三島由紀夫入門
三島由紀夫は『金閣寺』を始めとして、何冊か挑戦したのですが
今まで一冊も最後まで読み切ることができていませんでした。
海外に住む日本人として、三島由紀夫の一冊も読んでいないようでは
恥ずかしくていたたまれない。
そんな私のような方、これ、おすすめです。
三島由紀夫がこんな軽いタッチのエンターテイメント小説を書いていたなんて!
『命売ります』 三島由紀夫
自殺に失敗した青年が、新聞に
「命売ります」と広告を出すところから始まる物語。
命を買いに来るお客さんたちが奇想天外で、
読者を離さない話の展開に一気に読みすすんでしまいます。
新聞紙の活字がゴキブリになって逃げ出したり、
猫みたいな毛だらけの恐怖心を胸に抱いたり、
初めて出会う比喩表現は、奇抜な組み合わせなのに
こちらにしっかりと青年の気持ちや感触が届くところに、
三島由紀夫の凄さを見ました。
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