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パパに教えられたことの感想(ネタバレあり)

ハンナ・マークス監督

冒頭の優雅なヌーディストビーチの様子から映画が始まるのだけど、何も知らずそこに迷い込んだ父と娘のパニックコメディシーンがいきなり結構面白くて笑ってしまった。まだ何も物語は語られていないのに、主演の2人の華と演出だけでこちらの心を掴む手腕が凄いと思うし、本編で語られるここのシーンの位置が思ってたより重いポイントだったりしたのも面白い。

初めて知ったけど監督はハンナ・マークスで、アメイジングスパイダーマンとかに俳優としても出てたりするそうな。
この作品の前に共同監督で「アフター・エブリシング」という作品を撮っているらしいのだけど、予告を見る限りそちらも難病モノをコミカルに描いたバランスの作品みたいで今作のベースになる要素がありそう。どの配信サービスでも見つからなかったのでamazonプライムビデオで今作と合わせて配信してはどうですかねぇ、と思う。

「難病モノ」の型で、病気になった人より一番側にいる人の方がもっと病状がやばかったとか、事故で亡くなってしまう、みたいな逆に主人公が見送る方になってしまう作品は何個か観た気がするけど、(ティーン映画の難病ラブストーリージャンルとかに多い印象)彼女が未来を話をするシーンが旅の途中、何度も出てきて、「その未来にこのお父さんは居ないかもしれないんだなぁ」と切ない気持ちでこちらは観ていたのに、後から振り返るとそれとは別の悲しみが襲ってくる感じがなかなか辛い。

ただこの娘が急死してしまう展開は唐突すぎる気はする。個人的に事前の匂わせの仕方もちょっと足りない気がして、かなりビックリして戸惑ってしまった。
作り手もそれが分かっているので、亡くなった理由をナレーションで解説しているのだけど、正直あまりにも説明的過ぎる印象で、もう少し映画的な演出での積み重ねで見せるバランスにして欲しいとは思った。

あと父親が娘の死の後、ラストに向け前向きに生きれるようになっていく流れがちょっと性急に感じた。
普通は彼女との約束はあったとはいえ、彼女の病気に父親なのに気づいてやれなかったことにもっと絶望しそうなのに、あれだけ責任感の強いお父さんが自分の事を責める描写がないのは少し違和感があった。

マックス

脳の腫瘍によって、手術中に死ぬ可能性もある20%の確率で成功する治療を行なうのか?何もしなければそのまま亡くなってしまう余命1年を過ごすか?という究極の選択を迫られる所から物語は始まっていく。

自分の事以上に残される娘の今後が心配で、前の妻に相談しようとしたり、残り少ない時間に娘の人生のためになる事を必死に残そうとしている様子が不器用で切ない。

それが結局、娘ではなく自分の人生を前向きに生きるきっかけになる旅として彼に刻まれいて流星群を見にいく所で終わっていく感じは好きだった。

僕は演じているジョン・チョウのファンなので今回も彼の演技を堪能出来て嬉しかった。「search」から引き続き娘の為に必死になるお父さん役なのだけど、この荒っぽいけど一生懸命やればやるほど何故か愛嬌を増してくる本人の魅力が今作もいかんなく発揮されていてすごく良かった。

ウォーリー

演じたミア・アイザックがとても魅力的だった。

ジョン・チョーとの自然なやりとりが凄く良くて、なんてことないのに味わい深く感じるシーンが多かった。
特に好きだったのは、中盤のホテルで受付を待つシーンで、彼女が父親の恋愛事情に切り込んでいく所。
ジッと笑顔で見つめる彼女の顔や、それで思わず照れ笑いを浮かべながら本音を漏らしてしまうジョン・チョーの間とかが凄く生々しくて本当の家族に感じてしまう魅力があって、改めて演出力が上手いと思う。

ピクサーの「2分の1の魔法」でもあったけど、アメリカ高校生の子にとっての通過儀礼として、車の運転というのが定番なのかな?
高速道路の合流確かにめちゃくちゃ難しそう。

あと個人的には「クロール凶暴領域」でお馴染みカヤ・スコデラリオも美しかった。
前情報無く観たので出ててビックリ。

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