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BUMP OF CHICKENは絶望の渦中にいる人に投げる応援歌

あれは確か中学の頃だったと思う。
朝シャンしたままのずぶ濡れの髪で、毎朝遅刻ギリギリで学校に滑り込むようなズボラなわたしにも、見捨ててくれない友達が一応はいまして。

ある日の放課後、その友達と近所のTSUTAYAに行った時のことです。今も昔も万年金欠の私は特に買いたいものは無かったので、CD視聴コーナーで目についたCDを片っ端から試し聴きしては「ふーんイイ曲じゃん、でも借りるまでもないんだよな」と呟いては棚に戻す作業をしていました。(もちろん借りる気もない)

そんな私の様子を見かねた友達が「これうちのお姉ちゃんがハマってるやつ」と、彼女の姉が好きなバンドとやらのCDを渡してきました。
「へー」と生返事しながらその時はまったく期待もせず、渡されるがままに聴いてみたのだけど......生まれて初めて音楽で鳥肌が立った。

男性の低音だけど力強い声。
引き込まれるストーリー性のある歌詞。
曲はたしかアルエだったと思う。

理屈では説明できないけれど一度聴いただけで、私はこのバンドを一生聴き続けようと思えるだけのナニカをその歌声は持っていて、

それ以来、私の好きな歌手はBUMP OF CHICKENになりました。

えっと、自己紹介が遅くなりました。
どうもデザイナー兼イラストレーターの南極珈琲です。

導入が長くなりましたが、つまりは私の好きなバンドはBUMP OF CHICKENということです。
(大事なことなので2回いいました)

ここでBUMP OF CHICKENを知らない方に向けて簡単な紹介をします。

BUMP OF CHICKENとは

BUMP OF CHICKEN(バンプオブチキン)とは日本のロックバンドで、愛称はBUMP。

バンド名の意味は『臆病者の一撃』。物語性の高い歌詞のついた楽曲が特徴。

メジャー2枚目のシングル『天体観測』が大ヒットして以降、現在まで音楽チャートの第一線で活躍している。

代表作は『天体観測』『カルマ』『Hello, world!』『ray』『アカシア』など

以下、BUMPと略します。

そんなBUMPの一番好きな曲はどれかと聞かれても、残念ながら1つに絞る事はできません。
何故かと言われれば全部絶望的にイイから。

と言うのも、私がこの曲いいなと感じる曲は、曲調以上に歌詞が良いものを選ぶ傾向があります。
なので曲という括りではなくて、今回はBUMPの歌詞についての魅力を語る事にします。


BUMPの歌詞の魅力


紹介文にも記述してあった通り、BUMPの特色は物語性の高い特徴的な歌詞にあります。

よくありがちないわゆる恋愛ソングとしての詞は少なく、ほぼ普遍的なメッセージを持った歌詞が多いです。
とはいえ「生きてて嬉しいハッピー」というような、人生を謳歌するような歌詞はBUMPにはほぼありません。

どちらかというと、自分ではどうにもならない悲しみ中にいる人、辛い境遇に翻弄されている人、絶望の中でもがいている人、苦しみのなかでギリギリ耐えている人。
そんな生きる事に不器用な人間の目線で歌を描いています。

そして歌詞には一貫して、

「ここにいていいんだよ。絶望しながらも生きてていいんだよ。
生きる意味なんて必要ない、自分の価値を決めるのは自分自身なんだから。」

このような存在を肯定するメッセージを、BUMPはこれまで発信してきました。

それはまるで「絶望の渦中にいる人間へ投げる応援歌」のように響いて。
私を含め、多くのファンの胸の奥に輝いているのです。


代表的な応援歌の紹介

「ラフメイカー」

涙で濡れた部屋に ノックの音が転がった 誰にも会えない顔なのに もう なんだよ どちら様? 「名乗る程 たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶ“ラフ・メイカー” アンタに笑顔を持って来た 寒いから入れてくれ」

これは活動初期の頃に発表した、ラフメイカーという曲の冒頭部分の歌詞です。

全編ストーリー調の歌詞で出来ていまして。
曲は泣いている主人公の元にラフ・メイカーと名乗る人間が押しかけたところから始まります。

ひとりで泣きたい主人公は、迷惑な訪問者をなんとか追い出そうとドアに鍵をかけます。
いっぽうラフ・メイカーはあらゆる手段を使って、主人公をひとりにしまいと動きます。

BUMPの曲の中ではこの曲が一番、ストレートに絶望している人間に向けた応援歌で、今でもとても人気な曲です。(ある意味カルト的人気)

生きている限り誰もが襲われる悲しみの感情、その瞬間に無理矢理にでも寄り添ってくれる存在の暖かさに気がつく名曲です。

この曲に救われた人間も多いと聞きます。
何を隠そう私もそのひとりです。

BUMPの曲にはその瞬間の感情にカッチりハマる歌詞がある

話は変わりますが私が20代前半の頃、1つ目の会社を退職する際に聴いていたのがBUMPのfiryflyという曲でした。

当時の私の心情を言葉にすると、
会社を辞めたくは無いけれど、これ以上働けばきっと心が壊れる予感があるし、仕事も報われない。仲間も仕事も本当に大好きな会社だけど、自分を守るためには辞める意外の道はない。
こんな複雑な心境でした。

結局何ヶ月も悩み抜いた結果、退職を決意したのですが。
まさにそのタイミングでリリースされた曲の歌詞が、当時の私の心情を的確に表していたのです。

「firyfly」

諦めなければきっとって どこかで聞いた通りに 続けていたら やめなきゃいけない時がきた
頑張ってどうにかしようとして 頑張りの関係ない事態で ふと呼吸鼓動の 意味を考えた

偶然とはいえ、今見返しても心情と歌詞の驚異のシンクロ率です。
しかもこの頃はひどく落ち込んでいて、大きな声では言えませんが自◯もよぎっていた程でした。

そのタイミングで聴いたこの曲にどれだけ救われたか……。

ここまで来るとBUMPは命の恩人ともいえます。

このように感情にカッチりハマる歌詞に出会う瞬間が、本当によくあります。

それにBUMPの曲はなぜか毎回、ひどく落ち込んだタイミングで耳に入ってくるのです。

こうなるともはや怖いぐらいなのですが、人生の節目のタイミングで、心情にピッタリあう歌詞を聴くことができるのは幸せ以外のなにものでもありませんね。
しかもそれは応援歌なのですから、尚更です。


BUMPから学んだ事の恩返し

最近考えている事があるのですが。

何度もBUMPに助けてもらった恩返しとして、
頑張って生きているうちに、ひどく疲れてしまった人への応援ができるような活動をしたいのです。

それは漫画なのかイラストなのかゲームなのか、それとも他のなんらかのコンテンツなのかはまだ構想中ですが。
いつか必ずこの恩は返したいし、受け取ったバトンを無駄にはしたくない。

とまあ、永遠に話が尽きそうにないので今回はここまでにします。

最後にBUMPの中で、私が特に好きな歌詞を載せて終わります。

「GO」

とても素晴らしい日になるよ 選ばれなくても選んだ未来 ここまで繋いだ足跡が 後ろから声を揃えて歌う 心が宝石を生む度に 高く浮かべて名前付けた 強くなくたって面白い 涙と笑った最初の日

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