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うつになって気づいた100のこと|人のことは分からない

月曜日。

上司に休職の申し出をした。
コロナ渦からずっと在宅ワークのため、
ビデオミーティングで話をした。

事前に整理しておいたメモを見ながら
事の経緯や病院での診断の内容などを伝えた。

休みに入れたのはそれから1週間半後だった。
人事のフォローがなければもっと時間がかかっていたかも知れない。

とは言え、
今持っている仕事が落ち着いてからの
休職で構わないと話したので、休職できるのは
1ヶ月後くらいかと思っていたから、
予想外に早く休職を開始することになった。


最初に話した直属の上司は、
なんとか私が休みを取らずに済む方法を
考えて提案した。
やはりもっと頑張るしかないのかと、
休職することを諦めそうになった。
その上司からさらに上の上司に話が伝わり、
人事に伝わり、
最終的には1週間半後に休みに入ることになった。


人事は明日から休みに入っても構わない
と言ってくれたが、
さすがに最低限の引き継ぎを済ませないと
気が気でない旨を伝えた。

引き継ぎを済ませてから休みに入るのは
自分の意思だと、
自分で人事に言うように上司に強く言われた。
何かの事情を察した。

休職のことはしばらくの間、
会社の人以外の誰にも話さなかった。
いや、話せなかった。
家族にも、親友にも、
前の会社の仲の良い元同僚にも。

なぜ言えないのかは、
分かっているようで分からない。
心配をかけたけたくないから、
というと良い人間にように聞こえるけれど、
結局は、自分がダメな人間だと
思われるのが怖いだけなのかも知れない。

人生うまくいっていると
みんなに思われたいからなのかも知れない。


本当は、助けてくれと誰かに言いたかった。

めちゃくちゃ辛くてさみしいと
誰かに言いたかった。


私は決して友達が多い方ではないけれど、
愛すべき人たちはいる。
家族と、信頼できる友人たち。

もし私がすべての心の内を打ち明けたら、
きっと親身になってくれると思うけれど、
どんでもない動揺と驚きを与えてしまうと思う。
悲しませてしまうと思う。

私に希死念慮があるなんて、
きっと予想もつかないはず。


そう考えると、
当たり前のことではあるけれど、
人というのは本当に、
外から見ただけではもちろん、
それなり以上の人間関係があったとしても、
何を抱えているかは他人には分からないものだと
つくづく、改めて思う。

休職して数日経った日、
有名な女優さんが適応障害で
活動休止を発表したニュースが
大きく取り上げられていた。

続いて世界的に有名なスポーツ選手も
長らく鬱で苦しんでいたことを告白し、
大きな話題になっていた。


普段テレビに映っている彼女たちは、
そのような気配のカケラもなく、
常にキラキラと眩しく輝いて見える人たち。

言うまでもなく、
彼女たちと生きる世界や
レベルは全く異なるとは言え、
他人事とは思えなかった。

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