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生涯にわたって運動に親しんでいない

日本人は運動嫌い?

小中学生のころ,体育の時間と聞くと大好きだった人と大嫌いだった人に完全に二極化する答えが返ってくるのではないだろうか。
ボクも今でこそスポーツに関わる仕事をしているし,社会に出てからも身体を動かす趣味をもっていて今でも続けているものがある。
しかし,小学生の頃は運動が苦手だった。苦手ではあったが嫌いではなかったため,現在があるのかもしれない。

さて,小中学生の頃体育が嫌いだった人は今現在大人になってから日常的に運動習慣がある人は少ないだろう。しかし,小中学生の頃体育が好きだった人は今現在大人になって日常的に運動習慣がある人はどれくらいいるのだろうか。

FITNESSBUSINESSの統計によると,2019年現在のフィットネス人口は555万人と日本の人口の4.4%程である。ちなみにアメリカは6420万人で19.6%。イギリスは1040万人で15.6%である。なんだろうこの差(笑)
日本人運動しなさすぎでしょ。

しかし,ジム通いのフィットネス人口だけでは一概に言い切れないのでスポーツ人口も見てみたい。
文部科学省の統計によると,2015年現在の日本の20歳以上人口のスポーツ実施率(週に1回以上運動している割合)は,40%。ちなみにイギリスの15歳以上のスポーツ実施率は46%,北欧スウェーデン,オーストラリアは69%。こちらも20歳と15歳なので正確には比較対象にはならないが,どちらにしても日本人がいかに運動をしていないかがよく分かる。

日本の運動教育

文部科学省では小学校の体育の目標として次のようなことをかかげている。

「体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を見付け,その解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力の育成を目指す。」

とある。
つまり,体育や保健とは,運動をするだけでなく見たり,支えたり,知ることでも楽しむことができるということ。そこから自分自身の健康や運動に関する課題を見つけ,その解決に向けて試行錯誤することが大切である。その過程で心と体は一体であることを知り,生涯にわたって健康の保持増進に取り組むためにスポーツをしていきましょう。そのためにさまざまな能力を身に付けよう。
というのが体育の授業なのである。

上記の数値とこの目標を見たときに達成できていないことは一目瞭然。
他の諸外国と比べると全然生涯にわたってスポーツに親しんでいない。
それはボクが思うに学校体育の授業の仕方に問題があると思う。

学校体育の課題

学校体育では,主に集団行動が重視される。
チームで協力する。仲間と教え合える。静かに話を聞く。良い姿勢で座っているなどがあげられる。つまり,子どもを思い通りに動かすような教育しかしていない。
結局ここでもはるか昔の軍隊教育のなごりが残っているのである。

さらには体育座りという身体に負担をかける座り方をまずは廃止したほうが良い。
座骨や尾骨,腰や背骨にも負担をかけ,内臓を圧迫する座り方だ。あの思考停止させる座り方をまずは廃止すべきだ。

そして次に競争。運動会や持久走大会なんかあるから運動が嫌いになってしまう子どもが増えてしまうのだ。
集団行動や競争はもちろん大切なことだが一番子どもたちが学ばなければならないのは運動は楽しいということである。
まずは運動は楽しいということを学んでから人と協力する。協力すれば一人ではできなかったことができることもある。新しい喜びを発見できるのだ。そして競争するのは一番最後でよい。運動が楽しい!もっとやりたい!と思った子が競技の世界へ入っていけばよいのだ。自分の力を試すのに大会に出ていくのである。
日本は最初から競争させるから運動が嫌いになってしまうのである。

学校教育も負のスパイラルを生んでいるが,もう一つ良くないのは地域のスポーツ少年団である。
小学生の小さいころから競争を植え付け,勝つために練習時間を増やすことも多い。無駄に長時間やっても技術や能力は伸びないし,運動が嫌いになるだけである。さらに当番などで保護者も大変である。

それなら地域連携型スポーツクラブでも作って,1日1時間~2時間あずけて集中的に取り組んだほうが効果的である。中学校の部活やクラブなんかも廃止して地域連携型スポーツクラブで専門家がさまざまなスポーツを教えたほうが確実に楽しんで運動をすることができる。
地域にそういったスポーツに親しむ文化をつくっていくことが生涯にわたってスポーツに親しむ人を増やしていくことにつながるのではないだろうか。

このようなことから学校教育や,地域のスポーツ事情を変えていくことこそが生涯にわたって運動に親しむようになる文化を作り上げることができるとボクは考えている。

運動しない理由

さて,ここまでの事情を分かったうえで,文部科学省の統計で出ている日本人がスポーツをやらない理由を見てみよう。

・仕事(家事・育児を含む)が忙しくて時間がないから
親子で親しめるスポーツ文化をつくっていく必要がある。
・年をとって体が弱いから
なおさらスポーツをやるべき。
・運動・スポーツは好きではないから
運動を嫌いにする学校教育のせい。
・仲間がいないから
身体を動かすのに仲間なんかいらない。
一人でもできる運動を教えない学校教育のせい。
・金がかかるから
身体を動かすのにお金なんてかからない。
運動の知識が身につかない学校教育のせい。
・場所や施設がないから
身体を動かすのに場所や施設なんて必要ない。
運動の知識が身につかない学校教育のせい。
・指導者がいないから
身体を動かすのに指導者なんて必要ない。
運動の知識が身につかない学校教育のせい。
・機会がなかった
機会なんて自分でつくるもの

以上のことからほとんどの理由が学校教育や地域が作り上げた負のスパイラルである。
日本はまず学校教育や地域のスポーツ事情を変え,スポーツ文化をつくっていく必要があるとボクは考えている。
なかなか現実を変えていくのは難しいので自分のできることを一歩ずつ進めていきたい。

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