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映画、ドラマの感想

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2024年2月の記事一覧

「見えざる手のある風景」の感想(ネタバレあり)

「見えざる手のある風景」の感想(ネタバレあり)

Amazonプライム・ビデオ配信限定作品。

宇宙人に侵略された未来を舞台にしたディストピアSFなのだけど、設定がいちいちフレッシュで面白かった。

宇宙人が侵略しにきた所が描かれるのではなく、宇宙人の侵略はもう終わり地球が完全に植民地化された状態から映画は始まる。

主人公が絵を描く事が好きなのだけど、彼の幼い頃から描いた絵を写すことで段々普通の世界から何かが起こって日常が壊れていった事を示し、

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「カサンドロ リング上のドラァグクイーン」の感想(ネタバレあり)

「カサンドロ リング上のドラァグクイーン」の感想(ネタバレあり)

Amazonプライムビデオオリジナル配信限定作品。
実在のレスラーであるサウル・アルメンダリスの生き様を描いた実録モノの映画作品。

レスラーでエクソティコというのが「変わり者」という意味らしくてこの映画ではヒーロー役とか悪役とかと違う色物系のキャラクターみたいな描かれ方になっている。そしてこのエクソティコが試合をすると負け役なのがセオリーになっている。
元々は悪役レスラーを覆面でやっていたわけだ

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「夜明けのすべて」の感想(ネタバレあり)

「夜明けのすべて」の感想(ネタバレあり)

主演が松村北斗という事でSixTONESファンっぽい人達や、もう1人の主演である上白石萌音との「カムカムエヴリバディ」での夫婦役の2人の再共演という事で朝ドラファンっぽい人達もいるのか、かなり客席は埋まっていた印象。

ただ映画ファン的には何と言っても三宅唱監督の新作という事でめちゃくちゃ期待していたけど、今回もやはり傑作になっていたと思う。

三宅唱監督の優しい目線

「ケイコ目を澄ませて」と同

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「哀れなるものたち」の感想(ネタばれあり)

「哀れなるものたち」の感想(ネタばれあり)

ヨルゴス・ランティモス監督最新作。
観る前に「自殺した身重の女性の死体にその赤ん坊の脳を埋め込み蘇生させる」という大まかなストーリーを知って観たので、めちゃくちゃ重くて悲劇的な話だと思っていたのだけど、ギリギリの倫理観でめちゃくちゃ笑えるブラックコメディ映画にしているのは流石ヨルゴス・ランティモス監督だと思う。

主人公ベラの出生に関してはそりゃ倫理的にはダメなのだけど、その出生を知っても呪う事無

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