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うつになって気づいた100のこと|その時は突然やってくる

3、4時間しか眠れない日が続いていた。

どうやったら楽チンにこの世から居なくなれるか、
毎日そのことばかり考えていた。

Googleで検索しても、
「ヘルプが必要です」
という無料相談ダイヤルが出てきて
心の中で「そうでしょうね」と答えるか、
Amazonで高評価の完全自殺マニュアル
とかいう本のお試し読みを
眺めることになるだけで、
ろくな情報が得られない。

他の某ブラウザで検索してみると
いくつかの代表的な自殺方法を、
手軽さや苦痛度など様々な観点で
評価した論文を見つけた。
どこの誰が書いたはかは分からない。

それを私は真剣に読んだ。

やるとしたらまぁこれなのかな。
激安の中古車を買わないといけないな。
床に寝転んだまま仰向けになって
携帯の画面を見ながら呟く。


自分の手のひらをじっと見つめた。

ここに、一粒飲むだけで
眠るように死ぬことができる薬があれば。

心底願った。

自分の今の毎日と、未来には、
なんの夢も希望も楽しみも幸せもなくて
生き続ける限りはこの先ずっと地獄を
歩き続けるだけなのだと思っていた。


お風呂にも入れず床で眠ることも多かった。

その日は金曜日で、
2日ぶりくらいにお風呂に入った。

お風呂から出てなんとなく携帯を手に取った。

また、楽チンに逝ける方法を探す。
もうほぼ無意識だった。
息をするように、
今晩のレシピを探するように、
いろんなワードで検索する。

夜中の2時。


急に、毎日それを繰り返している自分を
別のところから見ている
もう一人の自分のような気持ちになった。

惨めで孤独で不幸そうだ。

もう嫌だと思った。
涙が沢山出た。

ここに行ったらもう”終わり”だと
思っていたものを検索し始めた。

精神科。
病院。
メンタルクリニック。


どうやって、なぜ、
その病院に決めたかはあまり覚えていない。
2択だった。

決行するか、誰かに助けてもらうしかなかった。
単純に、後者の方が、
必要な勇気は小さかった。

次の日の土曜日に診察の予約を入れた。

絶対に行かないと思っていたのに、
その時は突然やってきた。

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