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ミツカンの由来は江戸時代の家紋にアリ+ロゴの豆知識も【3/9は酢酸の日】

本日、3月9日は、酢酸(さくさん)の日とされています。酢酸とは、お酢のなかに含まれる、すっぱさの元になっている成分のことです。3~5%ほど含まれているそうです。

3(さ)9(く)の語呂合わせにちなみ、ミツカングループがこの記念日を制定しました。(ミツカングループ本社@愛知県半田市▼)

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ミツカンといえば、食酢や調味酢などの製造・販売を手掛ける国内最大手の酢メーカーです。
酢といえば、ミツカン酢がまず思い浮かぶほどに浸透していますね。味ぽんとか家にあります。

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ところで、ミツカンとは何の言葉なのでしょうか?
苗字? それともイヨカンやポンカンみたいな柑橘類? 
疑問を解くため、メーカーの歴史を探ってみました。

最初はマルカンマークだった

いろんなCMなどを出し、現代的なイメージがあるミツカンですが、じつは江戸時代から続く老舗です。

創業者は、現在の愛知県にある知多半島で酒造りを営んでいた中野又左衛門という人です。

この又左衛門さんが江戸を訪れたとき、江戸前鮨が流行っていることに気づき、酢作りに注目します。そして、1801(文化元)年、酒粕を原料とする製酢技術を開発しました。この技術は世界で初めてのものだったといわれています。

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当時はまだ、ミツカンという名前はありませんでした。中野家は「酢屋勘次郎」という屋号で酢作りをしていました。「勘次郎」が社名みたいなものですね。
同時に、「○」の中に「勘」の字を入れたマークを商品に入れていました。これがいわゆる商標ですね。丸に勘の字、略してマルカンマークです。

このマークが、のちの社名のきっかけになるのです。

マルカン商標が使えず、別のマークに

時代は下って、明治時代になりました。
1887(明治17)年、明治政府は商標条例を公布します。パクリ商品をなくして、生産者や販売者の権利を守ろうという趣旨です。(参考:いまの商標制度

このときに文字・図形・記号などの標章を決め、農商務省内に設けられた商標登録所に登録する必要がありました。 

そこで中野家も江戸時代から使われていた丸勘マークを正式に商標登録しようとしました。すると、なんとそのわずか3日前に、ほかの酢屋に丸勘マークを登録されてしまったのです。な、なんてことに……。でもルールだから仕方ないのか!?

困ってしまった中野家は、新しい商標を考えることにしました。
このときに参考にしたのが家紋です。中野家は、「○」の中に「三」の字が入った「丸に三引き両」といわれる家紋を使用していました。

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彼らはこれを分解して、「三」を上に、「○」を下に移動させて、新しいマークをつくりました。これが三に環(丸)の「三ツ環」マークです。

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つまり、社名になった「ミツカン」とは、この家紋から生まれたものだったのです。(参考:公式サイト

ロゴはなぜかミ「ズ」カン

この三に環のロゴは、いまでも受け継がれています。スーパーなどで酢コーナーに行くと、大きくこのロゴが印刷されたビンが置いてあるのを見るでしょう。

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ですが、このミツカンで見慣れているのが、「mizkan」というアルファベットの小文字のロゴです。
これ、よく見るとミ「ズ」カンになってますよね。ツだったら、tsuのはずなのに。

じつは、このzは、わざとつけられているのです。もともとmitsukanだったのですが、2004年に、綴りの文字を短くすることで覚えやすく、さらに「z」という文字が中央にあることでの視覚的なインパクトを狙って、わざとzにしたそうです。社内からも「ミズカン」と読んでしまう、という指摘も当然あったらしいですが、あえてこの形にすることで、変革と挑戦のシンボルにしようという狙いがあったと公式では説明されています。

また、この「z」は、酢作りと関わりが深い「Zymurgy(醸造学)」の頭文字をとったらしいとも言われていますが、公式の由来ではありません。

参考資料:
『図でわかる!日本100大企業の系譜2』菊地浩之(KADOKAWA)
mizkanHP

Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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