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個別最適な学びについて考える(13)ー安彦忠彦(1987)自己評価ー「自己教育論」を超えてーから

さて本日も個別最適な学びについて考えていきましょう。
自分で調整するためには,評価が必要という話を以前しました。そのために,そもそも自己評価について考え直してみたいと私は考えました。

私自身も家に帰ってきて,今日活動に取り組めたかな?なんて考えることがありますが,そんなのは自己評価にもなっていない可能性があります。
視点も何もないですからね。笑
でも,それはきっと学習の場面でも言えるはず,ただ振り返ろうではダメなはずということで,今回は「安彦忠彦(1987)自己評価ー「自己教育論」を超えて.図書文化社,東京」を紹介します。

学習者の「自己評価」は、それがまさに学習者自身に「身近な」もの、「親密な」ものであることに、決定的な意味がある。もし、仮に「自己評価」の役割が、評価している本人の活動に、実質的な意味をもたなかったとしたら、まさに「自己評価」は単なる不必要で余計な活動にすぎない。
しかし、実はこの「自己評価」が右のような(※ここでは上)本来の役割を果たすことは、意外に難しいのである。とくに、単なるテストの答合わせのレベルではなく、態度や行動の「反省」としての「自己評価」となると、けっしてそれは容易なことではない

安彦忠彦(1987)自己評価ー「自己教育論」を超えて.図書文化社,東京

自己評価の必要性の議論が十分にされてきた上で,安彦先生はこのように伝えています。
なんとなく学習の後に振り返りましょうなどとしていたら,ここに書かれているように不必要で余計な活動にすぎなくなってしまいます。そうならないためにも,この活動が次に活かされる意味を伝えた上で振り返り(自己評価)していかなければなりません。

でも,自己評価は難しいわなので教師が支援をする必要はあるということになっていきそうですね。

子どもの自己評価活動は、実は子どもの活動の種類に応じて、実にさまざまなものを生み出す。それは私たちが考えている以上のものである。少なくとも五つほどがいま思い浮かぶ。
①技能面の調整能力
②知能面の論理的調整能力
⑧情緒面での統合能力
④情動面での統制能力
⑤精神面での内省能力

しかし、これらを通じて全体的にいえるもの、それは、「自己統制能力」といえるだろう。

安彦忠彦(1987)自己評価ー「自己教育論」を超えて.図書文化社,東京

技能面の調整能力というものが,学び方を調整していくことにもつながってくるのではないでしょうか。
そのように考えていくと自己評価がなぜ重要なのかということがわかってくる気がします。振り返りの重要性には,学習活動を調整するということに活きてくるのかもしれません。

活動をしたら評価という訓練をしていれば,私自身も毎日記事を書くための調整ができていたかもしれません。
しかし,これが意外に難しい…。私自身も自己評価大事にしていきます。

本日はここまでにします。また次の記事でお会いしましょう!

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