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夜、口笛を吹いたら、顔がたくさん現れた話

怖さ:★☆☆

子どものころ、「夜、口笛を吹くと泥棒が来る」と大人に言われたことはありませんか?

私はよく言われました。

「どうして?」と聞くと

「泥棒は『この家に入ろう!』という合図を口笛でするので、夜、口笛を吹くと、勘違いした泥棒の仲間たちが、口笛が聞こえた家に入ってくるから。
誤解を避けるためにも、夜、口笛を吹いてはいけない」

という説明を受け、納得したというぼんやりした思い出があります。

ほかにも、口笛によってやって来るのが泥棒ではなく、「蛇が来る」とか「お化けが出る」とかバリエーションはあるようですが、いずれのケースでも夜に口笛を吹くとあまり良いことは起きなさそうな印象があります。

さて、私の職場の友人が小学校の低学年のころ、やはり「夜に口笛を吹くとお化けが出る」と言われました。

それを聞いた時、彼は「夜に口笛を吹いたらどうなるのか?」と気になったものの、自分では口笛を吹くことはできなかったため、お兄さんに頼んで代わりに口笛を吹いてもらいました。

ところがその後、布団に入ったのですがなかなか寝付けません。

眠れなくてふとカーテンを見たら、カーテンに顔がたくさん映っていて、彼の方を見つめていました。

うっかり直視して目が合ってしまうと怖いので、チラ見をしていたそうなのですが、「美術室にある石膏像とか、音楽室に飾ってある音楽家の肖像画のような顔。男女いろいろあった」と言います。顔に色はなく、白い首像のような感じだったそうです。

口笛を吹くように頼んだのは自分だけど、実際に口笛を吹いたのお兄さんなので、「何かあるとしたら自分ではなく、兄に禍が降りかかるはず」と、同じ部屋で寝ていたお兄さんの方を見ると、まるで気付かずに寝ていました。

「カーテンの模様が顔に見えただけだろ」と言われると嫌なので、お兄さんにはまだ、この夜のことは話していないそうです。

話し手:20代 男性
採取時期:2021年1月
採取場所:東京都内(Google Meet)

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