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パリで滞在許可証の身分を学生から配偶者に変更する方法

この度ようやく滞在許可証の更新及び身分変更に成功いたしました。
学生から配偶者への身分変更についてあんまり情報がなかったので、ここにまとめておこうと思います。

※滞在許可証の更新に必要な書類や条件、手続き方法は常に変わる可能性があります。また対応する窓口の人によって求めてくる書類が変わるので、あくまで参考程度にご笑覧くださいませ。


1 とにかくまずはRDVを取る


しまった!滞在許可証の期限が切れる!と気づいたのが期限切れの一ヶ月前。多分三ヶ月前もしくは二ヶ月前からRDV(予約)が取れます。

慌ててPrefecture PoliceのHPからRDVを取ろうとしたのですが受け付けられず、電話で予約を取るようにと表示されます。safariやfire foxやgoogle chromeなどあらゆる手段を試してみたけれど予約が取れないので電話をすることに(safariは
ダメだけどgoogle chromeなら繋がったり、私のPCでは予約が取れず友だちのPCからなら予約が取れた、なんてことも昔あったので予約が取れない時は手を替え品を替え試してみましょう)。

電話はもちろんなかなか繋がりません。繋がらないのが普通なので気長にかけ続けます。
時間帯を変えて数日間電話した結果、朝一に電話しては切れ、またかけ直し、を何度も何度も繰り返しようやく繋がりました。根気よく頑張りましょう。ちなみに電話すると「オペレーターに空きがありません。後でかけ直してください」と音声が流れるや自動的に通話は切られるのでコールしながら待ち続けることはできません。


滞在許可証の番号など必要な情報をオペレーターのマダムに伝えると、1ヶ月後のちょうど滞在許可証の期限が切れる日に予約を入れてくれました。数日後メールアドレスにconvocationと必要書類のリスト、滞在許可証更新申請書が送られてきます。



2 必要書類を準備しよう


事前に政府のHPで必要書類は確認していたのですが、メールで送られてきた必要書類リストとは異なる点もあったので、メールで送られてきた必要書類リストの方を参照しました。


ここでよく分からなかったのが、果たして身分変更はPremière DemandeなのかRenouvellementなのか?配偶者ビザとしては初めての申請だけど、滞在許可証としては更新です。とは言っても大体同じ書類を要求されるのでどちらでも大丈夫なだけの書類を用意しました。さらに必要書類リストに書かれていない書類を要求されることもあると噂に聞いていたので、とにかくなんでもかんでも持って行くことにしました。書類は原本とコピーを用意しましょう。

私が持って行ったのは、

・滞在許可証更新申請書 
メールの添付で送られてきました。忘れても現地で貰えます。

・今の滞在許可証

・パスポート
なんとパスポートも期限切れ間近!慌てて調べると、在仏日本人大使館に行けば1週間で更新してくれました。仕事が速くて助かります。

・extrait d'acte de mariage
copie intégrale de l'acte de mariageとextrait d'acte de mariageの違いがわからなかったのですが、手元にあったActe de mariageとしか書いていない書類で大丈夫でした。

・住居証明書

・証明写真3枚

・夫がフランス国籍であると証明する身分証明証

・Communauté de vie 
6ヶ月以上一緒に住んでいることを証明する書類というのがよく分からず曲者でした。
自分たちで書くdéclaration sur l'honneurという証明書のほかに、住居証明、EDF、携帯電話の領収証、銀行の残高証明など、住所の書いてある書類をあるだけ持って行きました。共同の銀行口座など二人の名前が連名で書いてある書類があればより効力があると思うのですが、私たちは連名の書類が何もなかったので多めに持って行きました。ちなみに引っ越しした時に住所変更し忘れている機関が多く、土壇場で焦ったので手続きはきちんとやるべき時にやっておくことがオススメです!!

