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個別最適な学びについて考える(6)ー坂元昂(1971)能力はどこまでのばせるかーから

みなさん、こんにちは!
休日も更新していきます。
自分事で申し訳ないですが,自分が書いた記事がすごい人の目にまで届いたそうで嬉しい限りです。そんな嬉しさは一度置いておき,早速記事に入りましょう。

本日は「坂元昂(1971)能力はどこまでのばせるか.講談社,東京」を紹介します。この本は現在の個別最適な学びの教育の観点からも論じられた古典的な一冊です。いつものように,私なりの解釈も添えながら本の内容を紹介したいと思います。

一芸に秀ずれば多芸に秀ず

坂元昂(1971)能力はどこまでのばせるか.講談社,東京

あえて,目次部分だけを抜粋しました。この言葉がすごくないですか…。
まさに現代に求められているというものというか,個別最適な学びの中では大事にしたい考え方ですね。
全体的に平均に力を育てていきたいのですが,今は一芸に特化することも求められる時代です。ただ,一芸特化の人もそれだけに強いわけではないことがこの後の文章で紹介されています。

こうして一カドの人物は、自らの職について他人にはヒケをとらない能力を身につけている。どんな事態が生じようとも、うまく適切に処理できるし、それだけ自信を持っているので、落ち着いてあわてない。また、自分の領域で身につけた技術や原理や考え方を、他の領域にも応用できる能力がある。

坂元昂(1971)能力はどこまでのばせるか.講談社,東京

まさにという感じですね。この前文に,いろんな人が紹介されているのですが,少し飛ばして抜粋してきました。
結局,一芸に特化して身につけた能力には,汎用的に活用ができるということだと思います。現在の教育では,コンテンツベースではなく,コンピテンシーベースと言われていますが,この話が近いのではないでしょうか。

特化しているのはコンテンツなのですが,それを身に着けるために培ってきた能力はコンピテンシー的なものになっていて,どこにでも活かすことができるようになっている能力になっているという考え方です。

一芸に特化しているように見えて,その裏でコンピテンシー的なものは身についているから他領域に十分に応用が可能だということです。しかし,この能力はすぐに身につくものではないと考えると日頃からの鍛えが大切です。

個別最適な学びに整理される学習の個性化では,子どもたちの興味関心を大切に学習していきますが,これが一芸にもつながってくると考えます。どんな教科でも,自分の一番興味関心がある視点で見たら一芸に特化した子どもを育てることができるのではないでしょうか。

当然,絶対に身につけなければいけない基礎的な学習は教える(身につける)として,加えて考えていきたいのはこういう視点なのかもしれません。

この本は,新書なのでとても読みやすいです。昔は240円!?だったそうですが…。そんなに高くなく中古で買えると思いますので,ぜひ中身を読んでいただけたらと思います。

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