海外の幽霊を日本に連れてきた話

怖さ：☆☆☆　

怖い話を聞きたくて、また髪を切りに行ってきました。

最近は美容院に行っていたのですが、今日は顔そりをお願いしたくて、床屋さんに行ってきました。初めて行くところだったので、はたして怖い話を聞けるかどうか？少し心配でした。

なので「なんか怖い話あります？」と聞いたとき、「いやあ、まったくそういうのないですね」と返されたときはがっかりしましたが、「でも、友達でそういう体験をよくしてる人はいますよ」と、次のようなお話をしてくれました。

理容師さんのお友達（女性）は、幼いころから不思議なものを見たりすることが多かったそうです。

そんな彼女が、韓国に旅行に行ったときのことです。

行ってみたいところがあって、長距離のバスに乗り込みました。ところが、その後にバスに乗りこんできた乗客のうち、明らかにちょっと違う雰囲気の人が紛れていました。

「これは生きている人じゃない」と感じた彼女は、なるべくかかわらないように、と注意していたのですが、やはり気になってその「人ではない何か」の方を見てしまいました。

案の定、バスに乗ってきた何かはその後、彼女の後をついてくるようになってしまいました。そのせいか、せっかくの旅行の間中、ずっと気分がすぐれないというか体調が悪いというか、なんとも言えない不調の中で過ごすことになりました。

彼女が日本に帰国したとき、お払いができる知り合いのおばさんに、旅行中に体験したことを伝えようとすると「あら、海外から連れてきたの？」と言われてしまいました。

一緒に飛行機に乗ったのか？韓国で出会った幽霊は、税関もくぐり抜けて日本に入国してしまったのです。

その後、お祓いをしてもらって彼女は元気になりましたが、彼女からその話を聞いた理容師さんは、「海外からついてきた幽霊はお祓いされた後はどこに行くんだろう？」と気になったそうです。

……私も気になります。

そもそも幽霊に国とか国境とかの概念があるのかどうかわかりませんが、どうなんでしょう？

私だったら知らない異国にいるより故郷に帰りたくなるのでは？と思うのですが、まだ日本にいるのでしょうか？

話し手：男性　理容師
採取時期：2022年2月
採取場所：東京都内

美容院で聞いた、なんか怖い話