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仏蘭西生活記

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フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
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#フランス生活

スクラブルで白熱言語バトル

アルファベットの書かれた駒を並べて単語を作って遊ぶボードゲーム、スクラブル (SCRABBLE)をご存知でしょうか?海外のドラマや映画で目にしたことがある方も多いのではと思います。 簡単に説明すると、アルファベットが書かれた手持ちの駒を盤上に並んでいるアルファベットと組み合わせて単語を作って繋げて行くゲーム。 アルファベット毎に点数が振り分けられていて、駒の右下に書かれている点数の合計が獲得点数となります。 A、E、Iなどの頻出アルファベットの駒はたくさんありそれぞれ1点

ブルターニュの島で、時間は静かに流れる

義両親とパートナーと4人でブルターニュ地方のとある島へバカンスに来ています。 この辺りは天気が変わりやすいことで有名なよう。朝は曇り、昼に小雨、午後に晴天、夕方に雷、夜の間にまた小雨と1日の間にコロコロと空の様子が変わります。 とは言っても太陽がカンカン照りになることは珍しく、曇り空と霧雨が交互にやって来ます。 8月だけど気温は20度前後。パリよりも涼しく、ビーチで泳いで日光浴というよりは、のんびりしたりお散歩するのによい避暑地という趣きです。 レストランはどこもバカン

友だちの結婚式へ行く

フランス人の友人Lと、そのブラジル人の彼氏Bの結婚式に参加して来た。ドレスアップし小さなお花を頭にたくさん載せ、カラフルなセンスの良いブーケを持ったLは幸せそのもので、とっても可愛かった。 フランスの結婚式は市役所のホールで市長さんと共に行われる。市長さんのスピーチがあり、婚姻の宣誓を読み上げ、新郎新婦がこれに同意し、各々証人と共に書類にサインをすると婚姻成立だ。 拍手が鳴り止まない中、何度も見つめあいキスし合う2人の様子を見るとこみ上げるものがあった。 コロナ禍もあり

パートナー、日本語講座始める

隣りでカリカリカリとノートに書き綴っているパートナーが「こんなもん覚えられるかー!」と声を上げノートを投げ出す。 「どうして3種類もアルファベットがあるの?」 「なんでひらがなだけで46文字もあるの?」 「どうして”こんにちわ”って発音するのに”こんにちは”って書いてあるの?」 前々から日本語を習ってほしいと思っていたけれど、語学にしろなににしろ押し付けられて学ぶ気になるでものでもなし。何事も本人の自主的なやる気がなければ身につくものではないよなと半ば諦めかけていただけに

ある冬の朝、パリを想うこと

自転車に乗って十一区のアパートを出る。 冷たい風で耳が痛い。キャスケットじゃなくニット帽を被ってくればよかった。まだ夏時間だけど、朝はすっかり冬だった。夏と冬の個性に押し潰され秋はどこへ行ってしまったのだろう。秋を感じるのは近所の八百屋で南京と葡萄を見かける時くらいだろうか。 自転車を漕ぎ、パルマンチエ通りを北上し、ヴォルテール通りへと抜ける。夏時間が冬時間に変わる前の朝は特に暗い。見上げると灰色の分厚い空が建物に切り取られている。 六時一五分。 七時前に郊外の撮影ス

自転車でめぐるロワール川食い倒れの旅

先週3日間、自転車の旅に出ていました。ロワール川沿いを走る食い倒れ旅行です。 初めて自転車で旅したのは去年の夏。自転車好きのパートナーに連れられて、同じくロワール川沿いを1週間ほど走りました。初めは恐る恐る1日に35km。徐々に距離を伸ばして1日に最大で60km走りました。 ロワール川沿いは比較的なだらかな道が続く自転車初心者にもおすすめの自転車ルートとして有名なようです。老若男女問わずたくさんの人が自転車で走っているのに驚きました。自転車で旅行するってかなりポピュラーな

あの無愛想なウェイターさんはどこへ

近所に行きつけの美味しいカフェがあります。シナモンロールが抜群に美味しくて、休みの日に朝食を食べに行きます。 朝はいつも大柄で色白の男性ウェイターさんがいます。パートナーと初めて行った日、カフェを出ると顔を見合わせ「感じの悪いウェイターだったね」と言い合いました。可愛いカフェの雰囲気に似合わずなんとも無愛想な人なのです。 それでも美味しいので通い続けました。 ある日ひとりでお茶をしに行くと、テラス席でオーナーシェフのマダムとウェイターさんが2人で話をしています。なかなか

