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目に見えず捉えにくい組織文化について考えてみた話

こんにちは!今日も、さまざまなインプットの機会を通じて組織と人にまつわるアレコレをとりとめもなく考えた軌跡をお届けしてまいります。

組織文化浸透の要諦

Xで、PIVOTの動画などでもご活躍されている 元DeNA さかいふうたさんのポストが非常に伸びているのを拝見しました。

”結局、組織文化の浸透は、「接触範囲内にいるリーダーの行動」に依存している” おそらく、このこと自体は、現場で人事に数年でも携わったことのある人間ならばだれでも、肌感としては既知の真実でしょう。

しかしながら、ただ単にそう提起するだけではなく

  1. 社内の人に文化が根づいている理由を聞くと、具体的人名が上がり、その人がやっているからだと回答される

  2. 同じ質問に対し、MVVに書いてあるからという回答が直近1年間皆無

  3. MVVが定着しない会社の人が「このMVVからは人格が見えない」という声を上げ、周囲も共鳴していた

というファクトを提示し、極めて端的に言語化されたことが、多くの方の共感・共鳴を得たのに違いない、シンプルに素晴らしいな!と思いました。

私が、いつも原点に立ち戻るための座右の書としている、坪谷邦生さんの人事三部作シリーズ『図解 目標管理入門』の中でも、株式会社リクルート 高津尚志氏の著作 『感じるマネジメント』からの引用として、”理念とは「浸透」するものではなく「共有」するものである” という見解が紹介されています。

経営理念、組織の文化の醸成・浸透のために最も重要なことは、目的であり手段でもある「職場での実践」、すなわち、「言行一致」だということが分かります。

文化は何でできているか

引き続き、経営理念・組織文化の醸成・浸透に対する強い興味関心を持ちつつ、今週末の自己選定課題図書を読みました。2週連続で、組織開発論の大家である、エドガー・H・シャイン先生の著書です。

先週の『謙虚なリーダーシップ』と同様に、「謙虚に問いかける」ことの今日における有用性を分かりやすく学べる(ビジネスのみならず、より汎用的な適用が可能になるように、どのように身につければよいのかについても具体的に平易に書かれています。)本ですが、私が特に注目したのは、「謙虚に問いかける」ため、どの程度パーソナルな領域に踏み込んでよいかは、当人どうしの置かれている関係性および「文化」によって許容度が異なる、というくだりでした。

シャイン先生によれば、文化とは、こちらがこのような行動をすれば、相手はこのような反応をすることが当然に期待される、それが礼儀でありルールだと見なされる、「信頼の交換の積み重ね」で成り立っている、ということなのです。

たしかに、そのような成り立ちこそが、「言行一致」が浸透のために最も重要となる背景そのものだと思えます。

仮に「今よりも文化をより良くする(あるいは、さらに研ぎ澄ませていく)」ということを組織全体で目指していく場合、それは「お互いに当然に交換することが期待される信頼の質を上げる」すなわち「(人々に標榜されている価値観というよりは、実際に行動の「暗黙の前提」となっている)当たり前の基準を変化させていく」ことに他ならない、と感じました。

経営理念・組織文化の醸成・浸透に日々取り組まれている、全国津々浦々の人事の皆さん。文化とは、実は「信頼の交換の積み重ね」でできている、と少し意識してみるだけで、もしかすると、なにかアプローチが変わるかもしれませんね。

お読み頂きありがとうございました!



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