ビタミンのアルファベット なぜ飛び飛びなの?【3/16はビタミンB1発見の日】
本日3月16日は、ビタミンB1発見の日です。
1910年の今日、日本の農芸化学者・鈴木梅太郎氏が米ぬかから、オリザニン(ビタミンB1)を発見しました。
脚気は白米ばかり食べることが原因
当時、日本では脚気に悩まされている人が多く、治療の術が見つかっていませんでした。食欲不振、足の痺れが起こり、最悪の場合は死に至るこの病は、本当はビタミンB1が欠乏すると起きる病気なのですが、当時は伝染病や風土病だと思われていました。
そこで鈴木氏は「脚気の原因は白米食にある」という説に注目。白米食に偏っていた人が多かったなか、鈴木氏は玄米、米ぬかを研究し、脚気の原因となる栄養素を発見しました。
これにイネの学名にちなんだ「オリザニン」という名前をつけました。これが今で言うビタミンB1です。
この発見により、脚気が予防できるようになったほか、ビタミンという栄養素がメジャーな存在になったのです。(ビタミンB1の構造式▼)
たくさんあるビタミンの種類
今ではこのビタミン、三大栄養素の糖質・脂質・タンパク質と並んで取り上げられる重要な栄養素として認知されています。エネルギー源ではありませんが、ほかの栄養素の働きを助ける重要なもので、ヒトが体内では十分な量を作りだせないため食べ物から摂取しなければなりません。
前述のビタミンB1だけでなく、ビタミンには「ビタミンA」「ビタミンC」などいろんな種類があり、健康でいるためには、満遍なく摂取する必要があります。
しかし、このビタミンの名前、よく見れば不揃いなことに気づきます。
ビタミンA~Eまではありますが、BにはB1やB2、B12など数字がついているほか、ビタミンFやJはないのに、いきなりビタミンKがでてきます。
いったいなぜこんなに飛び飛びになっているのでしょうか? 発見した順番? それとも発見者の頭文字?
研究が進むにつれて飛び飛びに
このビタミンのアルファベットですが、当初は発見された順番にただアルファベットが振られていただけでした。しかし、研究が進むにつれて、変更されたり訂正されたりしたため、今のような歯抜けの状態になったのです。
ビタミンの詳細がわかる前に、世界の研究者たちはビタミンと思われる成分に、アルファベットをつけていきました。しかし、研究によって徐々にビタミンのことが明らかになってくると、「先に発見済みのものと同一物質だった」「発見済みのビタミンと何かの混合物だった」など、過去に研究に修正が加えられていきました。
そうした過程のなかで、アルファベットが消えたり、ビタミンB群の一種ということでビタミンB1やビタミンB6などのように数字が振られるようになりました。そのため、飛び飛びのアルファベットになっているのです。
Ⓒオモシロなんでも雑学編集部
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