・Certificat médical délivré par l'OFII 
必要書類リストにあるものの何かよく分からず、念の為パリに到着した時に必須だった健康診断でもらった紙を持って行きました。結局提出する必要はありませんでした。

・Justificatif d'acquittement de la taxe sur le titre de séjour et du droit de timbre
収入印紙。これは滞在許可証を引き取りに行くときに必要となります。


条件によっては日本の戸籍謄本が必要な場合もあります。これだけは日本で手配を頼まないといけないかも知れないので確認をおすすめします。


3 RDV当日


準備した書類を持ってcitéにあるPrefecture Policeへ!Convocationには付き添い人厳禁と書いてありますが、配偶者ビザの場合は配偶者と一緒にRDVに行かなくてはなりません(家庭内暴力や裁判中などの事情を除く。その場合は別途必要書類あり)。

さて書類の確認が始まります。一番厳しかったのが6ヶ月以上一緒に住んでいることの証明。連名のcontrat de bailがあればなおよしだと思うのですが、私たちはhébergement chez un partiqurierのためbailがありません。そのため多めに書類を求められたのかと思います。たまたま私は確定申告の書類を持って来ていたのですが、パートナーは持って来ておらず、しまった!その場で税務署のサイトからダウンロードして提出してくれと言われるのですが、IDとパスワードが思い出せない!と言うことで代わりにパートナーは個人事業主の登録証明書を、担当してくれている窓口のムッシューにメールで送ってその場で提出しました。
確定申告の書類はかなり有効な書類なので、必要書類リストには書かれていませんが二人分持って行くのが良いかと思います。

さらに何かフランスで取得したディプロムがあるかと聞かれます。大学はまだ卒業してないと答えると、語学学校でもなんでもいいからフランスで取得したディプロムの証明書があったら2年分の滞在許可証を申請できるよとのこと!そんな情報どこにも書いてなかった!しかし語学学校の修了証も語学試験の認定証も何も持って来ていません。それでも今までの滞在許可証更新で提出した書類は全てインターネットに登録されているようで、ムッシューが見つけて追加してくれました。

書類の確認が済むと、ムッシューが上司に確認を取りに行くのでしばし待機。

再び窓口に呼び出され、足りない書類を持って来週もう一度来るようにと新しいconvocationを渡されます。残念!

新しく必要な書類は、

・パートナーの確定申告の書類

・私の大学在学証明書

・各自の健康保険の証明
これは聞いたことのない書類だったのですが、ameliのサイトでダウンロードできました。

・各自の過去3ヶ月分の銀行の残高証明

とのこと。保険の書類や3ヶ月分の残高証明などは必要書類に書かれていなかったのでどうして必要なのか分かりませんが、必要と言われれば持って行くしかありません。

在学証明書も事前に知らされていませんでしたが、学生ビザから身分変更される場合は念のため用意しておいた方が無難かも。

必要書類リストに必要なものを全部書いておいてくれたらお互い1回で済んで楽だろうにと、フランスで何か手続きする度不思議に思います。
しかし書類が足りなくとも、すぐにRDVを取り直してくれるのはありがたいです。



4 再びPrefecture Policeへ


前回足りないと言われた書類を用意し、2度目のRDVへ。今回の窓口担当はキリッとしたマダム。必要書類を提出します。

と、高等教育以上のディプロムはないの?とマダム。

なんと、前回のムッシューは間違っていて、語学学校や語学試験のディプロムでは2年間のビザは降りず、フランスで取得した高等教育以上のディプロムがあれば2年分のビザが出るとのこと。
ディプロムがない場合は、1度目の身分変更では1年分の滞在許可証しか取れませんが、専用の語学試験を受けたら次回の更新の際に2年分の滞在許可証が取れるそうです。その場でマダムが語学試験の申し込み申請をしてくれました。そのうちSMSで連絡が来るそうです。ちなみにDELFのB1とB2を取得済みですが、それでもこの滞在許可証更新用の語学試験を受けないと2年分の滞在許可証の申請はできないとのことでした。

それ以外には書類の不備も足りないものもなく、Récépisséを貰って終了。新しい滞在許可証ができるまで期限切れの滞在許可証とこのRécépisséが滞在許可証代わりとなり、6ヶ月間有効です。新しい滞在許可証ができたらSMSが届くとのこと。約2ヶ月かかるそうです。

2回目のRDVは待ち時間もなくすぐに終わりました。


身分変更についてあんまり情報がなく、更新手続き前は結構ハラハラしていたのですが、思ったよりもすんなり更新することができました。

学生ビザの更新の場合は、保証人を立てるなり、指定された金額以上の銀行の残高証明証を見せるなり、1年間滞在するのに十分な資金がありますよと証明する書類が求められるのですが、配偶者ビザの場合は特に資金についての審査がないのか?不思議でした。

それから懐かしい映画『グリーン・カード』みたいに、偽装結婚(フランス語ではmariage blanc 白い結婚と書きます)でないか調べられたり、プライベートな質問をされたりするのかなと思っていましたが、ありませんでした。

