見出し画像

トレード・オン思考で行動変容を進める

コーチングを活用されているのは”現在の状況を変えたい”という意思を持った方々です。

コーチングセッションの中で、進めたいことがあるのに手が付かない。選択肢の前で立ち止まっているクライアントさんを見かけます。

セッションを通じて状況を打開するお手伝いをする中で、一つの考え方が有効でしたのでご紹介します。

「選べないからやらない」にハマる

何かやりたいことがあって進めたい。進めるためには何をするのかも見えているのになかなか手が付かない。

でも、やりたいことへの思いは消えずモヤモヤする。
こんな時は、「ジレンマに陥っている」のかもしれません。

ジレンマ
ある問題に対して2つの選択肢が存在し、そのどちらを選んでも何らかの不利益があり、態度を決めかねる状態。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

先ほどのように、進めたいことがあるのに手が付かない。立ち止まってしまう場合、自ら考え出した選択肢の両方に何らかの不利益を感じて、ジレンマに陥っている可能性が考えられます。

内発的動機があるのに、結果的に行動を進めるための選択ができないまま、やりたいことを進められない状況に悩み続けてしまう。

これはとってももったいない状態です。

できればその状況を打開して、ひとつでもアクションに進めていただきたいです!

不利益にどう向き合うか?

選べずに立ち止まってしまう状態を打開するには、思考からかえるのが効果的です。

-- -- --
選択肢A:自分が今トライしたいことを進める
選択肢B:Aを進めることで失う可能性のあることを守る(その代わりやりたいことは進められない)
-- -- --

この選択が選べない場合は、
「自分が今トライしたいことを進めること」、「失う可能性のあること」。
この両方が欲しいことで、手放したくないと思っています。

そのため、どちらかを選ぶと不利益が生じるので”選択することへの抵抗”が発生しています。


この場合は、一方を得たければ片方は諦めるのは仕方ない。という前提があります。

その状況を認めるのではなく、そもそもの考え方を変えることで行動を進めることができます。


トレード・オフとトレード・オン

トレード・オフ思考

何かを得るためには、何かを失わざるを得ない。
この考え方を「トレード・オフ思考」と言います。

例えば、

 ・品質を担保するには、時間やコストをかけざるを得ない。

 ・子育てに集中するには、仕事はほどほどにせざるを得ない。

 ・新しくやりたいことを始めるには、仕事を変えざるを得ない

などです。

多くの方が知っているトレード・オフ思考ですが、
冒頭でお話したクライアントさんのように、私たちは時にそして無意識にトレード・オフ思考にハマって動けなくなってしまいます。

トレード・オン思考

相反する状況や選択肢、この両方を実現させる。
この考えを、「トレード・オン思考」と言います。

例えば、

 ・テクノロジーを使うことで、時間をかけずに品質を改善する

 ・時間や場所の制約を外し、子育てと仕事に集中する時間を両方獲得する

 ・副業という形式を使って、新しい仕事も同時並行ではじめる

などです。

既存の選択肢両方のいいとこ取りができる。
「第3の選択肢」を考えることで
状況を前進させてていくことができます。

トレード・オン思考は近年ビジネス領域でも注目されている考え方です。
ご興味があれば見てみてください。


思考を変えるとどうなる?

たとえば、

例:以前から好きなこの領域で仕事をしていきたいと思うようになった。

▷トレード・オフ思考
リスクを負って挑戦するか、諦めるかの2択の場合
-- -- --
選択肢A:好きな領域に挑戦するために今の仕事を辞めて時間をとろう。
選択肢B:今仕事を辞めて収入面のリスクを負ってまで挑戦するなんて無理だ。年齢も年齢だしあきらめよう。
-- -- --

▷選べない
リスクを負ってまで挑戦できないけど、でもなんだか諦めきれない・・・

▷ニーズの整理
何を失うのが怖いのか、自分が何を得たいのか、何が得られていればいいのかなどを整理します。

・好きな領域で腕を磨くための行動をとにかく一歩進めたい
・好きな領域で貢献できる仕事をしたい
・収入を減らさずに確保しておきたい

▷トレード・オン思考
ニーズを元にすると、他にどんな選択肢が考えられるのか?検討してみます。

選択肢C:現在の仕事は続けながら、副業という形で好きなことを仕事に変える

他には

選択肢D:現在の職場で、やりたい事に繋がりそうなプロジェクトを探し関わる

なども考えられます。


▷選択とアクション検討へ
最近会社で副業兼業制度が導入されたし、まず選択肢Cなら、時間の捻出さえできれば、進めていくことができるかもしれない。そのためにできることを考えよう。実際、選択肢Dをとって実績を積んだクライアントさんもいらっしゃいました。

こうして、やりたかったこと、進めていきたかった理想を理想で終わらせず、具体的なアクションを持って進展させていくことができます。

おわりに

私たちは何かをするには何かを我慢する。これを乗り越えた人が成功できる。つまりトレード・オフ。ということが身に染みすぎているような気がします。

もちろんトレード・オフなこともあるでしょう。でも、もう一つの手段や選択肢はないか?まず考えてみることで前進させていくことも可能なのです。

コーチングセッションでも、ハマっていることにすら気づいていない場合も多く、第3者として話を聴きながらトレード・オンの考え方を活用しています。

今何か進めたいことがあるが、目の前の選択肢の前で足が止まってしまっている人のヒントになれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?