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コンテンツを購入するという素敵な行為

今日の「NIKKEI The STYLE」に瀬川 奈都子(編集委員)さんの書かれた、「文化時評:海賊版 不均衡な日本人のモラル」という記事が掲載されていました。URLを探したのですが、なぜかHPには載っていなかったのでざっくり内容を要約すると以下のような内容が書かれていました。

有形物については日本人のモラルは高いが、漫画の海賊版が横行することからもわかるように無形物についての日本人のモラルは低い。
無料コンテンツがあふれる中で、著作権法の理解を旧来の自然権(制作物はクリエイターに帰属する)に求めるのは難しくなってきているので、クリエイター側の主張は「創造のサイクルのために必要」という英米法的な考え方に変わってきている。ただこちらも、二次創作が市民権を得ることによって説得力が落ちてきている。
モラルの前提が欠如し、簡単に侵害行為ができる分野において法を浸透させるコストは非常に高い。

色々と考えさせられる記事だったので、自分なりの考えたことをまとめようと思います。

モラルは本当に不均衡なのか?

有形物についてのモラルが高い事例として、落とした財布が返ってくるや無人販売所での窃盗が少ないということが挙げられているのですが、これにかんしては、有形・無形の問題ではなく自分が相手に与える被害額(価値の棄損)の差からくるものだと考えられます。

財布を拾ってネコババすると、財布の落とし主にとってはかなりの痛手です、また、無人販売所での窃盗も同様にそのもの自体の価値を丸ごと自分が盗ることになります。

それに比べると海賊版サイトで漫画を閲覧するのは、作者や出版社から大本のデジタルデータを盗むわけでもなく、自分は(違法)公開されているものを見ているだけなので、作者・出版社に対して個人として与える被害額は大したものではないと感じていると考えられます。

そのため、モラルが不均衡に見えるのではないでしょうか。

お金を支払うということ

どうすれば、海賊版漫画を無くすことができるか色々と考えてみましたが、いい感じの解決方は見当たりませんでした。

 出版社の権利に配慮しつつ、作者に利益を還元する「マンガ図書館Z」のような仕組みは素晴らしいと思いますが、最新話がネットに公開されることの対応策にはなりそうにないです。

ふと、星野源さんのエッセイ『そして生活はつづく』に、自分はお金を使うことが好きだ何故なら、稼いだお金を素敵なものを手に入れるために支払い、その売り上げによって作り手に賛辞を伝えられるからだと言ったことが書かていたことを思い出しました。

海賊版コンテンツのおかれたサーバーが海外に有ったり、データの複製が容易な現状では、著作者側で海賊版漫画による著作権侵害を防ぐことは難しいです。システム的に防ぐのが難しい以上、星野さんのような考え方が消費者の間に広まることが、クリエイターの利益を守る一助になるのではないかと思ったりしました。

#日経COMEMO #NIKKEI

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