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ベトナムのSlack、カンボジアのSlack(スタンプの異文化)

企業によっては欠かせない社内チャットツールのSlack。カンボジアの会社とベトナムの会社でSlackの雰囲気が違うなあとは何となく思っていて、それは社風が違うからだと思っていました。

社風によってSlackの雰囲気が違うのは日本の会社においても同じだと思うのですが、もしかして、これは国によっても多少違いはあるのかも?と思い、個人的に感じたことを書いてみようと思います。

ベトナムのSlack


こちら5年以上前のため、記憶がちょっと曖昧なのと、Slackの機能も変わったので、細かいところで違うかもしれません。

3言語入り乱れ

これは会社によるとしか言えないのですが、初めて私がSlackを使ったベトナムの会社では、社内公用語は日本語、中立性のため事務連絡は英語、社員はほぼベトナム人のため話す言語はベトナム語、のためSlack内は3言語が入り乱れていました。

日本語N3以上が入社条件となっていたため(日本語学習人口の少ないカンボジアではあり得ない…)日本語の投稿も多く、また日本語がネイティブレベルの外国人でベトナム語も普通に話すスタッフも複数在籍していました。私もカジュアルなスレッドではベトナム語で投稿していました。

ベトナム人同士で「了解です」スタンプが流行

日本人同士では「ありがとう」「了解です」のようなスタンプを使っていましたが、ベトナム人同士では文字スタンプを使わないことを発見。スタンプはスタンプで、シンプルな顔や手のサインを利用していたように思います。

ですが…日本語のわかるベトナム人スタッフ同士で、「了解です」スタンプが流行り、本文が全てベトナム語なのに「了解です」のスタンプがポンポン押されていて、ちょっと笑えました。

多分これは、ベトナム語が分かる日本人の友達にLineでベトナム語スタンプ送る感覚と同じです

カンボジアのSlack

個人メッセージ以外は英語

カンボジア人以外のエンジニアもある程度いるため、Slackでは英語のみを使うポリシーです。入社時に英語のテストもありました。カンボジアの前職でも同じで、チャットツールは英語のみでした。

ベトナムと比べると、チャットで日本語でコミュニケーションできるほどの日本語人材がカンボジアにいないということかもしれません。(クメール語と日本語の文字体系がかけ離れていることから、日本語を話せても文字での同時性ある日本語コミュニケーションはかなり難しそうです)

また、日系企業でのベトナム人スタッフは「英語人材か、日本語人材か」の二択の印象がありましたが、カンボジアで外資企業で働くカンボジア人スタッフは、基本的に英語力がある前提で「〇〇語」ができる人もいる、という印象です。

肌の色が多様性ある、いいね

ベトナムと違うと思ったのは、スタンプの🙏、👍などのマークが設定で肌の色を変えられるため、様々な色の🙏や👍がつくことです。(ただ、ベトナム在住だった5年前は肌の色を変える設定は無かったかもしれません)単純に色々な国の人が在籍しているからというのもありますが、カンボジア人もクメール系の人は結構肌の色が濃く、中華系だと日本人と同じような感じで、その中間の人も多く、様々です。

色は設定で6種類から選べます。日本人含め東アジア系は左から2・3番目を選ぶ人が多いですが、社内に6種類全部いると思います。

ベトナムの美容の方向性が「美白」で、割と一方向であり、絶対に日焼けはしない、バイク移動中にフードをかぶってマスクにサングラスでUVカットをしていることを考えると、カンボジアの美の意識とスタンプは多様性があるなと思います。

帰国した時に母が「もう肌色って言わないのよ」と言っていましたが、グラデーションあるズラっと並んだいいねを見ると「そりゃそうだ、これ全部肌色だもんねぇ」と思います。

コミュニケーションとしてのスタンプ

プロジェクトで煮詰まって焦っている同僚に、☕️スタンプを差し出したヨーロッパ出身のスタッフ。

カジュアルなスレッドで「小豆抹茶ラテが飲みたい」と言った同僚に「小豆」のスタンプを押し、「どこからその豆見つけたの?!」と豆探しが始まり小豆スタンプだらけになったスレッド。

スタッフの誕生日が自動的に表示されるスレッドには、花束やクラッカーのスタンプと同時に、その人に関するスタンプが多くつきます。

文字スタンプは日本独特の文化かも

マレーシアの野本響子さんの少し前の投稿で、「日本のサイトは日本語で埋め尽くされている」というものがあり、返信で「ECサイトの運営をしているが、日本では文字がぎっしり埋め込まれたサイトの方が売れる」という実体験を投稿していた方がいました。

Slackの絵文字スタンプが、文字の投稿に対して絵で簡単に感情を表せるものとして出発したのと対照的に、日本人が絵文字スタンプなのに文字で「お疲れ」「OK」「押忍」などのスタンプを多用してしまうのは、この文字を詰め込みたい文化かなと思いました。

また、投稿に対して「見ましたよ」と三文判をポンと押す、社内回覧板のイメージをオンラインでも引きついでいそうです。
(日本の会社でSlackを使ったことはないのですが、日本に住んでいたときに社内回覧板を回していた経験と、ベトナムでの日本人同士のコミュニケーションから想像しています)

知っている限りでは、文字が入っているスタンプを日常的に使っている外国人はいないです。「OK」は日本人の中では文字スタンプとさえ認識していないんじゃないか?と思うのですが、そういえば日本人以外で「OK」を押している人はいないなあと気づきました。日本独自の文化かもしれません。



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