビ番組で「体重300kgになり歩けなくなってしまった」「肥満で何かの病気になり死んでしまった」といった現実的で身体的ネガティブな情報を受け取り、焦燥感を感じてより「痩せなくては」という気持ちに拍車がかかる。

「痩せたい気持ち」の中にココロ由来のものが絡むと、自己評価が体重に振りまわされていく場合があります。
自分で俯瞰して捉えられているうちはモチベーションになるかもしれません。しかし極端な状態に陥ると、体重が減ると自信がつき、体重が増えると自信がなくなっていくのです。

私は30キロ痩せた時、モラハラ彼氏に「痩せて可愛くなったね」「やれば出来るじゃん」と褒められ、友達にも「すご〜い!」と驚かれました。
うんもうね、めちゃくちゃ調子乗ってた。

しかし、この痩せた時に味わった承認の経験が、のちにもっと自分を苦しめることになりました。
減量する前よりも
「痩せていないと人に認められない、褒められない」
「他人から愛情を受けるには条件(痩せること)が必要だ」
「太っている自分には価値がない」

と強く思うようになっていたのです。
だから過食症に陥って太っていくことがとても辛かった。

痩せたい気持ちに苦しんでいる状態の時に、SNSやテレビ番組で
「ダイエットでこんなに人生が変わりました!」という人を見て、あなたはどういった感情を抱くでしょうか?
「やっぱり痩せている人は綺麗」「私も努力しなければ」「自分はダメな人間だ」と思うでしょうか?
「モチベーションになってやる気になる!」という人もいると思いますが、反転した自分に対して焦燥感や苦しみを抱く場合、その情報はあなたにとってあまり良くないものです。
そういった投稿をミュートしたりブロックしたりすることもおすすめです。

②否定の声を信じて"否定の自分"を認めていないか、物事の捉え方を整理する

私は子供の頃から体型を揶揄されたり否定された経験を経て、太っている自分を許せず、極端なダイエットに陥りました。
過食症になり太り始めた時は特に、自分にはまるで生きる価値がないのだとすら思っていました。

しかし今人生を振り返ってみると、私を否定してきた人よりも肯定していた人たちの方が、はるかに多かったのです。

ここでいう『肯定』は、何も特別に「褒められる」「人に好かれる」「恋人ができる」ということではありません。否定や侮辱をせずに、私の存在を認知し、人として尊重して接してくれた人のことです。

例え家族に否定されてしまうという人でも、学校や職場や友達や、様々な人間関係の中で、あなたを否定して来なかった人が必ず何人かはいるはずです。

知らない人の場合でも、例えば、スーパーやコンビニ、カフェなどで「あなたが太っているから」という理由でサービスを拒否された経験はあるでしょうか?
もしかしたら店員にひどいことを言われた、という経験がある人もいるかもしれません。(これは訴えることができる問題になります)
でも、違うお店に行ってみたら、どうでしょうか?

もしくは、道に迷った時はGoogleマップを頼らず、その辺にいる親切そうな人に道を聞いてみてください。相当時間が無いか悪い人でない限り、大抵の人は道を教えてくれるはずです。

つまりですね、気づいていなかっただけで、あなたはとっくのとうに存在していい人間です。もし自分で自分のことを認められなくても。

社会の中で『太っていることを侮辱する人』というのは、相当イカれた人だな!!!と私は今は思うことができます。
はっきり言って、あなたを侮辱する人(ダイエット情報の場合もある)は、あなたを尊重していません。それなのになぜその人のことが正しいと思ってしまうのでしょうか?
心のどこかであなた自身も「私は太っているから。そんなことをされても当然だ」と、認めていませんか?

それはたぶん、ナイフを持って暴れ回っている凶悪犯に向かって手を広げ「私は刺しても構いませんよ!」と向かっていくようなものです。
凶悪犯にナイフで刺されて良い人間なんていません。本当は、あなたは逃げることもできるし、物を投げたり110番通報して自分を守ることが出来るということをどうか知ってください。
それが過去であれば、その時は嫌な経験をしてしまったけれど、当時は逃げる方法を知らず、どうすることもできなかった、というだけです。

そしてそんなあなたにまず必要なことは、凶悪犯が再びあなたを刺さないように力技で説得するよりも、まずあなたが受けた傷を癒すこと。

痩せるどうこうよりも先に『心の傷を癒すこと』
のはずです。


③痩せる以外で自分を尊重する方法、歪んだ認知を捉え直す方法を探してみる

ダイエットは、合格すれば通えるようになる大学試験や、身につければずっと使える特技、永久脱毛などとは少し違います。
「(極端なダイエットで)痩せた体の自分に自信がついた」という人はもちろんいると思います。
その後一生太らなければ、その自信はキープできるかもしれません。

しかしカラダは私たちの生命活動とともにあり、生活環境の変化、年齢、出産、健康状態や病気などなど様々な状況下で変化しやすいもの。諸行無常なものです。
無理な方法で痩せたことを機に自分に自信がついた人が、もし太ってしまったら、どうなるでしょうか?

若い時に無理に痩せられた方法でも、年齢や生活環境が変わると痩せられない場合もよくありますし、やむ負えず投薬で太ってしまう場合もあります。川の流れのように、何が起こるのか分からないのが人生です。
体重増減だけを内面的な自己評価と完全直結させてしまうことが、脆いものだということが分かるでしょうか?

今この記事を読んでいる人の中には、
「"痩せられないこと"よりも本当は"自分に自信がないこと"」
で悩んでいる人がいるのではないでしょうか?

