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ベスト・フレンズ・エクソシズムの感想(ネタバレあり)

コメディ要素を押し出した作品かと思いきや、エクソシスト映画としてのツボはちゃんと抑えられていて、なんならしっかり怖いと思うホラー表現もあり、ただのホラーオマージュコメディ映画に終わっていないのが、面白い味わいだと思う。

悪魔憑き描写とはそんな関係ないけど、エイリアン化したサナダムシがワンちゃんに引っ張られる所とかは馬鹿馬鹿しいけど、見た事なくてフレッシュ。

悪魔憑き描写

悪魔に取り憑かれた事で美しい少女が段々と人間性がこわれていくエクソシストもの定番の描写の積み重ね方が結構しっかりしていてコミカルさを漂わせつつもしっかりホラー作品になっているのが良かった。

当然ラストは悪魔祓いシーンで盛り上げてくるのだけど、エクソシストの役割を担うクリスチャンのキャラクターの胡散臭さが面白くて、悪魔祓いを始めてしばらくグレッチャンが正気のフリをしてやめさせようとするのだけど、「確かにこいつエクソシストとして、めちゃくちゃ胡散臭いし、この子の言う事の方が正しいのでは?」と、観てるこちらも信用出来ない様になってくるのが何気に演出として上手いと思う。

そこから彼の悪魔祓いが効いているのが分かってからの攻め描写も面白かった。
エクソシスト映画はいつも聖水をピッピッと少しかけられて苦しむ描写が定番だと思うのだけど、個人的には「そんなちょっとずつかけないで何リットルも用意して頭からぶっかけ続けた方が効くのでは?」と思ってただけに、無理矢理飲ますという攻撃が直接過ぎて笑ってしまった。

しかしこれも定番のエクソシスト側への本人しか知り得ない情報を使っての精神攻撃により、一番頼りになりそうな人が離脱し、そこからは主人公の友情パワーによって彼女を救おうとするのが、この映画独自の面白いポイントだと思う。

大体家族の愛とかによって助けるパターンが多い気がするのだけど、周りから見たら大した事ないと思われるかも知れない10代の女の子のかけがえのない友情にはすごいパワーがあるのだ!と、宣言してるみたいで、ラストで結構感動してしまった。

エルシー・フィッシャー

「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」の主演でお馴染みのエルシー・フィッシャーが今回もコンプレックス持ちまくりな女子を演じているのだけど、こちらでは親友がいるので楽しい学園生活を送っている。

それだけに中盤からその信じていた親友に傷付けられる展開は気の毒だし、それでもめちゃくちゃ不器用ながらもなんとか唯一の親友だからこそ助けようとする切実さが本人のキャラクターにピッタリはまっていて、思わず応援したくなる愛らしいキャラクターになっていた。

どういう経緯で彼女達が友達になっていったのかよく分からないけど、女優さん2人ともやりとりがめちゃくちゃ上手いので、ずっと仲良しだったという説得力がちゃんとあった。

アマイア・ミラー

まず「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」に出てた女の子がもうこんなに大きくなっている事に衝撃。

しかし子役時代のイメージがあるからこそ、こちらは親戚の子みたいな印象で観るのだけど、悪魔に取り憑かれ、白目剥いたり、ゲロを吐いたり、その辺でオシッコしたりと、どんどんおかしくなっていく様子は結構衝撃だった。

ただどんだけドロドロになっても、凛とした上品な美しさがあって、この子もエルシー・フィッシャーと負けない位最後までちゃんと魅力的だった。

気になった所で言うと、ラストの悪魔の正体がゴラムみたいなビジュアルでめちゃくちゃ弱そうなのは拍子抜け感はあった。
個人的にはそんな全身見せなくても良かった気がする。でもラストの火だるまにして殺す描写は直接的すぎて笑ってしまったけど。

あとエンドクレジットの後日談はなんなのかよく分からずいるのか?という感じなのだけど、こないだ観た同じAmazonプライム・ビデオオリジナル作品の「ニセモノ彼氏」でも同じラストだったので、Amazonプライム・ビデオオリジナル作品内で流行っているのかも知れない。
僕はもうやめといた方が良いと思う。

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