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「あなたの仕事を選ぶ基準」は何ですか?



私は「フリーランス」として日本語を教えています。

かつては韓国の学院で専任、
帰国後は日本語学校で教え始め、
様々な日本語学校で教えて来ました。
ブラックな日本語学校でも教えました。

あなたは今まで今の職場を辞めたいと思ったことがありますか。

私は「もう限界」だと思った時にすることがあります。
そんな時は今の仕事を離れるべきかどうか、
じっくり自分と向き合い
現在の待遇での不満、問題点などを
紙に書き出してみます。

書き出すことで、可視化でき、
自分の中の気持ちの整理ができるので
行き詰まった時などよくやります。

そして、自分の中でのポリシーというか、
信条というか、「基準」があります。
その基準を照らし合わせ、
今の状況でいいのか、今の仕事を離れるべきかどうか考えます。


さて、皆さんはどうですか。
仕事をする上で見る「基準」は何ですか。

私の日本語学校・専門学校で教える上でチェックする基準は
皆さんとシェアしたいと思います。それは5つです。

仕事をする上でチェックすべき5つの「基準」

「職場の人間関係」                         「授業環境の満足さ」                         「教える環境について」                       「設備環境の充実さ」                         「待遇」                

日本語学校・専門学校・語学スクールなどの組織で
教える場合にチェックすることは以下の通りです。

日本語学校などの教育機関で教えている方も
ご自身の職場について一緒に考えてみてください。


✔️ある程度自分のやり方で教えられるか。               ✔️風通しが良く意見をよく吸い上げてくれる環境か           ✔️労いの言葉をかけてくれるか                    ✔️授業に専念できる環境か                      ✔️学べることがあるか                        ✔️設備が行き届いているか                      ✔️チェック給料・手当(交通費実費か限度額か・スキルや経験に見合ったものか・テスト手当が出るか・会議手当が出るか・教材支給か・試験採点手当が出るか)などです。

さらに細かく分けると5つになります。

1「職場の人間関係」

 ✔️教職員の風通しがいいか
 ✔️風通しが良く意見をよく吸い上げてくれる環境か 
 ✔️上司(学校側)が意見をよく吸い上げてくれる環境か
 ✔️代講をした際など、教務課から労いの言葉があるか
 ✔️病気・忌引きなどで代講願いをした場合、スムーズに行えるか
 

幸い全ての所属先は人間関係もよく、風通りもよく
教職員での懇親会などがあります。


また授業などの意見を迅速に教務が吸い上げてそれを形にしてくださるので、ありがたいです。


代講をした際も何度も感謝と労いの言葉をかけてくださいます。
やはり気持ちよく仕事するには「職場の人間関係」は大事です。

2「授業環境の満足さ」

✔️ある程度自分の自由に授業ができるか                ✔️何でも強制的で、やらなければならないことが多いか         ✔️テスト採点・宿題添削など居残り残業をしなければならないか    

3「教える環境について」

✔️授業に専念できる環境か                      ✔️ある程度自分の自由に授業ができるか                ✔️何でも強制的で、やらなければならないことが多いか         ✔️テスト採点・宿題添削など居残り残業をしなければないか
✔️学内で勉強会があるか                       ✔️授業で使用する教材(テキスト)は支給されるか           ✔️授業見学ができるか                        ✔️教師間の授業見学や評価があるか

4「ICT環境の充実さ」

✔️プロジェクター完備されているか                  ✔️講師共有のPCやiPadなど完備されているか              ✔️Wi-Fi完備されているか                       

最近では学生に一人一台iPadやタブレット、chromebookなど支給し、授業をしているという日本語学校も出てきていますが、           今だブラウン管という日本語学校も。                 絵カードなど全てが紙ベースというアナログな日本語学校も多く、    まだまだICT教育とは程遠い段階の日本語学校が多いようです。

専門学校もピンキリで、各教室プロジェクター完備され、講師共有のPCやiPadなど完備されているところもあれば、プロジェクターは学内に1台だけというところも。

5「待遇」

✔️給料はスキルや経験に見合ったものか                ✔️毎年ベースアップがあるか                     ✔️テスト手当が出るか                        ✔️会議手当が出るか                         ✔️行事手当は出るか                         ✔️授業外業務の手当は出るか                     ✔️授業で使用する教材は支給か                    ✔️試験採点手当が出るか                       ✔️交通費実費支給か

私は都内近郊なので交通費は重要なチェックポイントです。
また給料もスペック・スキル・経験に見合ったものかも大事なポイントです。
何年教えてもベースアップもないという日本語学校・専門学校も。    日本語学校では昔から授業後の採点、添削などはサービス残業が当たり前という暗黙の了解があり、手当は一切なしというところが多いようですが、最近では授業後の採点、添削などにも手当をつける日本語学校も増えてきたと聞きます。