ダイエットは自己反省、自己処罰感がうまれやすいものです。

『太ったカラダ』という外見的なものや体重の数字を見て自己嫌悪に陥る他に、
「ああ食べちゃった、ほんとダメ、次からちゃんとしよう」
「運動でカロリー消費できなかった、また太る」
「頑張ってたのになかなか減らない、私の努力が足らないんだ」

と自己反省で毎日苦しんでいるのではないでしょうか?

今だからわかりますが、当時うまくいかなかった私に必要だったことは、そういった自己処罰ではなく
「ああどうしても食べたかったんだなぁ」
「運動したくなかったんだなぁ」

自分の気持ちに寄り添うことでした。

私の場合は、『自分の体を受け入れてみる』という方法を偶然思いついて、自分の心に従う練習をして自己処罰感が無くなったとき、過食症は少しずつ静かになり消えていきました

例えば過食症やストレス食いは
「お腹が空いたから食べ過ぎてしまった」とは異なります。
大抵の場合、食べた後にひどい自己嫌悪にさいなまれるものです。
でもそこで「ほんと私ってダメな人間」と自己処罰をすると、またさらにそれがストレスになり、エンドレス過食ループです。

なので、ストレスを機にもし食べ過ぎてしまったなと思ったら
「心にそれだけ負担がかかり、その時の心のバランスをとるために必要なことだった」
ストレス食いではないと感じるなら
「お腹すいてたのね、カラダには必要だったんだな」
と捉えてみるのはどうでしょうか?

という訳で、私がおすすめしたいことは、痩せること以外で自分を癒し尊重する方法、歪んだ認知を捉え直す方法を探すことです。
「痩せたい気持ちを無理に手放せ」というのではありません。手放すことができる人はそれでも良いですが、"現実的な由来"で痩せたい人など、色んな事情がある人がいるのも理解できます。

ジョンレノンは歌いました。
想像してごらん。
痩せた後にもしまた元の体重に戻ってしまったとしても、自分の自尊心がマイナスにならない状況を〜。

(ジョンノンは歌っていません)

「いやいや、太っている人間には価値がないから」
と思うなら、なぜこんなに世の中に玉石混淆のダイエット方法やダイエット商品が溢れているのかを俯瞰してみてください。

それは少なくとも「自分は太っている」「痩せたい」と思っている人がたくさんいるから。あなた意外にも自分の体型に悩んでいる人がたくさんたくさん存在しているからです。
その人たちはみんな、生きる価値が無い人たちでしょうか?そんな訳ないですよね。

④自分の感覚を正しく捉えるために情報を選ぼう

『ダイエット』について調べると、ありとあらゆる情報が出てきます。
「たったこれだけでマイナス20kg!」「ダイエットの秘訣は◯◯!!」「ハリウッドセレブ御用達!」などなど、ありとあらゆるセンセーショナルなダイエット方法が流行り、私たちを翻弄させます。
まるで一気に自分の人生が変われるような、魅力的なエピソードをたくさん目にしてきた人も多いはずです。

だからこそ、ダイエットしたいココロに向けて入ってくる情報には気をつけて欲しいのです。

痩せることに興味がある人は
「太っている人はだらしない」
「根性があれば痩せられる」

という偏った価値観を少なからず取り入れてきたはずです。

でも、自分のために始めたダイエットが、いつの間にか自分の存在を苦しめるものになってはいけないと思います。

ダイエットのモチベーションになるから!と痩せた人や極端なダイエット情報ばかりをSNSでフォローして追っていないでしょうか?

昔は私は「痩せてる人って素敵だなぁ、こんなふうになりたいなあ」とずっと思っていました。しかし今は、「痩せてる人も素敵だし、太っている人も素敵だな」と思えるようになりました。
「海外プラスサイズモデルのようなカーヴィーな腰幅が欲しい!」などと思うことはありますが、かと言って曲線がない自分の体に自己嫌悪は抱きません。あの人もいいし、自分もいいね、という感じです。

なぜそれが出来るようになったかというと、私の場合は世の中にいる人が一人ひとり違うということを改めて自分で実感したからでした。(この話については色々なコラム連載で書いているので端折ります)


でも、今もあまりにも極端なダイエット方法を紹介しているアカウントを見るとギョエーー!!となるので、見かけたらブロックします(笑)


おわりに。

このnoteを見つけてここまで読んでいるということは、きっと痩せること以外に自分に自信を持つ方法を探しているのではないかな?と思います。

私はカウンセラーではないので、誰かからの個人相談に対して最良の解決策を編み出したりアドバイスすることは難しいのですが、オンラインカウンセリングというものもあるので、もしよかったら利用してみてください。

また、先日もnoteで紹介した認知行動療法の本の中には、摂食障害の人の話も出てきて、私が治っていく過程で感じたことと共感する部分がたくさんありました。

人類学者の磯野さんの本も紹介します。


...と、色々書きましたが、何よりも大事なことは、知識を得たり頭の中で考えるだけでなく、自分の人生で実験してみることなんじゃないかなと思います。
『自信をもてないあなたへ』の中にも、こういう話が出てきます)



2月20日には、美容ライター・長田杏奈さんと #Bodyを#Buddyに をテーマにオンラインイベントを行ないます。
詳細・お申し込みは↓にて!

長田さんの本
『美容は自尊心の筋トレ』
『エトセトラVol.3 私による私のための身体』


あまりにも長くなりましたので、今回はこの辺で。。。。



記事に対して「スキ」や「サポート」をしていただけると、私がさらに本を読んで知識を増やして咀嚼し、更にいろいろ紹介したり書いたりします。



読んでくださってありがとうございました!




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