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古今東西の「愛してる」:誘拐

幼いころ、誘拐にあった。

塾の帰りに連れ去られたらしい。

らしいというのは、その記憶が欠けてるからだ。

今も覚えているのは、犯人の低い声と、母の抱擁の感触だけ。

「愛してる」私を抱きしめながら、私以上に泣きながら、母は耳元で叫んでいた。

子は親を選べないと言うが、母が母でよかった、と思う。

===後記===

親という存在は特別であり、不思議で不完全だ。

完璧なものなど無いのだけど。

そんな中でも、愛情を感じられることは、この上ない喜びだ。

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