フランスの国内事情をすこし デモが始まった週末
こんにちは ななるです。
12日の大統領声明で、一部商業施設と文化イベントなどで、衛生パスポートの提示が義務付けられたフランスです。
革命記念日を超えて、初の週末は、案の定というか、当然というか、国内各地でデモ蜂起。
衛生パスポートに対する国の姿勢が、ワクチン接種を「強制」するものとして、権利の侵害を訴える声が大きくなりつつあります。
正直、先日の大統領声明を受けて、国民が蜂起しなければ、「フランスも終わった」と見做しました。
なんといっても、革命の国だもの。
同時に、ワクチン接種の予約が取れなくなるほど、多くのひとたちが接種予約に殺到したのも事実です。
大統領声明と同時期に、興味深い統計も発表されました。ワクチン2回接種、1回接種、未接種のそれぞれの母体で、コロナ罹患率と重症化率を示したものです。
数字を明確に記憶していませんが、2回接種では5%以下、1回では20%台、接種なしでは30%台だったかと。
この統計発表の周囲で、「2回接種でも重症化/罹患しているのは、なぜか?」と、「接種なしでも罹患しない6-70%のひとたちは、単にラッキーなだけか?」を、皮肉混じりに議論する民放のラジオ放送局がありました。
放送の中で「そういえば、罹患し完治した人の話は出てこないね。彼らはどこに含まれるんだろう」の声もあり、そうそう、それ気になっていた!とラジオに(実際には携帯電話に)かじりついてしまった。
強制されること、束縛されることに、瞬時に反応する国民性を持つフランス人。
個人の「権利」が侵害されると判別した瞬間、立ち上がる彼らの機動力は、さすが感情瞬間湯沸かし器の民族だなと感動すら覚えます。
デモやプロテストにも、警察に届けが必要です。
特に街中をマーチするなら、届けは必須です。
全仏に広がり、街角や高速道路の出入り口を占拠することもあったgilets jaunesのデモですら、警察に届け出た上での平和的な権利表明活動なのは、国外では報道されていませんでした。
デモやストが、たとえ国や周囲の利に反しても、「デモをする権利」を尊重し、許可を出すのがフランスという国家です。
周囲の国民も、賛否両論あれ、ストだデモだを起こす行動に対しては、最大限の敬意を払います。
自由と権利を求め、国を作り上げてきたフランスの卓越した国民性であり、自尊心です。
2〜3日でデモを組織し、届け出、何万人規模にまで育て上げる機動力には、慣れを感じたりもするものの、組織を連携させるネットワーク力や参加者を鼓舞するPR力、スポンサーを探し出すマーケティグ力には、目を見張るものがあります。
衛生パスポート自体に、不確定/不確実な要素が多すぎる点も相まって、これから国家に対するデモが続きます。国との押し相撲が、どの辺りに落とし所をみつけるのか。来年大統領選を控えたフランス共和国の、国家のあり方を、世界に見せつけてほしいと期待すらしています。
柵の中に飼われることを良しとしない国民性。
たとえチーズの国でも、牛ではないのです。
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