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仏蘭西生活記

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フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
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#フランス

さよならパリ、たくさんのありがとうを!

突然ですが、今月で日本へお引越しすることになりました! パリを去るにあたって7年間のパリ生活総まとめを書きたかったのですが、この街で過ごした日々を一言にまとめてしまうのはどうにも難しそうです。でも帰国したらまた、バタバタと忙しい中でいまの気持ちはどこかへ忘れてしまうことでしょう。その前に何か残しておきたいので、とにかく書き出してみます。 小さなアパートの床を埋め尽くすように全ての持ち物をひっくり返し、必要なもの、誰かにあげるもの、処分するものと選別していく。本を一冊、服を

友だちの結婚式へ行く

フランス人の友人Lと、そのブラジル人の彼氏Bの結婚式に参加して来た。ドレスアップし小さなお花を頭にたくさん載せ、カラフルなセンスの良いブーケを持ったLは幸せそのもので、とっても可愛かった。 フランスの結婚式は市役所のホールで市長さんと共に行われる。市長さんのスピーチがあり、婚姻の宣誓を読み上げ、新郎新婦がこれに同意し、各々証人と共に書類にサインをすると婚姻成立だ。 拍手が鳴り止まない中、何度も見つめあいキスし合う2人の様子を見るとこみ上げるものがあった。 コロナ禍もあり

いろいろなカップルのあり方

先週の土曜日、久しぶりにMをうちに招いて一緒に夜ご飯を食べた。ついつい連絡不足になってしまって、Mに会うのは去年の暮れに彼の誕生日会に呼んでもらって以来だった。 さて、なにを食べよう? そういえば、お気に入りのイタリア料理屋さんでこの前食べたサーディンとサフランのパスタがとっても美味しくて記憶に残っている。干し葡萄と松の実が入っていて、サフランの独特な芳雅を引き立てる干し葡萄の甘みと松の実の香ばしさ、そこにサーディンの旨味が混ざり合い、非常に印象的な組み合わせだった。 ち

自転車でめぐるロワール川食い倒れの旅

先週3日間、自転車の旅に出ていました。ロワール川沿いを走る食い倒れ旅行です。 初めて自転車で旅したのは去年の夏。自転車好きのパートナーに連れられて、同じくロワール川沿いを1週間ほど走りました。初めは恐る恐る1日に35km。徐々に距離を伸ばして1日に最大で60km走りました。 ロワール川沿いは比較的なだらかな道が続く自転車初心者にもおすすめの自転車ルートとして有名なようです。老若男女問わずたくさんの人が自転車で走っているのに驚きました。自転車で旅行するってかなりポピュラーな

俳優とばったり遭遇する街、パリ

マレ地区を散歩していた時のこと。ギャラリーの入り口に貼られたポスターを見ていると、中から出てきたムッシューが「ここ、よかったよ」とニコッと教えてくれた。 後からパートナーに「さっきのムッシュー誰だかわかった?」と聞かれ、驚きました。なんと俳優のダニエル・オートゥイユだったと言うのです!全然分かりませんでした! ダニエル・オートゥイユといえば、『メルシィ!人生』。 コンドーム会社に勤める主人公が突然解雇を言い渡され、思い詰まってベランダから飛び降りようとするところを隣人に

山でダラダラするか、街でダラダラするか

久しぶりにパートナーの母とその旦那さんのお家に遊びに行って来た。 義母たちはパリから電車を乗り継ぎ5時間、さらに最寄りの駅から車で30分ほどの山の上に住んでいる。人口6人の小さな村だ。 猫4匹と暮らす大きな家にはお庭とテラス、それに屋根裏部屋と地下室があって、遊びに行くといつも屋根裏部屋に泊まっている。 一度、ノミが大量発生して全身を噛まれてからしばらく訪ねていなかったのだけど、今年はノミ対策をしっかりされたようで、去年のように足が水玉模様になることはなかった。 家の前に

パリで滞在許可証の身分を学生から配偶者に変更する方法

この度ようやく滞在許可証の更新及び身分変更に成功いたしました。 学生から配偶者への身分変更についてあんまり情報がなかったので、ここにまとめておこうと思います。 ※滞在許可証の更新に必要な書類や条件、手続き方法は常に変わる可能性があります。また対応する窓口の人によって求めてくる書類が変わるので、あくまで参考程度にご笑覧くださいませ。 1 とにかくまずはRDVを取る しまった!滞在許可証の期限が切れる!と気づいたのが期限切れの一ヶ月前。多分三ヶ月前もしくは二ヶ月前からRDV

