サムネ

打ち上げ花火は、下から見るか? 横から見るか?の前に「誰と見るか」が大事

村田さん、初防衛おめでとうございます!

で、僕には村田諒太を見ると必ず顔が思い浮かんでしまう友達がいる。

僕の前職のDAZNで、デスクを並べて働いた伊藤敬介である。敬介と呼ばせてもらっている。

僕の「村田さんおめでとう!」には、「敬介おめでとう!」が半分含まれている。

そんな彼は、今日も朝から告知していた。

試合を中継するのはDAZNではなくフジテレビ系列。にもかかわらず、告知するのだ。視聴率に貢献しても一銭にもならないはずだ。

いや、最近めきめきとフォロワーを増やしている彼だから、もしかしたら #PR 案件…。いやいや、敬介はステマに手を染めるような男ではない。

“僕たちと村田諒太”のはじまり

DAZNに入社した2018年4月、僕は伊藤敬介と出会った。

そこから毎日席を並べて仕事をするわけだが、その頃、DAZNはアンバサダーとして村田諒太を起用し「日本人には難しいと言われるミドル級で世界に挑むスター」を盛り上げていく時期だった。

必然的に僕たちの仕事も「村田案件」が多かった。

僕が入社した最初の週末も、一緒に横浜アリーナでの試合を観に行った(仕事)。

DAZNアンバサダーの村田さんは会社にも来社してくれたりし、そういう機会には、僕たちは時間が許す限りSNS用に映像を撮らせてもらったりした。

スクリーンショット 2019-12-23 21.47.41

「村田案件」大爆発

時計を半年ほど進める。2018年10月、村田諒太はボクシングの聖地ラスベガスでの防衛戦に挑むことが決まっていた。

日本人にとって高い壁だったミドル級で、ついに一人のサムライがその真価を本場のリングに見せつける──。

そして、ライブ中継は「DAZN独占」である

「10.21」へ向け、DAZNとしても「村田のラスベガス戦を盛り上げろ」は合言葉のようになり、仕事のウェイトは最大級だったと思う。

TVCM、ソーシャルCM制作、渋谷駅ハチ公前にもOOHを展開し、試合の何日も前からプランニングは始まり、立体的なプロモーションを仕掛けていった。

ソーシャルメディアでのプランニングから、時にもっと全体的なプロモーションまで考え抜いた一人が敬介だった。夏ぐらいから、かなりのプレッシャーと戦っているのを隣で見ていたが、とにかく彼は当日も現地ラスベガスに飛び、可能な限りの全てのプロモーション企画をやり抜いた。

時代を変える一戦、ラスベガス挑戦。

しかし、

村田諒太は負けた。

「村田案件」ではなくなった“僕たちと村田諒太”

時計の針をさらに8ヶ月ほど進める。2019年6月。

僕はすでにDAZNを辞めて今の仕事をしていたし、敬介も2018年とはまた違うポジションでDAZNで頑張っていた。そんな友人・伊藤敬介から1通の連絡が届く。

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見返してみたら、1通じゃなくて2通だったが、2つ目のメッセージがなんとも敬介らしくて好きだ。

お誘いの内容はつまり「ラスベガスで負けたロブ・ブラントとの村田諒太のリベンジマッチを観戦しに大阪に行こう」ということ。

僕たちは仕事仲間ではなくなったし、当の村田さんはDAZNのアンバサダーでもなくなっていた。

この試合にDAZNは関わっていない。敬介のお誘いも「会社でチケットもらえるんで」といった類ではなく「普通にチケット買って観に行きたい」という話だ。

ボクシングの観戦チケットはかなり高い。しかも大阪に1泊。敬介と2人で大阪旅行なんて「どうせ夜遊びするんでしょ?」と嫁に疑われるリスクもチケット以上に高い。

でも、僕は「行こう」と即答した。

そこには"強烈なストーリー"が存在した

ちょっとだけマーケティングっぽい話をします。

たぶんこの記事は敬介の親指によってTwitterで拡散されているだろうし、読んでくれている人にマーケティング界隈の人も多いはずだ。

なぜ僕は「行こう」と即答したのか。

敬介のお誘いの2通目をもう一度見て欲しい。

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そう、僕は村田諒太のファンではない

誤解の無いように言うと、同い年のアスリートで応援してるし、新聞記者時代に取材もしてる。普通に好きだ。だが、試合観戦はテレビ越しでぜんぜん構わない。

仮に、このお誘いが敬介からじゃなかったら「家で観るわ」だったと思う。チケットがタダでもらえても、だ。

だが、村田さんと僕の間には敬介が存在していて、さらに、強烈に共有できるDAZNでのストーリーがある

そんな「彼と一緒に観に行く」という価値が「村田さんはテレビ観戦でもいい」はずの僕の足を大阪まで運ばせた。安くはない旅費と観戦チケット、嫁に夜遊びを疑われるリスクまで超越した。

強烈なストーリーは、人を振り向かせることができる。そして、そのストーリーを提示できるのはただの友人だったりする。

だから僕は「誰だって誰かのインフルエンサー」とTwitterやFacebookのヘッダーに書いている。

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ここ数年のマーケティングのトレンドワードである「ストーリーテリング」や「信頼できる友人の口コミ」を強く感じさせる出来事だった。

ちなみに、

村田さんの試合、めちゃくちゃ楽しかったし、「誰と見るか」とか忘れて声張り上げてました。もう敬介とじゃなくても誰とでも行く。

今日も勝ってよかった!


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NewsPicks, Marketing, SocialMediaManager/マーケやSNSのTipsは書きません。元新聞記者なので、書きたいことを徒然なるままに書きます。週末やってるバーの話、キヤノン、報知新聞社、サムライト、DAZNを渡り歩いたキャリアの話とか。

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