結婚した証明と6ヶ月以上一緒に住んでいると言う証明さえあれば良いと言うのは事務的でロマンスに欠けているなと拍子抜け。
しかし住所変更し忘れている書類が多く、一緒に住んでいるという事実をきちんと紙で証明するのが案外難しい。愛というのは言葉でも書類でも証明し難いものだなと改めて感じるシュールレアリスティックな体験でした。


5 滞在許可証を取りに行くRDVを取る


レセピセが発行されて1ヶ月半経ったころ、新しい滞在許可証が出来たこと、225€分の収入印紙を持って取りに来ること、Préfecture PoliceのサイトでRDVを取るようにとのSMSが届きました。

ようやく新しい滞在許可証ができた!と喜んだのも束の間、RDVを取るためのサイトがうまく動きません。
滞在許可証引き取りのための受付窓口は1番から11番まであるのですが、窓口番号ごとにクリックして空きがあるか確認しなければならないという面倒な仕組み。窓口を順々に確認しますが、空きがないと表示されます。しかも窓口を3回確認するとサイトがフリーズしてしまいます。こうなるとページを更新しても、ウィンドウを一度閉じて再度サイトを開いても、うんともすんとも言いません。サファリでダメならFirefoxで試すものの、こちらも窓口を3回確認するとサイトはフリーズ。
しょうがないので電話で問い合わせるものの、もちろん繋がりません。やれやれ。


滞在許可証はもう出来ているのに、それを引き取りに行くための予約が取れないとは。窓口11個分順々にクリックして空きがあるか確認しないといけない謎の不手際さ、その上すぐにフリーズするサイト。さすがフランスです。ここでイライラしてしまってはフランスでは生活できません。本当にここは先進国なのだろうか?と思うような不便さがあるのがこの国なのです。
Récépisséの期限は6ヶ月あるし、焦ったら負け。

毎日毎日、1日に何度も何度もサイトを確認し、電話をかけ続けること3週間。ようやく予約ページが開けたときには思わず歓声をあげ、パートナーと手に手を取り合って喜びました。不便さとは、喜びのなかったところに喜びを生み出す装置なのです。

予約が取れるまで気長に、根気よくサイトを確認し続けましょう。直接ポリスに行ってもRDVがないと中には入れてもらえません。
ちなみにRDVを取る窓口の番号は何番でも変わりありません。当日呼ばれる窓口も予約した番号の窓口ではありません。


RDVが取れたら225€分の収入印紙を購入します。ウェブサイトまたはタバコ屋さんで購入可能。私はウェブサイトで購入しました。



6 ようやく滞在許可証を取りに行く


RDV当日。Récépissé期限切れの滞在許可証パスポートそれにconvocation収入印紙を印刷して持っていきました
ちょっと並びますが必要書類を確認され新しい滞在許可証をもらって無事に終了です。

窓口に呼ばれる時、初めてマダム〇〇(私の日本の名字)・épouse ⬜︎⬜︎(夫の名字)と呼ばれて不思議な気分になりました。新しくできた滞在許可証を見てみると、名前欄には私の名字プラスépouse ⬜︎⬜︎と記載されています。époux/épouseとは配偶者、夫/妻という意味です。

夫の名字を記載するかどうかなど聞かれもしなかったのに、自動的に記載されていました。そういえば夫の従姉妹の身分証明書にもépouse ◯◯(◯◯の配偶者)と、従姉妹の夫の名字が記載されていたことを思い出しました。
結婚すると女性の身分証には自動的に”誰それの妻”と記載され、男性の身分証には何も記載されないのでしょうか。名前ってとても大事なもののはずなのに、この辺の仕組みがよくわかりません。


私の夫の身分証明書にはépoux 〇〇として私の名字は書かれないのか?
例えば私がフランス人で、夫が外国人の場合はどうなったのだろう?
外国人夫とフランス人妻の場合でも、フランス人妻の身分証明書に外国人夫の配偶者と記載するのか、それとも夫が外国人の場合は夫の滞在許可証にフランス人妻の名字を記載するのでしょうか?
それに同性婚の場合はどっちの名字がどっちに書かれるのでしょう?

周りに既婚者を見つけたら尋ねてみます。

我が家は夫婦別姓ですが、それでも私の滞在許可証には夫の名字が記載されるというのが今回の発見でした。改めて、結婚したんだなと感じました。



婚姻に際して名字について調べました。昔は結婚したら自動的に名字が変わるものだと思っていたけれど、いろいろ選べます。気になる方はこちらから↓



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