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教育の偉人について考える(11)ー有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」2「わたしの勉強法」づくりーから

1冊ずつということで読み始めた全集ですが,まだまだ先は長い道のりとなっています。
2ということは,まだ2冊目ということなので,あと10冊以上は残っているといった形になっています。

ただ,読み始めると止まらないという謎の意欲が湧いてきます。このような全集を書いている人は,書き方も素晴らしく,読みたくなるような仕組みもあるのだろうと思います。

今回は,「有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」2「わたしの勉強法」づくり.明治図書,東京」です。
早速読んでいきましょう!

学力観・指導観の変革を
 教師から教えられたことだけを記憶し、ペーパーテストによい成績をとる学力から、生きて働く学力ー人間としてよりよく生きようとする学力へ、変革を迫られている。
 自ら問題を発見し、それを納得のいくまで執ように追究しようとする力をつけなければ新しい時代に対応できないのである。主体的に学習内容に立ち向かわない限り、生きた学力とはならないのである。
 知的にわかるだけでなく、本当に納得でき五感で感得し、体でわかる、というものでなくては、真の学力とはいえないであろう。

有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」2「わたしの勉強法」づくり.明治図書,東京

教師の方の学力観や指導観を変えていかなければいけないのは,今の時代でも一緒だと思います。当然,自分が受けてきた学習も前者のものでしたが,求められ続けてきたのは後者の方です。

主体的に学習内容に立ち向かっていく力が必要です。知識を詰め込めばいいわけではありません。最終的には受験など知識が求められていくのだとは思いますが,大学へ行ってからも何か追究するためには小さい頃からの積み重ねが必要になるはずです。
内容を抑えながらも追究する部分に迫っていくことが大事なんだなと改めて思います。

子どもをとらえる
子どもに合わせた指導をするためには、子ども一人ひとりの特徴をとらえなければならない。一人ひとりの追究のくせをつかまなければ、適切な指導はできにくい。
わたしは、10年がかりで、子どもの発達段階をつかもうと記録をとり続け、それをまとめたものを『子どもの生きる社会科授業の創造』(一九八二年・明治図書)に書いた。

追究の特色(1年生)
・数量的にとらえるのに興味をもち、多い―少ない、大きい―小さいなど、「ちがい」を見つける学習を好む。
・社会の諸施設を、自分の使うもの、自分の目的実現の手段として、自分の生活を明るくするものとしてとらえよう
・興味の持続時間は一五分が限度であるが、四〇分間熱中することもある。紙芝居づくりなどをすると、もっと長時間熱中する。
・一学期でも、興味のあるものには三か月くらい追究できるエネルギーを持っている。

有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」2「わたしの勉強法」づくり.明治図書,東京

子どもの発達段階を捉えるために,何度も記録を取り続けるわけです。凄すぎます。でも,それくらいしなければ特徴は掴めないというわけですね。
難しいことですが,追究のためには必要なことだと思います。

特色に関しては一部抜粋で示しました。低学年だからは言い訳にできない理由が示されています。その発達段階に応じて,追究の形を変えていけばいいのです。そういう実態に合わせた工夫が必要なんだと思います。
この部分だけ読むためにも買う価値があると思いました。笑

大事だと思うことが多すぎて長くなってしまいました。
本日はここまで!また次回の記事でお会いしましょう!
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