”日本好き”フランス人に困惑する

パリには日本好きなフランス人がたくさんいます。 どこの出身かと聞かれ「日本」と答えると、日本大好き!、日本に行くのが夢なの!、バカンスで日本に行って最高だった!こんな素晴らしい国はないよね!、日本食大好き!毎日食べれる!などなど概ねポジティブな反応をいただけます。 フランスに憧れる日本人がたくさんいるように、日本に憧れるフランス人も思った以上にいて、今のところ日本人ということで特別に嫌な思いをしたことはないし、会話のきっかけにもなる。自分の国に興味を持ってくれている人がい

髪の色いろいろ

先週、健康診断に行って来ました。 採血の順番待ちをしていると、採血ブースからマダムが顔を出し、次の患者さんを呼びます。採血担当マダムの髪の色がパッと目を引く青色です。心の中で、おぉ、と思いました。そして、おぉ、と思っている自分に気がつきました。 街中ではいろんな色に髪を染めている人を見かけます。ピンク、青、緑色。 撮影の仕事では虹色に髪を染めているモデルもいます。 そんな時にはいちいち、おぉ、と思わないのに、病院で青い髪の人を見ると、おぉ、と思ってしまったのは、どうしてか

仕事の話 : 外国人として働く価値とは

昨日、撮影の仕事のあと先輩アシスタントMからお褒めの言葉を頂戴しました。よく頑張ってくれてるってわかってるよ、と。 昨日の撮影はかなり大きなお仕事でした。某有名ブランドのキャンペーン広告と動画の撮影です。午後の初めまではなかなか順調に進んでいたのですが、最後のショットを撮っている最中にライティングが変更になりました。その時私はスタジオの外で余っていた機材を片付け中。他の2人の先輩アシスタントがフォトグラファーについていました。 早く上がれるように、使わないであろう機材を先に

フランス人とヴァカンスと、ワクチン

衣替えをしたのにセーターを引っ張り出してこないといけないような、肌寒い日が続いていたパリですが、ここ1週間でようやく夏らしい気候になってきました。フランスの夏と言えば、ヴァカンス!日本にいた時には信じられませんでしたが、パリに住み始めて驚きました。フランス人は本当に夏1ヶ月まるまるヴァカンスへと旅立ちます。もちろん貧富の差もありますし、仕事によっては休みを取れない人もいるでしょう。が、私の周りでは夏は働かない人が過半数です。正社員や公務員であれば年間5週間の有給の取得が保証さ

新しい、初対面でタブーな話題

フォトグラファーのアシスタントをしていると、撮影の度にいろんな人に出会います。大人の一般常識として、初対面の人と会話するときに避けるべき話題がいろいろありますよね。例えば政治と宗教の話。 それに加えてパリで働いているといろんな国籍の人、様々なバックグラウンドを抱えている人がいます。撮影現場に10人いると、10人みんな国籍が違う、なんてこともあります。肌の色も見た目も違います。政治や宗教の話題に加えて国籍や出身地もデリケートな話題だと感じます。 例えば、イギリス人のフォトグ

日本とフランスの、違うところ

しばらく前から日本に一時帰国しています。今回は、パートナーのフランス人が日本に入国することができないので、初めて1人で日本へ来ました。いつもなら2〜3週間の一時帰国ですが、今回は1ヶ月以上時間をとって、ゆっくりしています。 美味しいもの食べたり、久しぶりのお友だちに会ったり、やっぱり一時帰国は楽しい!そして冬の日照時間の長いところが、なによりも素晴らしい。何年後かには、2人で日本に戻ってくるのもアリかなあと検討しています。 しかし長くいるとじわじわと、次第に蘇ってくる、日

これから目指す生活は

思えばパリに来てからずっと、「なんとかお金を稼ぎ出してパリ生活を続けること」が目標だったのかもしれない。 こっちに来て雑誌の仕事がしたいなあとぼんやり思っていたのが、念願叶って実現できたり。取材して写真撮ったり文章を書く仕事がしたいなあと言っていたら本当にその通りのお仕事を紹介してもらえたり。ファトグラファーのアシスタントをしたいと行動したら、結果がちゃんとついて来たり。こうやってこの5年を振り返ってみると、驚くほどに運が良く、いつもいろんな素晴らしい出会いとタイミングに恵