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カンボジア生活を楽しめる人

こんにちは。ベトナム生活5年強の後のカンボジア生活は丸6年に近付いてきました。昔からある意味憧れもあったベトナムと比較し、全く前知識がなかった(むしろ悪いイメージだった)カンボジア、意外と楽しんでいるかも…と気づいたのでした。

意外とカンボジアにハマる人

私は以下の1から5に全部当てはまりました。1,2は専攻ではなく好きで勉強しましたが、3と4は専攻でした。

語学(フランス語とベトナム語)自体は、使えるか使えないかで言うと使えていないです…しかし勉強する過程で知った文化背景は、カンボジアでの色々な物や出来事と結びつけられるので関心が深まっていると実感します。

1.フランス語学習経験者

カンボジアが旧仏領インドシナだったことは意外と知られていないかもしれません。仏領インドシナはベトナムのイメージが強すぎて、カンボジアとラオスは忘れられている気もしました。

ですが、(想像ですが国力が弱かったこともあり?)現代ベトナムと比べて現代カンボジアの方がフランスの影響が強いのではと思います。またカンボジアは在住フランス人も多く、プノンペンでもシェムリアップでもフレンチコミュニティがかなり大きく強固なようです。

フレンチスクールが郊外(9区)にあるホーチミンと比べて、プノンペンは官庁街の一等地にフランス大使館もフレンチスクールもあり、フランスの存在感が強いです。知人でもフランスに留学したカンボジア人はたくさんいます。

日本人で仏語専攻で自らカンボジアに来ようという人は今はそういないと思います。(1970年代のベトナム・カンボジアで活躍されたジャーナリストは仏文科出身が多かったようです。また、アンコール遺跡の大家、石澤先生も仏文科出身ですね)

とはいえ最近でも偶然カンボジアに住むことになってそのフランスの影響に驚き、魅力にハマりつつある、仏文科出身の方はいらっしゃいました。

また、ポルポト時代に書物という書物は焼き払われてしまったため、非常に重要な文献は今でもパリに保管されているそうです。遺跡のこともある程度深く知ろうとすると、元々遺跡研究がEFEO(フランス極東学院)から始まったため、フランス語書籍に当たります。

2.タイ語、ベトナム語学習経験者

隣国の言語はやはり似ています。タイ語は私は深くは知らないですが、古クメール語から一部派生したという話も聞いたことがあります。共通する語もあり、表記もある程度似ているものもあります。

ベトナム語は見た目や発音、単語こそ違いますが、クメール語と根本的に非常に近い感覚があり、日本語と韓国語の関係のようです。語族・語派が同じで文法はほぼ同じであり、単語単位で一対一で翻訳できるのではないかと思います。

3.アート好き

2015年に初めてカンボジアに来た時に、ソバンナプムシアターでスバエクトムとアプサラダンスの2大伝統芸能を一度に観ることができて、カンボジアアートの洗礼を受けました。

1991年にパリ和平協定でやっとカンボジアは国として一歩踏み出し、NGOなどの支援で伝統芸能を復活させようというパワーが感じられました。

アートの分野もフランス系NGOのサポートが強いようで、バッタンバンにはフランス系のアートスクール・ギャラリーがいくつかあり、シェムリアップやプノンペン、国外で出身者が活躍しています。

4.建築好き

プノンペンでは、日本の建築学科では教科書に出てくるようなフレンチモダン近代建築が公共建築として使われていたり、フランスによる都市計画(セントラルマーケットから放射状に続く道と集合住宅)が興味深いです。

また、やはりアンコール遺跡は一度見てしまったらもう虜です。ぜひ現役の建築学生は一度来て下さいw

サイゴン(ホーチミン)のアンティークカフェで友人が見つけたインドシナの本。École française d'Extrême-Orientと書いてあり、フランス極東学院の本のようです。サイゴンにEFEOの本部があったことを実感します。1930年と書いてありますね。約100年前の本でした。
当時のアンコールワットでしょうか。スペリングがAngkor Vatとなっています。バンテアイクデイ前など、いくつかの案内板が"Angkor Vat"とスペリングされていますが、(クメール語がVですし)あながち間違いでないようです。

5.歴史好き

東南アジア史専攻というのは日本の大学では少ないと思います。中国史などのベースがあると現代カンボジアの理解が深まりそうです(友人でも中国史専攻+アンコール遺跡好きがいます)

私は日本に住んでいた時には特に歴史好きでもなかったのですが、ベトナムからカンボジアに移動した時に二つの国の共通点と敵対心を知り、何か手掛かりになるものはないかと東南アジア史の本をよく読むようになりました。

がっちりハマりカンボジアと一体化する人(人による)

6.開発学専攻

意外と多いのが「開発学」を大学院で専攻し、研究した方です。こういった専攻があることすらカンボジアに来るまで知りませんでした。

開発学は、社会学の専門分野の一つで、国際開発や人道的活動について研究する学問です。 開発学では、移民、紛争、政治的生態、援助など、複雑かつ重要なグローバル課題を幅広く扱います。

GoogleのAI先生

Google先生に聞いてみると、カンボジア在住の今、非常に興味深い学問です。英国発祥とのことで、イギリス留学で開発学学位を取得した方に何度もお会いした理由も頷けました。

今までプノンペンでお会いした方々は、ヨーロッパの大学院や王立プノンペン大学院で開発学を研究し、そしてカンボジアの大学・大学院や政府機関で働いていらっしゃいます。私が女性で出会いの機会が多いからかもしれませんが、開発学を学んでカンボジアで活躍されている方は女性ばかりです。

7.カンボジア語(クメール語)専攻

非常に少ないです。ベトナム語専攻の方はベトナムで結構お会いしましたが、カンボジア語専攻の方は今までお二人しかお会いていません。
それもそのはず、日本でカンボジア語を専攻できる大学は、東京外国語大学1校なのだそうです。

お会いしたお二人は現役の東外大の現役学生で、王立プノンペン大学に留学していたところでした。クメール語(カンボジア語)学習の集まりで少しお話しすることができました。

発音と文字に最初の半年を費やしたなど、興味深い話を聞きました。

上記のリンクは、王立プノンペン大学(日本人の間ではプノ大と言う笑)の外国人向けクメール語コースです。ベトナムの人文大・師範大のベトナム語コースに当たるコースかなと個人的には思っていました。

通いたかったのですが、自宅から王立プノンペン大学は遠く、諦めました。(しかし、その後一対一で先生から習うことができ、その選択肢も良かったと思っています)

8.現地専門学校・大学・大学院で教育を受けた人

カンボジアに関する専攻だけでなく、一般的な専攻をカンボジアの学校で学んだ方も、カンボジアに留まるケースが多い気がします。

高等教育の教科書がカンボジア語に翻訳されてないことが多く、外国人にとっても英語で教育を受けられる機会は意外とあるためかもしれません。ビジネスやITなどの分野は、ほとんどが英語で学べます。

また、教育内容はさておき、ここでできたカンボジア人ネットワークがその後の生活の支えになっているようです。そういう意味では、私はベトナムの方が(若かったですし笑)ネットワークは広かったです。カンボジアに大きなネットワークを持っていらっしゃる方、羨ましいです。

ちなみに、日本人がよく通うカンボジアの英語学校は、オーストラリア系のACE(Australian Centre for Education) が有名で、プノンペンにはキャンパスがいくつもあり、シェムリアップにも校舎があります。

私はまだこの学校は経験ないですが、シェムリアップ校舎は自宅から比較的近いですし、機会があれば通ってみたいです。

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