以前、Twitterで日本語学校や専門学校などの教育機関で教えている方へ
日本語教師の待遇のアンケートをしました。 


授業で使用する教材(テキスト)は支給されているか

「授業見学ができる環境か」                     「教師間の授業見学・評価」

この結果から見えたことは、やはりほとんどの日本語学校では      そもそも学内の勉強会もなく、授業見学も自由にできないと言うところが多いようです。

そして、日本語学校や専門学校では使用教材は支給されないところが多いようです。

また、以外にも大学で使用教材が支給出ないと言うところもあることもわかり、意外でした。

以前勤務した語学スクールでは講師全員iPad貸与。教材支給でした。   専門学校では使いたい教材を購入してくれて、講師にも支給。辞めても特に返せと言われた事がないですね。でも自腹購入の所が多いです。

「ICT」について

そして、今色々と話題に上がる「ICT教育」ですが、日本語学校では設備が整っていないところがまだまだ多いようです。

アンケートからわかることは各教室プロジェクター完備されていない所など「ICT教育」をやる以前の問題というところも多いようです。

授業後の授業記録も未だ紙媒体のところが多いようです。        私が教えているところは学内のPCに記入というところもありますが、   オンラインレポートのところもあり、学校によって実に様々だと言うこともわかりました。

現在、学校関係では専門学校、日本語学校で教えています。

専門学校もピンキリです。
かなり大規模の専門学校で教えているのですが
そこは各教室プロジェクター完備ですが、教室内のPCしか繋げられず、
そこは黒板の教室でiPadが繋げず、使いたいときにすぐ見せられないんです…。

ある専門学校ではプロジェクター1台しかないので
早い者勝ちという厳しい状況です。
また教師共有のPCはありますが古いので立ち上がりが遅く…。

一番整備されているのがITの専門学校です。
プロジェクターなど設備は完備され、
iPadもすぐに使えて教え方に制限されず助かっています。

以前教えていた日本語学校は共有のiPadが完備されましたが
各教室にプロジェクターはなく、
その代わりテレビに接続して使用という状況です。

iPadで使用しているのは、初級教材の新出語彙の絵カードのみ。     iPadが使えないという講師は絵カードを教室まで運んで使っているんです。

CDもiPadに取り込んで使えばいいと思うのですが、それをせず、わざわざCDデッキで聞いているという状況で、宝の持ち腐れ状態でした。

日本語学校でも各講師にiPad支給し、テストなども授業などもペーパーレスで行なっている所もあります。

教科書は全てiPadやタブレットに入れて、配布しているところもあります。
こういうところで教えるのも、今後自分の武器になるかもしれません。

しかしながら、多くの日本語学校や専門学校では
プロジェクターやiPadなど設備投資にそこまでは
かけられないというのが本音なのかもしれません。
そういう理由が日本語教育機関自体へのICTの導入が進まない理由にも
なっているのかもしれません。

最近、iPadやPCを導入し始めた日本語学校や専門学校なども増えているようですが、使い方がわからないといい、使用しないという教師もいます。

先日こんなtweetを見ました。

使い方がわからないなら、覚えようとする努力が必要だと思うのですが…。どうやらそうではないという教師も一定数いるのは事実です…。

先日、学校にPC1人1台、安倍首相「当然」という見解を示したというニュースが流れました。

これを受け、iPadやPCを使った教育が今後少しづつ普及していく中で、今後教師にはICTのスキルが必要になってくると思います。

まとめ

日本語教師が教える場所は日本語学校や専門学校など今教えている場所だけではありません。

同じ日本語学校や専門学校でも、千差万別です。いい環境の職場もあれば環境が悪い職場もあります。

今教えている職場に不満を持っているなら、同じ仕事をするならより良い環境で教えるべきです。特に人間関係に悩んでいるならすぐに次の職場に移るべきです。

ズルズルとこのような環境下で教え続けていくことは自分にとって果たして、そこに学びがあるのでしょうか。自分にとって学びがないと思ったら職場を変える時なのかもしれません。

そんな時は、ちょっと違う職場を覗いてみるといいでしょう。可能であれば学校見学をさせてもらうとその職場の雰囲気がよくわかると思います。

また、もう学校関係などの組織で教えるのは限界だという人は、学校関係以外で教える場所を探すのもいいでしょう。

これからも楽しく、長く教えていくためには自分にとって最善な環境で教えることが大切です。

これは日本語教師以外の仕事にも言えることだと思います。もし、我慢をしてばかりの職場なら、そんな職場にやりがいが感じられますか。そして、毎日充実した日々を過ごせますか。

仕事をする上で大切なのは、「自分にとって最善な環境で働くこと」です。

あなたの職場気持ちよく授業(仕事)に専念できる環境ですか!?