ひととひとがつなぐ幸福な食卓

ある晩、友人Fが豚の脂身のスモークとパリンカというお酒を持って遊びに来てくれた。 Fはとあるファッションブランドで働いていて、ロシアのウクライナ侵攻が始まったとき、ブランドのオーナーと一緒に社用のトラックに服や支援物資を詰め込んで、ルーマニア人の同僚とともにウクライナとルーマニアの国境から5kmの街までトラックで向かった。その街にはウクライナから多くの人が逃れて来ているという。 すぐに自社のトラックで支援に赴けるというのは金銭面でも物資の面でも一個人がすぐにできるスケール

パリで滞在許可証の身分を学生から配偶者に変更する方法

この度ようやく滞在許可証の更新及び身分変更に成功いたしました。 学生から配偶者への身分変更についてあんまり情報がなかったので、ここにまとめておこうと思います。 ※滞在許可証の更新に必要な書類や条件、手続き方法は常に変わる可能性があります。また対応する窓口の人によって求めてくる書類が変わるので、あくまで参考程度にご笑覧くださいませ。 1 とにかくまずはRDVを取る しまった!滞在許可証の期限が切れる!と気づいたのが期限切れの一ヶ月前。多分三ヶ月前もしくは二ヶ月前からRDV

”日本好き”フランス人に困惑する

パリには日本好きなフランス人がたくさんいます。 どこの出身かと聞かれ「日本」と答えると、日本大好き!、日本に行くのが夢なの!、バカンスで日本に行って最高だった!こんな素晴らしい国はないよね!、日本食大好き!毎日食べれる!などなど概ねポジティブな反応をいただけます。 フランスに憧れる日本人がたくさんいるように、日本に憧れるフランス人も思った以上にいて、今のところ日本人ということで特別に嫌な思いをしたことはないし、会話のきっかけにもなる。自分の国に興味を持ってくれている人がい

家庭の異文化比較:オノマトペが通じない

以下、会話はフランス語 パートナー「どうそのセーター?」 私「悪くない、けどちょっとチクチクするわ」 パートナー「え?CHIKU CHIKUってなに?」 私「あ〜!オノマトペだよ。肌に刺す感じの生地とか、かきむしりたくなる生地って、"チクチク"って感じしない?」 パートナー「いや、全然!」 そうなのです、フランス人のパートナーとはオノマトペが通じないのです。 一方、日本人の中でも特にオノマトペを多用すると言われている関西人の私。オノマトペが使えないのは不便なもの。

語学能力はその人の能力を(時として)正しく反映しない

撮影の仕事終わりに2日間連続でタクシーに乗った時のことです。 1日目の夜のタクシーの運転手さんはどこの出身の方かはわかりませんが、訛りのあるフランス語を話します。私も訛りがとてもあります。でも住所を2回ほど繰り返しかつ最寄りのメトロの駅を言うとすぐにどの通りかわかってくれ、GPSも使わずお家まで送り届けてくれました。 2日目の夜のタクシーの運転手さんはフランス語ネイティブに聞こえます。私の訛りの強いフランス語をわかってくれません。GPSに何度も打ち込んでもうちの住所が見つ

家庭の異文化比較:熱が出たときなに食べたい?

ふと気になって、パートナーに聞いてみました。 「熱出たとき、なに食べたい?」 「じゃがいものピューレと厚切りのジャンボン(ハム)!」 予想の斜め上を行く回答に、腰を抜かしました。 熱出てるときにピューレとジャンボン食べられるって、元気じゃない? ちなみに熱が出ててもバゲット食べられる?と聞いたら不思議な顔をされました。私なら熱が出てるときにはバゲット食べたくなりません。 普段いろんなことを一緒に楽しめて、国籍、言語、ジェネレーションなどの違いを乗り越え、人生を共に

結婚して変わらなかったもの/夫婦別姓

昨年フランス人と結婚するまで知らなかったのですが、外国国籍のパートナーと結婚する場合、夫婦別姓にすることができます。特に何もしなければ夫婦ともお互いの名字のままとなり、我が家は夫婦別姓です。 最近は日本でも選択的夫婦別姓を認めるかどうか、議論が盛んになってきているようですね。結婚の際には深く考えていなかったのですが、夫婦別姓についての記事を読んでいると、今になって名字について日本とフランスでの仕組みが気になってきました。 国際結婚すると外国人パートナーは日本の姓へ変更でき