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「D2Cとしてファッションアイテムを作る際に考えたことーあえて作る意味」NIZシングルブレストジャケット発売記念

というわけで、NIZブランドの2021SSコレクション
シングルブレストジャケットを提案させていただきました!!(執筆時点、好評発売中)

アイテムを発売する時というのは緊張します。
個人ブランドですから個人でOEM会社さんとやりとりして、製作をお願いし、注文をお願いし、納めてもらいます。

もちろんサンプルを作ってもらい、修正をかけたりして、満足するものをGO!とするのですが、納めてもらう時点では1個たりとも売れてませんから!!!

受注生産、という形態もありますがなかなかに難しい。
厳密にやればできないことはないですが、1個1個つくる小物と違い、ロット数が決まってきます。
そして、依頼した時点から制作に取り掛かるとどうしても納期がかかります。
ある程度ラインを確保できればいいのでしょうが、それも難しいと見通しが立たず、発注してからの予約という形式に。そうしないと、納期が伸びてしまい、届けたい時に届けられず、ということなのですよね。

まぁその辺の苦労はまた置いておいて(聞きたかったら言ってください)

いくつかのシーズンを作り続けてきて、オリジナルのアイテムを作る意味というのはどういうところにあるのかなぁとうっすらとおもってきたのでその所感を書いてみる次第です。

「ファッションアイテムを作る」

という時、いろいろな意味がありますが、本当にタダ作るだけだとしたら、それほどハードルは高くないのではないかなぁと。

いやいや! と思うかもしれませんが、いろんな形式やスタイルがあり、いろんな生産背景が繋がっているので、ぜったいにつくりたいものがあり、それをキチンをお願いして対価を渡せれば、作ってはもらえると思うんですよ。

もちろん、特殊なアイテムだったり、素材だったりは難しいかもしれませんが、たとえば「シャツのこの部分をながくしたやつ」とか「こういうのが好きなので似たようなの」とか、はおそらくできるんじゃないかなぁと思います。

しかし、それが果たして、誰かにとって価値があるものなのか? というとまったく別。
そして、皆目見当がつかなくなってしまうところ。

果たして他の誰かにとって、対価を払ってもらう価値があるのか? ということ。

流行り物を安価に模倣すればいいのでは? ということもあるかもしれませんが、それこそ、数多のアパレルブランドがある中で、ハイブラデザインの安価版は探せばすぐに出てくるでしょう。
いや、そういう安易なコピーではなくて、と。しかし、それとこれはどう違うのか?

そして、「なんかこう言った感じで、手頃な値段だったらいいかな」と思ったりするけれども、それは自分でやる意味があるのか? とか思うわけですよ。

しかもそれが価値としてあるものなのか、とか。


オリジナリティ。

そして、価値。


聞き馴染みのある言葉に落ち着いてしまうかもしれませんが、結局自分自身が心血注いで作って届けるときに、届けるだけの価値があると思えるもの、そして、価値が感じてもらえると信じられるもの、というのは、そういうものしかないんじゃないかな、と思うわけです。

これでしか伝えられない価値と表現。

そこに価値があると信じるから創るんですよね。

因果なものです。

というわけで、そんなこんなの今回は、ジャケットです。

よろしければ手にしてみてください(宣伝)





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