見出し画像

ラファエロによる未完成のフレスコ画がここに:ペルージャのサン・セヴェロ礼拝堂(Cappella di San Severo)

ルネサンス期の画家としてあまりに有名なラファエロ・サンティ(Raffaello Santi; 1483-1520)。

そのラファエロが、1505年頃に作成したフレスコ画が、ここペルージャのサン・サヴェロ礼拝堂にある。


ラファエロが、故郷のウルビーノからペルージャにやってきたのは、父が亡くなった1494年のこと。

その後、画家のペルジーノ(Perugino; 1448-1523)のもとでラファエロは働いていた。

サン・セヴェロのカマルドリ会修道士の教会として建設されたこの建物の起源は、11世紀にさかのぼる。

15世紀末に改修されることになったこの建物の装飾は、ペルージャ司教トロイロ・バリオーニの注文によって、ペルジーノとラファエロに任され、1505年から1521年の間に作業は行われた。

しかしながらこのラファエロのフレスコ画は、製作途中に彼がローマでの仕事に移ったために未完成のまま残されている。

ラファエロが描いたのは、『三位一体と聖人たち』(Trinità e santi)、大きさは、175x389 cmとかなり見応えがあるものである。



ラファエロは、1520年、37歳という若さでローマで亡くなった。

ラファエロの死後、彼の師であったペルジーノがフレスコ画の特に下の部分を書き足したと言われている。

フレスコ画の上の部分は、玉座に座ったキリストの両脇に2人の天使、その上に鳩の精霊がいる。

ペルジーノが担当した下の部分には、聖人や哲学者たちが描かれ、中央には15世紀の無名の芸術家による聖母子像が置かれている。

完成したラファエロのフレスコ画が見たかった気もするが、それに師のペルジーノが書き足した(ペルジーノもラファエロの死後3年経った1523年に死去)というエピソードに、考えさせられるものがある。


サン・セヴェロ礼拝堂(Cappella di San Severo)

住所:Piazza Raffaello (zona Porta Sole), 06122, Perugia

開館時間:

《1-3月、11-12月》11:00-13:30 / 14:30-17:00(火曜から日曜)、月曜休館

《5月、9-10月》
 10:00-13:30 / 14:30-18:00(火曜から日曜)、月曜休館

《6-7月》
10:00-18:00(火曜から日曜)、月曜休館

《4月》
10:00-13.30 / 14:30-18.00(休館日なし)

《8月》
10.00-18.00(休館日なし)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?